2011年の東日本大震災発生後から被災地に通い始めていました。
2014年から活動を開始した「三陸歌声喫茶キャラバン」は、
被災地の方に「生バンド演奏によるカラオケで思い切り歌ってもらおう」というコンセプトで開始しました。
避難所から仮設住宅、そして災害公営住宅へと、何度も地域コミュニティ再生に苦労された皆さんは
活動開始から10年経った今でも「まだ私たちの心の復興は終わっていないです」と口にされます。
活動中盤からは「岩手県復興支援事業」に採択され助成金によって活動を継続してきましたが、
毎年毎年助成金予算は減額の一方で活動継続が大変厳しくなってきております。
多くの方から「また来て下さいね!」「待っていますよ!」の声を頂くこの活動をどうぞ応援してください!!
Story
東日本大震災の被災地の方、被災地から内陸部へ避難された方たちに「音楽による心の復興」を届ける
「三陸歌声喫茶キャラバン」活動継続のためのクラウドファンディングにチャレンジします。
私たちのチャレンジへの応援の気持ちとして寄付をお願いできませんか?
画面右側の「寄付して支援する」ボタンで3000円から寄付できますので、是非気軽な気持ちで寄付をお願いできると嬉しいです!
※ 寄付金は決済にかかる手数料と利用料を除いた全額が団体へ寄付されます。
このページはSyncableの機能を使って作成していて、支援先団体は非営利で公的活動を行っている団体を対象としています。
<東北岩手応援チャンネルとは>
NPO法人東北岩手応援チャンネルは2024.09.01に満10歳となりました。
東日本大震災をきっかけに岩手を応援したい仲間が集まって設立した団体です。
設立当初は「映像」「音楽」「食」の3つの柱で岩手を応援するコンセプトでした。
この原稿を書いている理事長・出淵晴彦は映像制作のプロ。
そして若い頃はプロミュージシャンを目指していた音楽においてもセミプロ+@の技量を持っております。
現在は設立前から活動開始していた「三陸歌声喫茶キャラバン」という「音楽による心の復興事業」をメイン事業にしております。
<キャラバン隊員>
<きっかけは被災地の方の言葉から>
活動のきっかけは・・・
大震災の年の夏、2011年8月に映像記録を残す為に参加した陸前高田市の「うごく七夕まつり」でした。
翌年の当祭りでは前夜祭は音楽家として、本祭は映像カメラマンとして参加しました。
その年に、音楽仲間の一人が現地の方からこんな言葉を聞かされました。
「多くの人が歌いに来てくれるのは本当に嬉しい。でも…そろそろ私たちも歌いたいんだよね。ここにはもう何も無くなっちゃったから。」
その言葉を聞いた彼女がさらに翌年(2013年)の夏に陸前高田市の仮設住宅で小さなイベントを行いました。童謡や唱歌などを住民皆さんと歌うようなイベントでした。
<陸前高田市仮設住宅での開催風景>
自分も「何かあったら演奏補助をお願いしたい!」と依頼されてイベントに立ち会いました。
自分が演奏することはありませんでしたが、このイベント後に三陸を更に北上して田野畑村に向かう途中、大槌町の知人を訪ね、「こんなイベントをやってきたんですよ」と話したら
「うちの町でも是非やって欲しい!会場は私が探すから!!」と懇願されました。
「よ~し、それなら来年は音楽仲間を募って三陸の町を巡ってみるか!!」となりました。
<最初の三陸歌声喫茶キャラバンは2014年夏>
当NPO法人の設立申請と並行しながら、このキャラバン活動の企画・交渉などの活動を進めていきました。
最初の三陸歌声喫茶キャラバンは「大船渡市」「大槌町」「田野畑村」の3市町村での開催が決定。
4度目の参加となる陸前高田市「うごく七夕まつり&けんか七夕まつり」の翌日からスタートです。
大船渡市は当時あった「屋台村」「来渡ハウス」の2回開催でした。
たまたま知人と会う為に屋台村を訪ねてきた市民のKさんが、この開催風景を見たのをきっかけに夜の部に参加してくれることになりました。
そして…彼女は「野に咲く花のように」を歌ってくれました。
その時に話してくれた彼女の言葉が、今でもこの活動の原動力となっています。
【2014年 初開催の風景 大船渡・大槌・田野畑】
大船渡市 来渡ハウス&屋台村
大槌町 わらびっこ商店街
田野畑村 ハックの家
<原動力となったその言葉とは…>
「震災当時、生きる死ぬというところでは、音楽とかコーヒーとかタバコとかお酒とかダンスとかは二の次三の次でした。でも好きな人にしてみれば生きる糧になるわけです。
これからは自分の好きなことして普通のことが普通にできるような、そういう風にしてもいいんじゃないか。
私の中ではまだ楽しむというところに負い目があります、正直言って。
いいのかな、こんな楽しんじゃって。
でもこれからは上にいったみんなの分も楽しむぞ。死ぬその日までみんなの分も楽しむぞ。」
震災から3年半経って…この日初めて歌うことができた彼女の言葉を聞いて、「この活動は絶対に意義がある活動だ!!」と強く自信を持つことができました。
<大槌町でのエピソード>
大槌町では一人の女性から「親友が自分の経営するスナックでいつも流していた、この歌を男性の方に歌って欲しい」と「酒と泪と男と女」をリクエストされて自分がギターを弾きながら熱唱させてもらいました。舞台にいた自分はリクエストの意味をイベント後にスタッフから聞かされたのですが、彼女は歌を聞き終わった後に天を仰いで「お~い、聞ごえっがぁ?!」と瞳を潤ませていた様子が記録映像に残っておりました。(この女性とは、本年の歌声喫茶キャラバンで10年振りに再会ができました!)
