2019年、タンディン・ワンチュクとキンレイ・ツェリンのブータン留学生は、星槎スポーツ奨学金を受けて来日。世界こども財団のサポートを受け、柔道スポーツ奨学生として経営学部スポーツマネージメントを勉強しました。この度、2023年3月、星槎道都大学を卒業します。在学中、二人はブータンを代表するアスリート奨学生として文武両道を心掛け、柔道家として鍛錬を重ねました。来日年には、ブータンを代表して日本武道館で開催された世界柔道に初出場、同年ネパールで行われた南アジア競技大会では銀メダルを獲得。2020年には二段昇段、指導者の資格も取りました。
2年次の春、新型コロナウィルス感染拡大の影響から大学が閉鎖。道場での練習もできなくなりました。一時帰国も選択肢として考えられました。自分たちのこと以上に日本に来させてもらっていること、お世話になっている方々がいること、自分たちに課せられた責務があること、何よりもブータン柔道の将来のことを考えて、帰国せずに北海道に残りトレーニングを重ねていくことに決めました。それは「柔道をちゃんと勉強して、ブータンで日本の柔道を広めたい」と言う、強い思いと信念からでした。
卒業後、二人はブータンへ帰国し、現役を続けながら後進指導をすることでブータン柔道を牽引します。日本で習った日本伝統の「柔道」をブータン人柔道家から伝えるのです。
2023年には、南アジア大会・アジア大会・世界柔道にチャレンジ、2024年パリ五輪、2028年ロス五輪出場を目指しており、将来、必ず表彰台の一番高いところで、一番輝くメダルを取ることで恩返しをすることを誓います。
※今回の目標寄付金額が二名のブータン人留学生保護者の卒業式招聘できるまでに至らなかった場合、また余剰が出た場合には、ブータンのスポーツ、パラスポーツ支援のために活用する可能性がございます点、ご理解を賜りますと幸いです。
Story
皆様のご支援と熱い想いで、ファーストゴール達成!!(2023/02/27追記)
今回クラウドファンディングを立ち上げて、多くの方々にご支援をいただき、目標金額を達成いたしました。誠にありがとうございました!
皆様のご支援と温かい応援、想いの数々により、タンディン・ワンチュクとキンレイ・ツェリンのブータン王国留学生保護者の卒業式招聘の見通しが立ちました事を、大変嬉しく思います。
そして、今回の挑戦を応援してくださる方がこんなにも多くいてくださること、本当にありがたいことだと感じております。ご支援くださった方々、SNS等で拡散し協力してくださった方々のおかげで無事に達成することができましたことスタッフ一同心より御礼申し上げます。
皆様の想いを胸に、私たち世界こども財団は、これからも「こどもたちは未来の財産。あらゆるこどもたちをしっかりと育てなければ未来はない」 という信念のもと、こどもたちをとりまく環境創りに奔走する所存でございます。
残り期日、2月28日(火)23:59までクラウドファンディングを継続いたしますので、引き続き応援をよろしくお願い致します。
本当にありがとうございます!
【1】二人のブータン人留学生保護者を卒業式に招待したい!
タンディン・ワンチュク ー 柔道が私の情熱
私の名前はタンディン・ワンチュクといいます。25歳です。私はダイエットのために柔道を始めましたが、その後、柔道が私の情熱となりました。私は13歳で柔道を始め、柔道を12年近く続けています。
キンレイ・ツェリン ー 柔道のテクニックに魅了され虜に
私の名前はキンレイ・ツェリンといいます。23歳です。柔道を始めて約12年になります。柔道を始めた理由は、ブータンでは柔道は新しいスポーツなので、もっと詳しく知りたいと思ったからです。柔道を始めてからテクニックや全てが好きになり魅了されて虜になり続けています。
経済的な問題からスポーツよりも学業が優先 ー 二人の出身国・ブータンの状況
