2024年、被害者支援都民センターは事務所を、二十年過ごした西早稲田から半蔵門に移転します。
この引っ越しを記念して、当センターで作成している『さくとさようなら』を図書館に寄贈したいと考えております。皆さまお力添えください!
この本は、妹『さく』を亡くしたおにいちゃんである『マナ』の目を通して、私たちがどのように残されたきょうだいを支えていけばよいかを描いた絵本です。当センターの臨床心理士が監修しており、解説がついてます。
同じ境遇の方にはもちろん、すべての方の手に触れていただきたい当センターの自信作です。
ぜひ皆さまのお力を借りて広めていけたらと思います。よろしくおねがいいたします。
Story
★ 傷 つ く 子 ど も を 理 解 し 支 え る た め の 絵 本 ★
被害者支援都民センターは、ある日突然事件や事故に巻き込まれて大切な家族を亡くされたり、心身を深く傷つけられた方々に寄り添い、支援を続けてきた公益法人です。
そのさまざまな関わりの中で、深く傷つく多くの子ども達に出会い、その支援のむずかしさを知りました。
そして、家族やそのまわりで子ども達を支える人たちに向けて作成したのが、この『さくとさようなら』という絵本です。
かわいらしくやさしい絵柄にシンプルなストーリーですが、一読すれば、『マナ』のさまざまな思いが、きっとあなたの胸にも響くはずです。
以下が解説のタイトルになっている主人公『マナ』のこころの内です。
1「なにが起こったのかわからない」~「死」の事実を伝える
2「ボクはひとりで学校にいく」~不安と孤独を和らげる
3「死んだのはボクのせいかな」~罪悪感を和らげる
4「なんで死んじゃったの?帰ってこないの?」~様々な感情を認める
5「ボクのこと、見えてないのかな」~楽しい気持ちとさみしい気持ち
6「怖い夜の海」~悪夢、記念日反応
7「ボクのこと、気づいてくれた」~信頼できる人
8「話していいんだよ」「思いでのアルバムと一歩一歩」~回復の過程
実は「まだ幼いから大丈夫だろう…」とそっとしておくにはあまりに深刻な悩みを、人知れず小さな体で抱え込んでいることが伝わってくるかと思います。
手前みそですが、この絵本が家族を亡くした子どもを理解し、支えるために大切なことが何かをそっと教えてくれる内容だと、自信を持っておすすめできる一冊です。
子どもの安全が守られてこなかった過去が次々と明るみに出ている昨今だからこそ、自分からSOSを言うことがなかなかできない子ども達のために、私たちはもっと注意深く彼らに目を向けていく必要があるはずです。
☆ 誰 も が 手 に と れ る よ う に ☆
実は、被害者支援都民センターでは、これまでも細々とご希望者に簡易装丁した絵本をお配りしてきました。
でも本当は、「読みたいときに、誰もがいつでも手にすることができるようにしたい!」とずっと願っていたのです。
そんな思いを込めて、今回図書館への寄贈プロジェクトを立ち上げました。
図書館へ寄贈する絵本は、簡易装丁ではなく、絵本らしくきちんと装丁をしたものを作成します。
都立図書館や都内の62の自治体へ絵本を届けると64冊必要です。けれども、支所や分館など合わせると、都内に416か所も図書館があるそうです。さらに大学の図書館を合わせると…。都内だけでも600冊近く絵本を作らなければなりません。ゆくゆくは他の県でもご覧になれるよう頑張りたいと思います。
また、3000円以上の寄付でご協力いただいた皆さまにも簡易装丁をした絵本(上の写真のもの)をお送りする予定です。ぜひ皆さまもお読みください。
★ 絵 本 を 届 け る ご 支 援 を ★
今回、皆さまにお願いするのは、装丁をした絵本の印刷製本費や図書館への送料などです。
装丁した64冊を自費で製本すると、およそ25万円ほど掛かります。ですからまずは、この25万円を目標金額として設定しました。
でも、一度にたくさん作れば単価も安くなり、もっとたくさんの本を作ることができますので、もし100万円集まれば一気に500冊くらい作ることもできると思います。皆さまぜひともご支援ご協力ください。
なお、さらに多くの寄付が集まった場合は、ご報告の上で当センターの運営資金に充当させていただくことといたします。
★ 最 後 に ★
苦しい出来事がいつ誰の元にふりかかるかは、残念ながら分かりません。しかし、その先も人生は長く続きます。自分のことを理解しようとしてくれる、気にかけてくれる人がいる、という周囲の温かさに触れる体験は、きっとその子のその後につながっていくと私たちは確信しています。
この絵本を手に取り読み終えたあとは、きっとじんわりと温かい気持ちとともに、やさしい思いがあふれてくるはずです。
ぜひ皆さま、このプロジェクトにご参加ください!!
《『さくとさようなら』の説明ページ》