【募集概要】
◆主催:ボトムアップチャンネル
◆期間:2024年6月1日(土)〜6月30日(日)
◆目標:10万円
◆寄付金使途:団体運営費と若手の育成
Story
1.どんな団体なのか
・団体のビジョン
ボトムアップチャンネル(β)は、ビデオジャーナリスト遠藤大輔が、2018年より試験的に展開してきた社会問題のニュースチャンネルです。合同会社メディア活動支援機構の部門の一つとして運営されてきましたが、まったくの非営利部門なので、このたび、上記法人から独立させて、寄付による運営に切り替えるものです。今後安定した資金のもとで運営し、後発育成も含めた非営利の持続可能性のあるシステムを構築することを目標としています。
・向き合う社会課題の概要
現在大手TV報道は、発表ジャーナリズムに偏り、2009年の大規模な下請け切りにより、社会の底辺の問題について、あまり現場からの発信ができなくなっています。この状況の中、市民の意見を拾って、さまざまな問題を知らせるべく、私たちは活動しています。
・活動内容
YouTubeのボトムアップチャンネル上で、気候変動、人権、原発、公害、貧困、医療等の社会問題を、「迅速、的確、簡潔」をモットーとしたニュース、しっかり深堀りした特集「Flipside ニッポンの裏側。」で掲載、決して網羅的ではありませんが、不定期に更新しています。
形式は単なる記録素材やトーク形式ではありません。テレビと同じように、ナレーション、テロップを使って組み上げています。一般視聴者は意識していませんが、映像作品は写真の延長ではなく、独自の言語的構造(モンタージュ)によって成り立っているのが一般的です。撮る、つなぐという技術よりも重要なのは「考える」作業です。これは従来複雑な工程ですが、しっかり駆使できなければ、一般の人々には伝わりにくいものになってしまいます。
ボトムアップチャンネルは、社会運動の当事者だけでなく、社会に広範に問題を知らしめたいというところが目的なので、非営利であっても手は抜いていません。
また、こうしたテクニックを駆使して、当日もしくは翌日にアップロードしている社会問題のチャンネルは、当方の知る限りでは他に例がありません。かつてテレビ局にコンテンツを提供していた遠藤大輔が、独自に方法論を築いているからこそ可能なのです。
・活動実績
登録者数は3850人。最大の動画再生数はニュースが61,025、特集3,163となっています。
2.なぜ寄付を集めるのか?
・団体の抱える課題・事業ごとの課題
当方のような自主メディアは、テレビのように自主財源を持ちません。「CMがつかない」という理由で、YouTubeの収益化も使えません。テレビと同じクオリティで企画制作するには、プロおよび同等の能力を持ったスタッフがこれに当たらなければなりません。そのためには、どうしても人件費の確保などが必要ですが、今のところ叶っておりません。特に後発育成では、手取り足取りの指導が必要になるので、現在のリモートワーク形式には限界もあります。交通費や制作のための複数のファシリティ(撮影機材、編集機材等)のいずれも充分ではない、持ち出しで対処しているというのが課題です。つまり、しっかりとした財政的基盤を作る必要があります。
・アップデートまたは新規で始める活動の概要
最低限のファシリティ確保、新規の人材育成の開始から始めたいと思っています。いずれメディアセンターのようなものができて、皆が精力的に企画制作できる環境を整えたいとも考えています。
・目指す未来
企画制作者が、生活困窮することなしに自由に動き回って、日々ニュースを更新できるようにすることが目指すところです。取材では平日昼間に動くことも多いため、アルバイトなどとの併用は困難です。非営利であっても、上記のような能力を持ったスタッフが、きちんと生活できなければ持続可能性がありません。新人育成も「プロになる」前提で行わなければなりません。
3.どんな人がどんな想いで活動しているのか?
遠藤大輔は30年の職歴(半分はTV報道)を持ち、ビデオジャーナリズムの草分けです。現在は、遠藤を中心に、スポットでプロのスタッフが関わって制作しています。皆「映像発信で社会をよくしたい」という想いを持って活動しています。
同時に、社会運動のキーパーソンからなる企画委員会の設置も想定しています。市民の意見を広く拾うためです。
・今回次の世代に技術を継承していく必要があると考えたのはなぜか?
大手テレビ局は未だに分担作業で映像を作りますが、ときに「伝言ゲーム」で、事実が歪曲されたり、取材対象者との約束が反故にされることも少なくありません。遠藤大輔が築いたビデオジャーナリズムのワークフローは、単に一人で企画制作するのみならず、責任ある報道を行う方法でもあります。ただし、この方法論は社会的に確立されたものではなく、かつ放送局にも存在しません。
つまり、遠藤大輔の身に何かあった場合、その方法論も教育カリキュラムも消えてしまいます。日本の政治的・経済的崩壊が語られる今、同等の企画制作能力を持ったスタッフを育てなければ、市民の声はますます社会の中で切り捨てられていく可能性があります。将来の日本で、もちろん海外でも、なんらかの社会問題が起きたとき、これを報じる人材は不可欠です。
ボトムアップチャンネルの周囲には、ビデオジャーナリストになりたいと希望する若者がすでに複数います。しかし、今の環境・経済基盤ではなかなか教育を進められません。
そのため、6月27日のメディアリテラシー※の日に合わせて、6月中に寄付募集キャンペーンを行うことになりました。映像発信で社会をよくしたいと願う、私たちボトムアップチャンネルの応援をよろしくお願いします。
※メディアリテラシーとは、直訳するとメディアの読み書き能力を指します。日本ではやや曲解されて、なぜか撮影技術や編集技術と矮小化されています。しかし、本来は前述のモンタージュを含め、映像メッセージの構造を読み解き、自覚的に映像を考える視点の提供を意味します。遠藤大輔は、本来の意味においてのメディアリテラシーを前提とした独自の教育カリキュラムを作り、20年間大学で講義も行ってきました。現在は「ストアカ」というプラットフォームで講師を務め、受講者から好評を得ています(ページ下部にレビューあり)。