リベルテは、活動10周年を迎えることができました。そして、このタイミングからもっと発信に力を入れていくことを目標とし、応援してくださる継続寄付者を募集するマンスリーファンディングキャンペーンに挑戦することとなりました。
日頃から積極的に社会や自治会、ご近所さんへ事業の発信ができ、名前を呼び合える人が増えるコミュニケーションをとっていくことができるよう、地域の人に目を向け、届けられるものを準備していきたいと考えています。そのため、今回、応援をいただきながら、発信メディアづくりに今後力を入れていきます。
【募集概要】
◆主催:NPO法人リベルテ
◆期間:2023年5月11日(木)〜6月18日(日)
◆目標人数:30名
◆寄付金使途:地域や社会に向けた取り組み発信の強化
◆御礼・特典:御礼メール送付・活動報告冊子送付・「通信」の配布等を準備しております!
Story
発信メディアの実現で障がいへの理解が進むように
私たちリベルテは、発信メディアづくりに力を入れていきたいと考えています。地域、特に自治会、隣組といった挨拶や地域活動を一緒に行う機会もある人と直接的なコミュニケーションを必要とする人へ工夫をしながら情報を届けることで、より身近な方々にも活動を知ってもらうことができると考えています。それは「リベルテのメンバー」のみならず、「私」たちも暮らしやすい社会や地域、関係をつくっていけることに繋がることになると信じています。今回はそうした地道で日常的なリベルテの「文化事業」を行う、広報運営や全体進行の役割、体制を団体内で分担が行えるようになること目標しています。そのことを実現することで地域の方々に向けた発信や関わりを増やし、寄付者や団体を応援してくださっている方とも密にコミュニケーションをとっていけると考えています。まずは身近なところから改善していき、ゆくゆくは発信や事業自体の充実も増やしていきたいです。これらを実現することで、個人・地域・社会の中にある障害への偏見という「枠」が外れていき、メンバーも私たちも、そして地域全体が助け合いや暮らしやすくなり、生活する街に仲間や知り合いが増えるようになると信じています。
寄付金の使途
皆様からいただいた寄付は、「地域や社会に向けた取り組み発信の強化」のための広報・運営体制づくりのために使用させていただきます。
広報の体制づくりによって、
自治体向けの「通信」発行・作成・配布・コミュニケーション
寄付者向けの「通信」発行・作成・配布・コミュニケーション
団体の文化事業の運営やマネジメント
などを実施していく予定です。
今年の5月にその第一号として、今回の返礼品のひとつでもある地域向けの通信『リベだより』を発行しました。ライターさんへの働きかけ、企画から取材の機会づくり、編集、デザイン、印刷外注、自治会長さんへのお願いや回覧用のお届けと、ご近所さんが読む回覧板に載せるために、コミュニケーションも作業もとても多くなります。まずはこの通信を継続的にご近所さん、会員さん、地域の文化芸術団体向けに発行するための体制づくりを目指したいと考えています。
マネジメントの重要性と課題
アートプロジェクトに取り組む団体の多くは、プロジェクトの企画や団体全体の運営に割くことができる予算や時間、専門性を持つ人手が足りていないことが多く、改善していくことの必要性を感じています。助成金を申請して活動を行っている団体が多く、人件費に割くことはできません。実際に運営を行うことはできるものの、企画が進行していく中でフォローやサポートが必要になってくることがほとんどです。しかし、ケアのスタッフが文化事業でも運営を担うため、地域とのコミュニケーションや広報・情報発信を取りこぼしてしまっているものも少なくありません。地域と共に取り組む企画を作っていく上で、情報発信はとても重要であるため、しっかりとするべき部分だと感じています。リベルテで行っているケアやアートの取り組みも、社会的な価値として数値や効果としてはすぐに見えないこともあり、目前の生活支援やプロジェクトが優先となってしまい、こうした課題解決に取り組めていないことが多いのです。