2014年の活動記録映像「歌のチカラ」
<この活動は継続させていかなければ!!>
この時はクラウドファンディングでの資金集めに成功したお蔭で無事に初年度の活動を終了させて記録DVDの編集作業も完了いたしました。2年目は活動場所を拡大させていきまして、2回に分けて開催。「陸前高田市・大船渡市・気仙沼市」「野田村・宮古市田老・大槌町」と6市町村で活動しました。残念ながら2度目のクラウドファンディングは成功しませんでしたが「失敗しても申し込んだ金額は寄付するからね!」の声が圧倒的で当初の希望額通りの寄付が集まりました。
【2015年 2年目の開催風景 第1回 陸前高田・大船渡・気仙沼】
陸前高田市 りくカフェ
大船渡市 屋台村
気仙沼市 ケアハウスみなみ
【2015年 2年目の開催風景 第2回 野田・田老・大槌】
野田村 えぼし荘
宮古市田老 仮設住宅集会所
大槌町 わらびっこ商店街
1年間ブランクが空きましたが、2017年、2018年は自分が主宰した「岩手県PRイベント」で知り合った「一社PSJ」が採択された復興庁「心の復興事業」の一環として大槌町・釜石市で開催。
そして、2019年1月~3月には初めて「岩手県NPO等による復興支援事業」として大槌町で計9回開催することができました。この復興支援事業は当法人が「田野畑村支援」として2015年、2016年に採択されていたモノでしたが、初めて「三陸歌声喫茶キャラバン」が岩手県の復興事業として認められた記念すべき事業でもありました。
【2017年~2019年 釜石市・大槌町での開催風景】
釜石市 災害公営住宅集会所
大槌町 仮設住宅集会所
大槌町 文化交流センターおしゃっち
<カラオケと生演奏との違いは?>
被災者の方々の生活環境も整ってきて、町中にカラオケの施設なども増えてきた頃に「それならカラオケ大会でも良いのでは?」という質問を聞いたこともありました。これに対する答えは現地の方がとても分かりやすく回答してくださいました。
「カラオケって他の人が歌っている時は、自分は次に何を歌おうかなと考えていてあんまり聞いていないんだよね。でも生演奏だと慣れていない分、皆で自然と助け合っていく。そうして自然と仲良くなっていけるんだよね。」
当時の活動を岩手日報が大きく取り上げてくれました。
参加された皆さん「生バンドをバックに歌うなんて、この歳になって初めて経験しました!!」と喜んでくださいます。日頃カラオケで歌い慣れていても、生演奏だと歌詞も光って流れてくれませんしね。その分皆で一緒に歌ったり、合図を出したりと自然と盛り上がってくれます。
時には踊りだす人もいますよ。特に沿岸、大槌町の方々は踊りが大好きですね。中にはメインで歌っている方まで途中でマイクを置いて踊りだしたこともあって、この時は流石にキャラバン隊も慌てましたっけ!!
<いよいよ内陸部でも展開することに!!>
大槌町での活動完了報告を町役場の担当職員にしにいったところ「実は私は花巻市から出向で大槌町にきておりまして、4月から花巻に戻ります。花巻にも沿岸から避難してきた人たちが住む災害公営住宅ができて、今から新しいコミュニティづくりが必要となります。沿岸はある程度同じ地域から人が集まって公営住宅に住むのですが、内陸部は至る町から人が集まるのでコミュニティづくりが一層困難になると思います。この素晴らしい活動を内陸部でも是非展開してください!」と依頼されました。
調べてみると、内陸部は計画中も含めて「盛岡市・花巻市・北上市・奥州市・一関市・遠野市」に災害公営住宅があると。「岩手県NPO等による復興支援事業」の担当職員も「この活動なら内陸部でも通ると思いますよ」と背中を押してくれて、2019年度は岩手県の別部署の「心の復興事業」にて「盛岡市・花巻市・北上市」での開催が実現しました。
<沿岸のキャラバン隊が内陸部に行って演奏する意義とは…>
盛岡の公営住宅で開催した時のこと、大槌町から避難されてきた方が「自分の地元の人がここに来てくれるというだけでも本当に嬉しい!」と嬉し涙を流されていました。
また「一度は忘れてしまおうと思ったけど、こうして故郷から来てくれた人に会えるとまたふるさとを思い出すきっかけになるね」と感慨深く語られた方もいらっしゃいました。
この事業は単に音楽を奏でるだけでなく、こうした想いを届けられることも大切なんだな…と回を重ねるごとに多くの意義を感じられてきました。
【2019年 初の内陸部での開催風景】
盛岡市 県営備後第1アパート集会所
花巻市 賢治の広場
北上市 総合福祉センター
<コロナ禍に続いて、復興事業補助金削減の大波が・・・>
「皆で集まって一緒に大きな声で歌う!」がコンセプトの歌声喫茶は、流石にコロナ禍に於いては活動を停止するしかありませんでした。
