この世界には、本当にたくさんの課題がある。 寄付はその解決に向かう大切なエネルギー源だけれど、どうやら分野によって偏りがあることがわかっている（Syncableでもそんな傾向があるらしい）。例えば動物保護は寄付が集まりやすいけど、犯罪加害者は集まりにくい。なんとなくわかるけど、でもそれでいいんだっけ。違和感が残る。そして寄付の偏りはこのSNS社会において、共感を梃子にして加速するんじゃないかと思ったりもする。 このポートフォリオは、大げさにいえば、そうした「寄付の偏り」に向かうひとつの挑戦です。はっきり言ってこれが唯一の正解だとは思っていないし、受け取った側が嬉しいものなのか、その辺もわかっていません。 でも、少なくとも今わかっているのは、僕らが目にし、共感し、感動したものに寄付を投じている限り、偏りは解消されないであろうということです。墨子が兼愛を説き、ニーチェが遠人愛を語ったように、僕らはもっともっとずっとずっと遠いものへ、遠くの方へ向かっていきませんか。身近でないもの、知らないもの、共感がまだ生起していない場所にアクセスしてみませんか。 一応付け加えておくと、共感や相互扶助による寄付を否定したいわけではありません。そこにもう一つ別の視点を組み合わせて、寄付を、この世界の問題を考えていってもいいんじゃないか。このポートフォリオは、そんな提案です。もしくは、これもまた異なった共感の形、遊星的共感なのだと言えるかもしれません。 はじめは見知らぬ団体でも、きっと寄付が始まれば活動が気になるでしょう。あなたの人生に起こるはずのなかった新たな関係が、純粋な偶然からスタートします。見知らぬ遠くの問題に向かって、一緒に手を伸ばしましょう。 ■ 支援団体について 団体はSyncableさんに頂いたリストに基づき、擬似乱数列生成器を用いて選定しました。