そのため、企画運営等、円滑に進めることができる環境と人手の必要性がアートプロジェクトに取り組む団体の多くにあると感じています。企画運営に際してフォローできる人材や、地域や社会とのコミュニケーションや広報、情報発信を担える人材がいると企画の中の役割が整理され、事業を構築していくことと、地域や社会の中で理解を深めていくことの両立を可能にできるのではないかと考えています。
そんな中、10年という活動期間を経たリベルテにおいては、この全体統括と企画運営を行う人材不足によって、情報発信が疎かになっているという課題が見えてきました。地域の中で活動が認知されていくことで、「リベルテのメンバー」という認識が少しずつ生まれていることや、作品や企画を通して出会う人も増え、その繋がりを感じられています。「福祉施設」だけでなく、居場所として認識してもらうことができている一方、地域や社会に向けた取り組みの発信とコミュニケーションの強化はまだまだ必要だとも感じています。日頃から積極的に社会や自治会、ご近所さんへ事業の発信ができ、名前を呼び合える人が増えるコミュニケーションをとるために、地域の人に目を向け、届けられるものを準備していきたいと思っています。
開かれた関係を広げていけるように
11期となる2023年は、10年の年月を共に地域で活動したメンバーとともに、新しい拠点づくりに挑戦します。柳町、北大手(「roji」)、丸堀と3つのアトリエ・拠点に加え、新しい拠点をもう1ヵ所、新たに設ける予定です。メンバーにとっては仕事を、地域の人にとっては出会いや発見がある、そんな場所を「食」をテーマに作りたいと考えています。
信州アーツカウンシルの支援も2期目を迎えます。「路地の開き」がリベルテの福祉施設としての役割を地域活動として開放し、表現やアート、菓子製造や販売・出店というメンバーが取り組んでいる日常がさまざま出会いをつくる―そんな取り組みができたらと考えています。
また改めて、こうしてケアやアートを通じて行っているリベルテの活動を地域の、特にご近所さんに知ってもらえるようなお知らせを発行したり、応援してもらうための会員制度など、持続可能性と開かれた関係を広げていけるような事業を行ったりしていきたいと考えています。
このように、法人の規模拡大に伴って活動も広がってきており、運営の形態・分業していく必要性も見えています。こうしたことからもまずは発信に力を入れ、活動の必要性をより多くの人々に伝えていくことから、スタートしていきたいと考えています。
代表メッセージ
はじめまして!リベルテの代表理事をしております、武捨です。この度はページを読んでくださり、ありがとうございます。
先日、アトリエ2階にある事務所からメンバーが昼休み休んでいる庭を眺めていたらご近所さんもメンバーに紛れてスタッフと話をしていました。昨年行った市内を仮装してドライフラワーを配るパレードをしてからよく話すようになったご近所さんです。メンバーと話し、ご自身の家の庭の花をもらってほしいと逆に招き入れてくれました。
また別の日の昼休み、近所にある自治会館のベンチで休んでいたら同じ方が僕の横におもむろに座り話す機会がありました。昔話は取り留めもない話題でした。歳を取るのは早いなーとか、病気で肺を取ってしまったとか、その人の人生観の一端、柔らかいところに触れたような感じがしました。
ある時は、リベルテの利用者をどうにかしてほしいと切ないクレームが入ったことを知った別のご近所さんがその後日、わざわざ道で声かけてくれることがありました。「あそこ(リベルテ)はね立派な仕事をしている場所で所じゃないって(問い合わせした人に)言っといたからね!私は大事な仕事をしているって知っているからね!ここを通るおじさん(クレームの対象となった人)もね、挨拶すると笑顔で(挨拶)返してくれるのよ」と。施設の外側で、同じ地域の人が、僕たちと同じ方向に立って、そして必要だと行動してくれた人がいることに深く感動したと同時に、その人にそう言わせてしまった、地域へのコミュニケーション不足にこそ向き合わないといけないと思いました。
毎年「路地の開き」のようなアートプロジェクトをリベルテは行っています。ここ数年は「福祉施設の境界線を曖昧にしていく」ことを目指して取り組んでいます。施設の中でケアが執り行われるのではなく、地域の中でケアし合う関係を自然と生まれるよう仕掛け、社会を変えていくことをリベルテは目指しています。
リベルテって?
