医療的ケア児とそのご家族によりそう施設「もみじの家」
2023/8/18 11:07
7月の太陽がさんさんと降りそそぐ日に、国立成育医療研究センターの敷地奥に建つ「もみじの家」を訪れました。ガラス張りの入口を一歩入ると、冷房の涼しい風に汗がひきます。なかでは、ハウスマネージャーの内多勝康さんが、アナウンサーのころにテレビ越しに見ていたのと同じやさしい笑顔でお迎えくださいました。明るい玄関からは、自動ドアを通して施設内のようすが見え、医療器具などが目に入ります。そう、ここは、日常的に医療的ケアを必要とする子どもたちとそのご家族のための短期入所施設なのです。
2階エレベーター前
作品入れ替え作業をするために、2階へのエレベーターに乗ると、おもわず「わぁ、かわいい!」と声が出ました。天井から、楽しげな飾りがたくさん下がっていたからです。
うかがったところによると、寝たままの状態で移動する子どもたちが楽しめるように、スタッフの方が飾られたとのこと。エレベーターに乗った瞬間に私が感じた「かわいくてなんだか楽しい!」は、きっと利用する子どもたちにも伝わると思いました。子どもたちやご家族に滞在時間を楽しんでほしい、と願うスタッフの方々の細やかな愛情や心づかいが感じられた瞬間でした。
エレベーター内
この施設の運営に関するエピソードは内多さんのご著書『「医療的ケア」の必要な子どもたち』(ミネルヴァ書房)でも知ることができます。院内展示というかたちで、いわさきちひろの作品を通じて子どもの幸せを願う方々と関わって活動できることは、私たち美術館のスタッフにとっても非常によろこばしいことです。今後も活動が継続できるよう、一層努めていきたい、と身のひきしまる思いでした。
「もみじの家」を利用されるみなさまが、ちひろの作品を楽しみながら、あたたかいスタッフの方々に囲まれて日常から解放され、心安らぐひとときを過ごされますように、と願いながら施設をあとにしました。
(病院内いわさきちひろ複製画展担当 窪田)
1階の展示
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