Center line art festival Tokyo 2024 中盤レポート Part 2
2024/10/23 20:19

Center line art festival Tokyo 2024のオープニングイベントからお伝えして参りましたフェスティバルレポート。今回は吉祥寺エリアで開催された江波戸陽子個展「心と目と行いと生活で」と、国分寺エリアで開催された上野悠河個展「閉鎖的解放」の様子をお伝えして参ります。9月15日から様々なプログラムを開催して参りましたが、こちらの二つの個展が2024年のフェスティバル最終の展示プログラムとなります。残すプログラムは中野エリアで開催されるパフォーマンスプログラム「動物-Moving Object-」と、クロージングイベント「つくりてのてづくり」。こちらは終盤レポートとして、次回お伝えして参ります!
物に宿る記憶を描き残す作家、江波戸陽子
Center line art festival Tokyo 2024 吉祥寺エリアでは、10月16日(水)から20日(日)の会期でGALLERY IROにて江波戸陽子個展「心と目と行いと生活で」が開催されました。江波戸さんは2022年のSpace Sharing Programに出展されて、今年で2回目のフェスティバル参加となります。江波戸さんは「物」をモチーフとして、和紙に油彩転写やカーボン転写の技法で線を描くことによって、絵画を構成してゆきます。一本一本の線に対するこだわりと、対象となる「物」への想いが、作品に命を吹き込んでいるかのように感じられます。作品に描かれている「物」を鑑賞者が目にした時に現れてくる、見る者の内に湧き起こる「心象」こそが、江波戸さんが描いている作品だと言えるのかもしれません。
会期中はガラス窓によって大きく開かれたGALLERY IROへ多くの方にご来場いただき、作品一点一点に描かれた「物」について各々の記憶を辿るように、またそこに纏わる物語を読むようにご鑑賞いただくことができました。観賞後にお客様が作家やスタッフとともに、描かれている「物」の思い出を個々に語り合う姿が印象的でした。
「心と目と行いと生活で」
世界は忘れる、忘れられる、思い出す、思い出されることが合わせ鏡のように続く時空間です。
思い出すために必要なのは「物」です。物を持たない人間はいません。
物は世界が確かにそこにあった(そしてそれは無くなった)と語ります。
絵画は永遠です。画面の表面に触ることは出来ますが、イメージそのものには触れません。
物を絵画として留めれば、世界を保存して繰り返し思い出せます。
また本芸術祭のテーマは「心象」です。
鑑賞者が作品を通して得る心象には、生活のさなかで忘れかけていた何かが思わぬ形で現れるでしょう。
ご自身の心と目と行いと生活において、見るという能動的な活動に取り組んでいただけますように。
江波戸陽子
江波戸陽子個展「心と目と行いと生活で」
会期 10月16日(水)〜10月20日(日)11:00〜19:00
会場 GALLERY IRO
ClafT PASS 適用プログラム
美術的視点と文脈から語られる身体性
吉祥寺エリアの江波戸陽子個展と同会期に、国分寺エリアでは上野悠河個展「閉鎖的解放」が開催されました。元々は上野さんの個展も吉祥寺エリアでの開催だったのですが、諸般の事情により西武多摩湖線一橋学園駅近くのOpen Art Platform「iru」に会場変更しての開催となりました。上野さんは本展示と並行して、座・高円寺 Gallery アソビバでの展示「概観 Tour d'horizon」も開催しており(活動報告「中盤レポート Part 1」参照)本展示「閉鎖的解放」と「概観 Tour d'horizon」は対をなすものとして構成されていました。「概観 Tour d'horizon」が過去作の再構成が中心となる展示、あるいは過去に試みられてきた手法による新作の展示であるのに対して「閉鎖的解放」は新作のみによる展示構成であるだけではなく、作家本人の新たな試みによる作品形態が提示されました。前者が物質的であり抽象的な作品群であるとするならば、後者は身体的であり具体的な作品群による展示であったと言えるかもしれません。
作家本人が「静かな問題作」と言う本展示を、誰もがいることができる場所として開かれている Open Art Platform「iru」で開催できたことで鑑賞者と作家との交流も行われ、その問題性についても多くの方と語り合う時間を持つことができました。
「閉鎖的解放」
あらゆる景色や音や情報を摂り入れて、それらを反芻して消化して吸収して、排泄されうる残滓について考えていた。
一般にそれは、不快な生成物だといえるかもしれない。しかし排泄は創出ともとらえられる(フロイトはそこに快感をともなうという)し、これらのサイクルで動植物は生を成立させているともいえる。身体を拒絶しながらも、身体性と不可分なひとつの創造的プロセスなのである。
「反芸術」などにみられる20世紀の前衛芸術では、実際の排泄物をメディアとして用いるケースがあった。現代は、当時とは異なる環境や技術の上であらゆる苦しみを打開しようと、閉鎖的に解放する(不本意な)手段を見出し一般化してきていることも事実だ。
本展はその説明を交えたスタティックな展示でありながら、もっとも、身体性を感受せざるを得ないパフォーマンスでもある。
上野悠河
上野悠河個展「閉鎖的解放」
会期 10月16日(水)〜20日(日)12:00〜18:00
会場 Open Art Platform「iru」
ClafT PASS 適用プログラム
フェスティバルレポートは終盤、パフォーマンスプログラム・クロージングイベントへと続きます!
吉祥寺、国分寺エリアで開催された二つの個展、江波戸陽子「心と目と行いと生活で」と上野悠河「閉鎖的解放」の会場は、どちらもシンプルで落ち着いた設えで、来場された方たちを優しく迎え入れるような空間となりました。江波戸さんの個展は心に響き、上野さんの個展は身体に響くような展示となりました。フェスティバルディレクターが両展示を見て「やっぱりこころとからだなんだな。」と言っていたのが印象的でした。これからも心が安らぎ、豊かになるような時間や、アートを介して誰しもが集い、居られる場所を作るために努めてまいりたいと思います!
9月15日からスタートしたプログラム開催の様子を、ここまで16プログラムご紹介して参りました。残すところは中野エリアで開催されるパフォーマンスプログラム「動物 - Moving Object -」と、2024年フェスティバルクロージングイベントとなります。皆さま、最後までぜひお付き合いください。
Center line art festival Tokyo の開催継続に向けて、引き続き皆様のご理解とご支援を何卒よろしくお願いいたします!
ClafT 事務局スタッフ一同
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・ClafT2024 フェスティバル図録を一冊進呈(お届けは2025年2月)
・フェスティバルディレクター 三浦宏之によるエッセイをお届け(お届け時期:フェスティバル会期終了後)

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