リベルテは2013年4月に設立したNPO法人です。同年5月に上田市柳町地区で障害福祉制度を運用した福祉事業として「スタジオライト」というアトリエを開設しました。
今日どんな服を着ようか迷うことや出かけた先で景色を眺めたりと、日々の生活の中にある何気ない選択としての自由や権利を尊重し大切にし合える関係や社会を目指して活動しています。
事業としては障害者総合支援法に基づく就労継続支援B型、生活介護、自立訓練(生活訓練)を運用したアトリエを3箇所と、特定相談支援事業として病気や障害特性によって地域生活における困難さや問題が生じたことを話合い考えともに取り組み、また、福祉も含めた社会資源を探しを行っています。
私たちの取り組み
私たちは、障がいのある人たちと共に表現活動、地域でのアトリエ活動、グッズ販売などのアート活動を行っています。大きく分類しますと、福祉事業と文化事業の2つを行っています。
福祉事業
上田市街3ヶ所にあるアトリエ「スタジオライト」ではアート作品・グッズやクッキーから始まった菓子製造、無尽蔵に日々増える駄洒落や、誰でもサボれるようにと作った公園など、様々な表現が生まれてきています。ここでは何気ない日々の中にある小さく弱い自由や権利を象徴する表現との出会いに溢れています。個人が負う障害が地域の中でこそ解決すべく、起点となるよう、アートが持つ不可思議な力を借りながら、福祉を開いていく試みを行っています。
【アトリエ①柳町】
柳町のアトリエにはキッチンがあり、そこではメンバーさんがクッキー作りを行っています。定番になっている塩クッキーやスノーボールはもちろん、今年度からは新たにリベルテのメンバーさんのイラストを使った型抜きクッキーにも挑戦しています。3ヶ月に1度行われる261(にーろくいち)には毎回出店しており、アトリエの一角を小さなお店にしてメンバーさんの作った商品など販売しています。それ以外にも、出店のお誘いがあるときにはメンバーさんと一緒に参加して、今年度も曼荼羅マーケット、エコラの夏祭り、柳町の朝カフェなど、多くの出店に参加しています。
【アトリエ②丸堀】
上田市中央の丸堀にある「新アトリエ」は、三角屋根で大きな窓のある静かなアトリエです。アトリエの中では、刺繍がかわいい鍋つかみを作ったり、家族との出来事をコラムにしたり、大好きな笑点の歴代メンバーのプロフィールを調べたり、週に一度の陶芸の日には、花瓶や置き物などを作ったりしています。
メンバーが夢中で作った作品や、何気なく描いた絵、日々のモヤモヤやウキウキと共に作ったグッズなど、作品作りとその中で生まれるやりとりを通して、アトリエの中ではたくさんの驚きや感動、笑いがうまれています。
【アトリエ③路地】
細道の先にある青い古民家、アトリエ路地の庭先にはいつもたくさんの花々とタバコの匂いがしています。さらに耳を澄ませばいろんなつぶやきが聞こえてきたりと、五感で感じる独特の賑やかさがここにはあります。路地ではメンバーさんがのんびりと、時には焦りや葛藤を抱えながら毎日活動しています。
文化事業:「路地の開き」
2021年春に、「路地の開き-リベルテの拠点「roji」の庭を使った文化と交流づくり事業-」がスタートしました。路地の開きは、リベルテで行われている表現活動や、その取り組みが行われている日常を地域に開放していくアートプロジェクトです。
2022年度は主に、
昨年度の取組みを引き継ぎ、公園を拠点にメンバーさん(通所者)と地域住民や地元の高校生との交流を図るプロジェクト。
公園を飛び出し、メンバーさんが直接街に出ていき、リベルテの活動を街に開いていくプロジェクト。
上記の記録や作品を展示するプロジェクト。
の3つを行いました。
(アートプロジェクト「路地の開き」で制作したドライフラワーを小諸市の停車場ガーデンにもらいに行った場面)
(ドライフラワーの制作ワークショップの場面)
(「路地の開き」で行うパレードについて考えるワークショップの場面)
(「路地の開き」パレード当日の様子)
2つ目の街に開いていくプロジェクトとして、『花とひらく 〜路地を開き、ちんどんパレード〜』を実施しました。プロジェクト名に”パレード”という言葉が入っているように、本プロジェクトは、リベルテのアトリエである「roji(路地)」を出発点に、シアター&ゲストハウス「犀の角」までの1キロ強の道のりを、メンバーさんや地域住民、上田市でコロナ禍をきっかけに立ち上がったソーシャルコミュニティ「のきした」参加者が入り混じって練り歩いていくというものです。総勢50名以上の大人数で犀の角へと向かっていきました。
地域に開かれたリベルテの活動にしていくために、あたたかい応援をどうぞよろしくお願いいたします。