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スウェーデン・買春者処罰法の弊害をあぶり出したドキュメンタリー映画「ぜんぶ売女よりマシ」上映会レポート その①

2024/11/18 17:05

スウェーデン・買春者処罰法の弊害をあぶり出したドキュメンタリー映画「ぜんぶ売女よりマシ」上映会レポート その① Main Visual

掲載日:2024年11月18日

●歌舞伎町で買春者処罰法反対イベントを開催

SWASHは11月8日に歌舞伎町で買春者処罰法に反対する映画「ぜんぶ売女よりマシ」の上映イベントを開催しました。その内容をレポートします。

イベントの冒頭、ロンドン大学SOASの戸谷知尋より、SWASHが今年から性サービスの利用客を処罰する法律・買春者処罰法に反対するキャンペーンを始めたことや、今回の映画上映イベントの趣旨について、概ね以下のような説明がなされました。

ネットやフェミニズム運動の中で、たびたび「買春は悪だ」と言われてきました。セックスワークをする側ではなく、性的サービスを買う側を罰すれば、セックスワークはなくなるはずだと考える人たちが残念ながら一定数います。

そこでSWASHメンバーたちは今年の夏、フランスやイギリスのセックスワーカー団体や、スウェーデンで調査した研究者などに会うためヨーロッパ視察に行きました。そして、買春者処罰法を採用した国では、セックスワーク関係者らは犯罪性を押し付けられ、セックスワーカーは非合法な状況に追い込まれた結果、深刻な安全問題や被害が増加したという事例を多く耳にしてきました。これらのフィードバックは、クラウドファンディングのサイトに載せています。

そのキャンペーンの一環として、今回は買春者処罰法発祥の国・スウェーデンの実態を告発した映画の上映会を行いました。


●セックスワーカー殺しの買春者処罰法を告発する映画

スウェーデンの買春者処罰法において、セックスワーカーは救済されなければならない対象で、他の人より劣った存在とされています。そういった法律の考え方が社会福祉サービスにも反映されています。

そのためスウェーデンでは、セックスワーカーであること、たったそれだけの理由で、社会福祉事務所から「子育てする上で責任能力のない不適切な親」と判断され、親権を得られないということになっています。たとえ子育てに何ら問題がなかったとしてもです。

今回、上映した映画「ぜんぶ売女よりマシ」は、このような“スウェーデン・モデル”といわれる法律のように社会化された理念によって、子どもの親権を元パートナーに奪われ、子どもを取り戻す闘いの過程で元パートナーに殺害されたセックスワーカー、エヴァ・マリーさんの事件と、買春者処罰法の弊害をあぶり出したドキュメンタリーです。

映画では、生前のエヴァ・マリーさんご本人の語りのほか、母親や同僚、弁護士、セックスワーカー団体代表、議員、研究者など、サバイブしてきたエヴァさんを知る人々の証言によって構成され、彼女が“スウェーデン・モデル”の法律の犠牲者と言われる所以が明らかにされていきます。

様々な立場の関係者がエヴァさん殺害事件を検証することで、セックスワーク/ワーカーに対する差別と偏見が、いかにして当事者を暴力や殺人の被害者にしていったのかが見えてきました。社会的資源、社会関係資本を操れる立場の人々が、セックスワーク否定の考え方に基づいて、仕事をするようになっている構造的な問題がそこにはあります。

セックスワークをする人間なんかに自分の子どもを育てられたくないという元パートナーの賤業意識。

セックスワーカーに親権を認めなかったことを未だに撤回・謝罪しない社会福祉事務所。

買春者処罰法が問題だと認識しながら、まわりの顔色を窺い、党の利益を優先し、買春者処罰法に反対しなかった政治家たち。

(写真は、スウェーデンの買春者処罰法に反対票を投じた、現・欧州議会議員で中央党のフレドリック・フェダーリー議員が、当時同僚議員から言われた言葉を紹介している場面)


買春者処罰法の考え方は、社会福祉、社会規範、女性観、母親観、政治家に浸透し、一人のセックスワーカーを疎外させ、ソーシャルワーカーや政治家をネグレクターにし、加害者の暴徒化を許し、エヴァさんは殺されました。

エヴァさんは殺される前、どうすれば社会福祉によるセックスワーク差別をなくせるのかネットでいろいろ調べていたそうです。そして見つけたのが、セックスワーカーの労働組合Rose Alliance代表のPye Jakobssonさんでした。彼女にとってPyeさんは、「セックスワーカーに対して、“犠牲者”とか“自滅の道を選んだ人間”という見方をしなかった初めての人」だったと言います。

(写真は、セックスワーカーとしての思いを語るエヴァさん)


この映画は、多くの人々に観てもらいたいと思います。上映会を開催したい人がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡下さい!