日本の海外青年協力隊、講道館、神戸ブータン友好会、甲南大学柔道部、オーストラリア柔道連盟、星槎グループなどの支援をはじめとして、柔道着や畳寄贈、人材交流等を含め、幅広いサポート活動が行われてきました。
平成30年度外務省の対ブータン草の根文化無償資金協力により、国際規格試合場(2面)を有する柔道場1棟(敷地面積:600㎡)も首都ティンプーに完成。しかし、ブータンでは多くの柔道家や柔道家を抱える家庭が柔道着を買えない、クラブの会費を払えない等の経済的な問題を抱えています。
最近の調査では、国民10%が貧困層と判明しています。ブータン柔道協会によると、柔道の練習に通う多くのこどもたちは3食バランス良く食せていません。柔道着はもとより、卵や牛乳も買えない家庭もあります。スポーツよりも学業優先の家庭が殆どでテスト期間になれば練習に来ないことや中学生になると辞めるこどもたちも多い状況です。経済的な余裕はなく、家族の柔道に対する理解も足りません。多くのこどもたちは、中学になると柔道や他の習い事を辞め、将来に向かって勉強や就職活動に集中して欲しいということからと聞いています。
経験値の高い柔道家と多くの練習時間で鍛錬を重ねる ー ブータンでの練習と日本の練習の違いについて
ブータンには朝練習はありません。週に4回柔道をしています。僕らが居た頃は、道具がありませんでした。ウエイトを使ったジムのトレーニングは殆どしませんでした。柔道家が少ないため、ブータンには乱取り(お互いが技を掛け合う自由練習)をする体重差のある重い相手がいなかったため、最初は日本の重い重量で乱取りをするのはとても大変でした。
日本とブータン柔道の大きな違いは、柔道家の人数と練習時間です。ブータンでは1回ずつの練習がほぼ2時間でした。また、乱取りの練習時間も短いです。しかし、こちら(日本)では毎日練習をしなければなりません。次に、日本の選手は精神的に強く、フィットしていることです。小さい頃から鍛えられているので、技のかけ方や相手のコントロールの仕方が上手で試合での経験も豊富です。
最後に日本には柔道クラブがたくさんあるので、時々他のメンバーと練習に行き試合や練習をして学びます。しかし、ブータンには複数のクラブがなく殆どのクラブは小さいので私たちのレベルでは良い練習ができません。
日本での練習
月・水・金:朝練習(ランニング)
月〜土(夕方授業後):3時間の柔道トレーニング
休日:1日2回のトレーニング
(朝:柔道、夕:ランニング、ジム、スピードランニング、ステップトレーニングなど)
柔道トレーニングの練習メニュー
月曜日から金曜日、朝9時から夕方4時まで授業があります。
土曜日は、午前中に柔道の練習、午後はジムでのトレーニングをしています。
日曜日はお休みです。
日曜日は柔道仲間と観光やツアーに行くことが多いです。夜8時ごろに家に帰り、夕食を食べ、しばらく勉強して、夜11時半ごろに寝ます。
二人が日本での生活で感じたこと・学んだこと
タンディン・ワンチュク
失敗や挫折の経験はありましたか?
私の柔道での失敗は、自分の国に金メダルをもたらすという目標を達成できなかったことです。思ったほど悲しくはなかったのですが、日本での生活は最初はとても大変でした。日常生活から大学生活まで、本当に困難でストレスの多いものでした。柔道の分野でも、思っていたよりずっと大変でした。しかし、結局のところ、それは私が以前よりも良い人間になるのを助けてくれました。
成功体験や日本での経験・学びについて教えてください。
私の成功について話すと、私は日本で柔道の分野と知識の面で多くのことを達成しました。二段に昇段し、目標としていた世界大会に出場することができました。
日本での奨学金を含め、たくさんのことが私を幸せにしてくれました!日本での奨学金は、私の人生で最大の幸せでした。日本の方々のサポートと愛に支えられ、私は本当に幸運だったと思いますし、この機会にいつも感謝しています。
キンレイ・ツェリン
失敗や挫折の経験はありましたか?