2022年度から再び活動を開始すべく、岩手県の復興事業に申請を出しましたが「全体予算削減」の煽りを受け「内陸部県南地域の活動は補助対象外」となってしまい花巻市、北上市、奥州市での活動への予算は採択外となってしまいました。
2023年度は「活動地域の制限はしませんが、全体予算として条件付き」ということで申請額から約12.2%カットされてしまいました。
全部で11日間の開催申請を出していたのですが、予算を削減されたとしても
「開催を待ち望んでいてくれる方がいる限り、なんとしてでも計画通りに開催していきたい!!」と自らの人件費を削り、さらに開催前に関係部署を訪問して事前打合せを行う旅費を削ることによってなんとか11日間の開催は維持できました。
<2024年度は更に復興事業補助金削減の荒波が大きく!!>
本年度も同様に11日間開催として岩手県復興支援事業に採択されましたが、更に補助金が減額になってしまいました。
自己負担額も含めた総事業費が
- 2022年度→2023年度で約34万円の減額。(補助金は約31万円の減額)
- 2023年度→2024年度で約16万円の減額。(補助金は約14万円の減額)
同じ規模(開催日数11日間)での支援活動なのですが、この2年間で総事業費が約50万円、補助金が約45万円の減額になってしまいました!!
この復興支援事業は元々「1割自己負担」となっておりまして、全経費の1割はNPOが自分たちで経費負担をしないといけません。その上に全体予算を20%近くカットされたので負担額はかなりの額になってまいります。「支援者からの寄付やクラウドファンディングで自己負担分を補ってください」という国・県のスタンスはこの先さらに強くなっていくものと思われます。
「2022.11.11 三陸歌声喫茶キャラバン・復興支援事業報告会用動画」
2022年の活動風景の記録動画です。お時間ありましたらぜひご覧ください!!
<今年度の活動は既に始まっています!!>
まず「一社PSJ」とのコラボ開催で6月に釜石市、大槌町で開催できました。
釜石市 両石公営住宅
釜石市 平田地区生活応援センター
大槌町 浪板交流促進センター
岩手県復興支援事業としては9月から開始。
既に大槌町・宮古市田老・釜石市で開催しています。
大槌町 安渡公民館
宮古市田老 消防第28分団屯所
<10年間の活動の中での朗報も!!>
こんな厳しい状況ですが、9月開催に「自腹で良いので、活動に参加させてほしい!!」と
東京の音楽仲間の一人が釜石市行きの深夜バスに乗り込んで「大槌町歌声喫茶」に参加してくれました。
左側のエレキギター奏者です!! 大槌町臼沢寺野ふれあい集会所
活動開始時期からずっと音楽仲間に声を掛けてきていましたが、遂に念願が叶いました。
学生時代に福祉活動のサークルで青春を謳歌した彼はずっと参加したいと思ってくれていたと。
深夜バスで岩手入りし、その日の終電で神奈川に帰られました!
釜石駅でのスナップ
彼は今後も参加可能な時には合流してくれることになりました。
仲間が増えていくのは本当に嬉しいことです!!
(彼の交通費もなんとか寄付金で賄えることができたらと思っております。)
<この後も開催は続きます!>
今年度はさらに、釜石市、宮古市、盛岡市、花巻市、北上市で開催予定です。
開催告知フライヤーを作成して地元で周知して頂いています。
<音楽による心の復興支援事業から、将来的には社会福祉事業へと!!>
活動開始から今年で10周年を迎えた三陸歌声喫茶キャラバン。
継続して開催しているうちに段々分かってきたことは「この活動は少子高齢化社会に於いては、被災地、被災者対象だけでなく、どこの町、どこの自治体でも必要とされていく活動だ!!」ということです。
どこの町でも独居高齢者が増えていき、引き籠り、孤独死の予防対策が必要とされています。
震災の影響を受けた方々だけでなく、こうしたコミュニティ活性の為のイベントを待ち望んでいる人たち、自治体は岩手県内だけでなく、日本のどこの町でも同じ状態だと思います。
この活動を岩手県外の方にも広く周知してもらい、全国的に拡がって欲しいと思っています。
今、補助金を受けている岩手県の復興支援事業は来年度が最終年度になると通知されています。
民間財団などの福祉事業助成金は活動費に対する助成はあっても、「主催団体の人件費は助成なし」というのがほとんどです。どんな素晴らしい活動をしようとしても、流石に資金無しで活動を継続することはできません。
昨年のバースディドネーションに引き続き、今回もSyncableさんでクラウドファンディングに挑戦することができました。
この活動に賛同・支援してくださる皆さんの想いを少しでも寄付という形で頂きながら長く継続していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。