●生かさず殺さず、弱い立場の人々をコントロールする法律のあり方

映画上映後のトークでは、名古屋市立大学の菊地夏野さんがフェミニズムの問題意識からコメントをして下さいました。

菊地さんは、「このところの世界的なMe too運動などフェミニズムの流行的な現象とは裏腹に、セックスワークに対する管理主義的・禁止主義的な風潮が広がってきていること」について憂慮していると言います。

こうなっている背景としては、「フェミニズムがエリート的になってきてしまっていて、そのせいで、女性の中のエリート主義的な意識が、いろんな勢力と一緒になって、場合によっては国と一緒になって、リーン・イン・フェミニズムとか、ネオリベラルフェミニズムを形成していて、かわりにマイノリティ女性がどんどん戻されていく、あるいは救済の対象とか、主体性を奪われたような形に位置付けられていってしまっていることが考えられるのではないか」と分析されていました。

また、新廃止主義と言われている買春処罰法についても、「フェミニズム的な立場から考えています風になっているので、売る方を罰するのではなく、買う方を罰しようとなる」こと、また、「日本の売春防止法では、売るのも買うのもだめとなっているが、売る女性だけが罰せられる形になっているという、ややこしいというかわかりにくさの中にも問題や秘密がある」と、鋭い指摘がされました。


菊地さんがここで指摘する、ややこしい、わかりにくさの中の問題や秘密を理解する上では、菊地さんが捉えている以下の大局的な視点がとても説得的でした。

「女性の売春を禁止する一方で、風営法という法律で、性産業はがっちり管理規制されているわけです。それがすごく複雑な形になっていて、一応禁止はしているけれども実際のところある種の管理された形での性風俗産業はものすごい規模で発展していて、この二重体制みたいなあり方が日本の固有性というか特徴。刑法堕胎罪で中絶は禁止されてるわけですが、禁止されていること自体一般の人はほとんど知らないままで、一方で母体保護法で一定の条件下で許されてるから、ある意味、中絶できることにはなっている。だからすごく議論もしにくいし、抵抗もしにくい。この中絶に関する堕胎罪と母体保護法の二重体制と、セックスワーカーに関する売春防止法と風営法の二重体制が共通していて同じ構図になっている」


まさに権力が、弱い立場の人々を生かさず殺さずコントロールしているという支配体制を、菊地さんは見事に解説していると思いました。

このほかイベントでは、ドラァグのfrida people、りりぃ、げいまきまきによるパフォーマンスとこれまた濃いトークがあり、詳細は「イベントレポートその②」をご期待下さい。


*このイベントは、JSPS 23H00059基盤研究A「移住性労働と人身取引における経験とネットワーク:対策と支援をめざす9ヶ国調査」(代表:青山薫)共催です。

(エヴァ・マリーさんに関する参考資料)


(※)買春者を処罰する法律の何が問題かを知る

買春処罰の危険性を訴えるリーフレットを作成し、セックスワーカーの生活を守りたい!!

(※)殺されたエヴァ・マリーさんとトランス女性のDoraさんのドキュメンタリービデオ「Jasmine and Dora 4-Ever」

https://vimeo.com/87450331

(※)セックスワーカーに対する暴力を終わらせよ:今すぐ完全非犯罪化を ジャスミンとドーラを偲んで。2013年7月19日の国際抗議デー

https://jasmineanddora.wordpress.com/

(※)セックスの購入を犯罪とするスウェーデンのモデルは危険です:欧州議会はそれを拒否すべきだった(2014年2月27日huffingtonpost記事)

https://www.huffingtonpost.co.uk/.../prostitution-laws_b...


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https://swashweb.net/

Representative:要友紀子

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