Story
みなさん、こんにちわ!ぼくはナイスネイチャ。
1988年4月16日に生まれ、今年32歳になった元競走馬です。
毎年暮れに行われる「有馬記念」という大きなレースで1991年から3年連続3着という名記録(?) を残したことから「ブロンズコレクター」と呼ばれ、JRAからワイド馬券が発売された時にはポスターのモデルになったこともあります。
ぼくは今、引退競走馬の支援活動を行っている「認定NPO法人引退馬協会」の里親制度で余生を支えられるフォスターホースとして、生まれ故郷の北海道・浦河町にある渡辺牧場で暮らしています。
ぼくのおかあさんのウラカワミユキも競走生活を終えてから繁殖牝馬として渡辺牧場で暮らし、繁殖を引退してからも渡辺牧場で里親さんに支えられて36歳まで生きました。今は30歳まで生きる馬もいるといわれていますが、ぼくも長生きできているのはおかあさん譲りかもしれません。
【引退して種牡馬・繁殖牝馬となる馬たちの行く末】
毎年7千頭近く生産される競走馬のうち、繁殖に上がることができる馬はわずかです。
牡馬はよほどの成績を残さないと種牡馬にはなれないし、牝馬は牡馬よりも繁殖に上がれる数が多いとはいえ、競走馬全体の数から考えると決して多くはありません。
また、もし種牡馬や繁殖牝馬になれたとしても、高齢になったり、生まれた子供のレースでの成績が悪かったりすると処分されてしまうのがほとんどです。
中央競馬(JRA)や地方競馬の重賞レースを勝った馬には、すべての仕事を終えた後、10歳になっていれば、がんばったご褒美として助成金が支給されます。
現在は約200頭の馬たちがこの助成金を必要な費用の一部に充てて、余生を送っています。
僕も種牡馬としての仕事を終えてからは助成金と里親さん達からの支援を受けて、生まれ故郷で余生を送っていますが、僕のような馬は競走馬全体から見ればごくわずかです。
中には、受け取る権利があるのに助成金があることを知らなかったり、助成金だけでは経費が賄えないという理由で、悲しい末路を辿る馬もいます。
最近では、多くの重賞競走に勝ち、たくさんのファンのいる馬が、種牡馬を引退して行方不明になったという話を聞きました。助成金を受け取る権利がある馬だったので、どこかで余生を送ることができたかもしれなかったのに、人知れず行方不明になってしまった可能性があることは本当に悲しくて、残念です。
種牡馬や繁殖牝馬を飼っている牧場や施設が、馬がお仕事ができなくなった時に余生を送る場所を探すのは大変なことですし、助成金は月1万円か2万円なので、それだけで一頭の馬にかかる費用をすべて賄うのは難しいことです。
僕は、大きなレースを勝った馬たちには競馬を盛り上げてきた功績があり、馬主さんだけでなく、生産した人やファンも含めた競馬に関わる人すべての宝ではないかなと思うのです。
すべての馬は無理でも、せめて助成金を受け取る権利がある馬から、僕や全国各地で助成金を受けて余生を送っている馬たちのように、生きるチャンスを与えてあげることはできないでしょうか?
【みなさんへのお願い】
今年で4回めのぼくの「バースデードネーション」を4月16日から行います。
「誕生日=バースデー」と「寄付=ドネーション」という二つの単語を合わせた「バースデードネーション」は、誰かのお誕生日のプレゼントの代わりに、その人が支援している団体のために寄付をお願いするキャンペーンです。
これまで毎回多くの人がぼくの願いを叶えるために協力してくださり、昨年は引退した競走馬を第二の馬生へ繋ぐ為の「再就職支援プログラム」へたくさんのご寄付を送ってくださったおかげで、仲間達が新しいステージへと旅立つことができました。プログラムを卒業して新しい場所で大切にされている仲間たちを見ると、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
今年のバースデードネーションは、種牡馬や繁殖牝馬としてのお仕事を終えた馬たちを、ぼくのように穏やかな余生を送る終の棲家へ繋ぐ為に、みなさんの力を貸していただけたらと思って立ち上げました。
【ご寄付の使い途】
ぼくへのバースデープレゼントとしてお寄せくださったご寄付は、認定NPO法人引退馬協会へ送られ、引退した種牡馬や繁殖牝馬を鹿児島のホーストラストへ預託するために使わせていただきます。
繁殖を引退した馬はほとんどがすぐに牧場や施設を出なければならなくなります。牡馬の場合は去勢費用と去勢後の一時退避場所(牧場や施設)への約一か月分の預託料、馬運代、ホーストラストへ入厩する際の保証金、助成金が支給されるまでの期間とフォスターペアレント(里親)会員さんが集まるまでを半年と見越してその間の預託料に充てさせていただきます。当面必要な金額を一頭あたり80万円と考え、2頭分として160万円を目標にしました。
一人一人の力は小さくても、集まれば大きな力になって、馬たちの余生を支えることができます。
ぼくの仲間たちもぼくたちのように穏やかで安心して日々を送ることができるようになりますように。
競走馬として、種牡馬や繁殖牝馬として、長い間がんばってきた馬たちに最後のご褒美をあげることができるよう、みなさんのご協力をお願いします。
たくさんの寄付は無理、継続しての支援は難しい…そんな方でもご寄付は500円から行なうことができ、クレジットカードだけでなく、Amazon Payも利用できます。
複数回や毎月続けてのご支援も可能です。
引退馬協会は「認定NPO法人」なので、一年分の寄付金受領書を添えて確定申告をすれば所得税が還ってくるという税制優遇も受けられます。
安心して暮らせるおだやかな日々を一頭でも多くの仲間たちに。
今年もみなさんの力を貸していただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします!