犬猫保護活動の舞台裏(後編)
2024/3/21 03:43
本日で最後となる「犬猫保護活動の舞台裏」ですが、今回はこの寄付募集キャンペーンで我々が何を目指しているのかを綴りました。是非最後まで見ていただけると嬉しいです。
動物愛護・福祉が進んでいる海外に比べ、まだまだ日本では公的な補助費用が十分ではない現状
前回の「犬猫保護活動の舞台裏(前編)」でお伝えした通り、多頭数を保護した場合に不可欠な検査・医療等には莫大な費用が必要です。
しかしながら、海外に比べ日本は動物保護や福祉に関しての認知度も低く、国からの公的な補助などはほぼありません。
地方自治体によっては、「不妊去勢手術をすると1匹〇〇円」といった補助をしている場合が多いですが、資金に限度があり、ほぼ早い者勝ちのような状態であるため、私たちのように多くの犬猫を保護している場合、なかなか補助を受けるのは難しいのが現状です。
今回の寄付募集キャンペーンで目指すこと
法人化しているにしても、私たちはあくまでも非営利団体です。
年間40〜50頭を保護している私たちは、単純計算で検査医療だけでも48万〜60万、不妊去勢手術分と突発で起きる病気等の治療費も含めれば、年間で200万を超える場合も少なくありません。
利益を求める活動が基本的に出来ない以上、私たちEverypawdyも、その他ほとんどの団体様や活動家さんも、あくまでも保護を相談・依頼される方と同じ「一般人」であり、多少なり寄付を頂戴することはあっても、基本的に自分たちでかかる費用のほとんどを捻出しており、公的な補助等をもらっているわけでもありません。
成猫*よりも比較的すぐに里親さんが見つかる子猫であっても、保護し医療を施して里親さんに繋げるまでの間、最低でも1匹5万円以上の費用がかかります。
現在保護している動物達により良い環境で過ごしてもらうため、そして増える一方の保護依頼に応えて行くためには、最低でも月に5〜10万円の医療費をカバーできる体制の構築が必須となってきています。
そのためには、毎月定期的にご寄付や支援をしてくださる方を広く募集し、お力添えをお願いするより他に手立てがないのが現状なのです。
私たちが活動する那須地域は、温暖化によって、昔ほど避暑地としては涼しい気候ではなくなり、暑さも厳しくなっています。
雪こそ減少してはいても、冬季の気温はとても厳しく、寒さと飢えで亡くなる犬猫たちは後を絶ちません。
また、都市部に比べて極端な車社会でもあるため、いわゆるロードキル、交通事故により命を落とす犬猫たちは年間で6000頭にのぼります。
このような犬猫たちにとって過酷な環境の中で、誰の助けも得られず命を落としていく可哀想な動物達に対し、命の線引きをせずに救助出来るようにするため、まずは自分たちの活動基盤をしっかりと固めていかないとならないのです。
しかしながら、活動を続けるためには自分たちで必要な費用を捻出しなければならないため、一日の多くの時間を仕事に取られてしまい、常に犬猫たちの傍で集中して管理出来る体制を作ることが出来ていません。
出来ることなら、24時間犬猫たちの傍にあって、常に集中してどんな状態になってもすぐに対処が可能な環境を作りたいと願っているものの、現実は甘くないのです。
皆様がご支援くださることによって、犬猫たちにとってより善い環境での保護が少しづつでも可能になっていきます。
動物たちのため、同じ思いで活動する仲間たちのため、そしてそんな私たちの思いに賛同してくださったたくさんの皆さまのために、決して折れず、ブレることなく努力を重ねていつか大きな実になることを信じて頑張って行きたいと願っています。
人間の都合だけで辛い環境に追い込んだり、虐待したり、命を奪ったり、殺処分される動物たちをなくしたい。
どうか皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。
*成猫とは、生後1年〜1年半を過ぎた大人の猫のこと。
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