今から6年前の2017年、長崎にある私立海星学園で高校2年の生徒が自殺しました。両親は、わが子がいじめを苦に自殺した事実を突き止めました。しかし海星学園は、いじめの事実を認めません。そればかりか、自殺ではなく「突然死」にする提案を遺族に持ちかけました。さらに地元行政の長崎県も学校の姿勢を容認しました。自殺から6年。大手マスコミの「共同通信」と「長崎新聞」が、新たに遺族の前に「壁」となって現れ、遺族をさらに苦しめています。
遺族の願いは「わが子の身に起きたことが二度と繰り返されないでほしい」ということに尽きます。しかし、いじめ自殺は今まで日本中で繰り返されてきました。このままではこれからも同じことが起きます。いじめ自殺の再発を防ぐための役割を果たすべき大人たちが保身に走り、いじめ自殺の構造を温存しているからです。保身の代償はあまりに大きすぎます。
報道機関である私たちTansaは、シリーズ「保身の代償 長崎高2いじめ自殺と大人たち」の連載を開始します。保身に走る大人たちの責任を追及していきます。
Story
報道の目的
2017年4月、長崎市の私立海星学園で高校2年の生徒が自殺しました。両親はわが子がみずから命を断った真相を知るために奔走し、いじめを苦にした自殺であることを突き止めました。しかし海星学園は、いじめの事実を認めません。そればかりか、自殺ではなく「突然死」にする提案を遺族に持ちかけました。さらに、地元行政の長崎県も学校の姿勢を容認しました。
自殺から6年。大手マスコミの「共同通信」と「長崎新聞」が、新たに遺族の前に「壁」となって現れ、遺族をさらに苦しめています。
遺族の願いは「わが子の身に起きたことが二度と繰り返されないでほしい」ということに尽きます。
しかし、いじめ自殺は今まで日本中で繰り返されてきました。このままではこれからも同じことが起きます。いじめ自殺の再発を防ぐための役割を果たすべき大人たちが保身に走り、いじめ自殺の構造を温存しているからです。保身の代償はあまりに大きすぎます。
報道機関である私たちTansaは、シリーズ「保身の代償 長崎高2いじめ自殺と大人たち」の連載を開始します。保身に走る大人たちの責任を追及していきます。いじめ自殺が2度と繰り返されることのないよう、今起きている事実を明らかにし、いじめ自殺が起きる社会の構造を問います。
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初回記事 https://tansajp.org/investigativejournal/9872/
シリーズ一覧 https://tansajp.org/investigativejournal_category/hoshin/
Tansaについて
Tansaは、探査報道を専門とする報道機関です。当局発表を右から左に流す「記者クラブ報道」とは違い、暴露しなければ永遠に伏せられる事実を、独自取材で掘り起こし報じます。従来は「調査報道」と呼ばれてきましたが、単なる調査ではなく、膨大な労力と高度な技術が必要なため「探査報道」という言葉を使っています。暴露するのは、政府や企業、犯罪集団組織などが隠蔽する不正です。問題の構造に切り込み、犠牲者や被害者の置かれている状況を変え、将来の被害を防ぐことが目的です。
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