日本で3年間柔道を練習した後、昨年初めて柔道大会を行いましたが、その時は次のラウンドに進むことができませんでした。しかし、その失敗から反省し、学ぶことで、多くの知識と経験を得ることができました。そして、改善することができました。
辛かったことは、練習中に怪我をしたことです。悲しいことは、日本語能力試験N2に2回落ちて、時々ホームシックになることです。
成功体験や日本での経験・学びについて教えてください。
日本で柔道を学び、練習する。私たちは以前よりずっと強くなりました。これは、私たちを強くし、目標を達成させてくれた、皆さんの応援のおかげです。2019年の世界柔道選手権と南アジア大会に出場する機会を得ました(ブータン代表として銅メダルを獲得)。
嬉しいことは、世界柔道大会に出場するチャンスを得たことです。世界柔道大会は、人気のある強い柔道家が参加する大会で、私たちも一緒に参加するチャンスを得ました。
柔道での実績
【2】こどもたちや青少年を支援し、健全な育成に寄与する活動を展開『世界こども財団』
活動の目的
私たち世界こども財団は、日本国内及び世界の国々の中で、さまざまな困難を抱えながらも、その将来を必死に切り拓こうと努めているこどもたちや青少年を支援し、かつあるべき共生社会の人材として自立できるよう、その健全な育成に寄与することを目的としています。
ミッション
世界こども財団は上記の目的のために下記の事業に取り組んでいます。
ビジョン
私たちは3つのビジョンを掲げて活動しています。
1)充実した教育と医療の環境整備。国を担う若者の育成。
世界のこどもたちのために充実した教育(スポーツ・芸術などを含む)と医療の環境を整備するとともに、人材、特にその国の未来を担える若者の育成と就労の場を設ける仕組みを構築していきます。また、可能であればそれぞれの国々の教育及び医療のインフラ整備についても道筋をつけたいと考えます。
2)シンク(Think)タンクではなく、ドゥ(Do)タンク。
本財団の目的をより確かに、より効果的に達成するために、その機能は「シンクタンク(Think tank)」というより、むしろ「ドゥタンク(Do tank)」、すなわち<実践型の組織>と自覚し、運営を展開していきます。
3)ゆっくり、されど着実に。先々の未来まで続く活動を。
本財団の設立には「この後に続く人々に、こどもたちの未来づくりを託す」という狙いも含まれており、その活動は長期に渡ることが予測されます。したがって、財団の活動を一過性のものとせず、長期的な視点を持ち、ただし一歩一歩着実に実現し、継続していく組織でありたいと考えます。
創設者・前理事長 宮澤保夫の想い『こどもたちが経験を積んで、自分の国に帰ったら、今度は、彼らが将来、次の世代のこどもたちへ教えられるようになる。』
スポーツの凄い選手をよぶことが本質的な興味ではなく、こどもたちが育って、将来は自分の国に帰り、指導者やコーチになることに注目している。10年前までブータンのような仏教国のスポーツの位置はとても低いものだった。私は10年先、15年先を見据えて、しっかりとしたグラスルーツプログラムをやりたいと考えている。草の根の形で、地に足をつけて、ゆっくりと丁寧に。こどもたちと向き合い、育てていきたい。こどもたちも、自分たちの目で確認し、体感しながら「スポーツはこういうものなんだ」と競技に対する理解を深めるところから始めたい。
もしかしたら10年経ったら日本に追いつくかもしれない。私は彼らに夢や希望を見せてあげたいんだ。きちんとした指導者がいて、子どもたちが理解を深め、経験を積んで、そして自分の国に帰ったら、今度は、彼らが将来、次の世代のこどもたちへ教えられるようになる。私は、彼らを国の代表として預かっている。彼らの未来を担っている。人生に参加していると思ってやっている。
ブータンでの活動内容
世界こども財団は6つの国・地域で活動を展開しています。その中でブータンでは、下記3つの活動を推し進めてきました。
また、これまでにブータンのオリンピック競技・パラリンピック競技に対して以下のサポートを行ってきました。
そして、2020東京オリンピック・パラリンピックでは、ブータンオリンピックとパラリンピック選手団の招聘、競技大会本戦に向けた星槎箱根キャンパスでの事前キャンプ実施、出場競技代表ウェアと用具一式の提供、大会期間専属対応職員の派遣などを行いました。
2020東京オリンピック・パラリンピックブータン選手団出場実績は下記の通りです。
「こどもたちは未来の財産」こどもたちをとりまく環境を創るのは私たちです。 ー 世界こども財団が描く未来
私たちが普通の日常を過ごしている中で、世界中ではこどもたちに関するニュースをたくさん耳にします。 生まれてすぐ命を落としてしまうこどもやお母さん、あたりまえの医療や教育が受けられないこどもたち、大人の勝手な紛争により被害を受けるこどもたち…。 しかし、こどもたちは一日一日を一生懸命生きています。 そんな中、医療や教育の支援が行き届かないために、こどもたちがあたりまえの生活や成長ができない国々がまだまだたくさんあります。こどもたちの真の自立のためには、このような数多くの問題を解決するための一体化した組織が必要不可欠であるという思いを日々強く感じています。
「こどもたちは未来の財産。あらゆるこどもたちをしっかりと育てなければ未来はない」
こどもたちは今の人生を自分自身だけで創ることはできません。
彼らをとりまく環境を創るのは私たちです。
日本や世界を変えるなどという決して大きなことではありませんが、民間としてできる小さなことから始める"草の根活動"だからこそできる大切なこともあると実感しています。
【3】どんな人がどんな想いで携わっているのか?
世界こども財団・ブータンプロジェクト担当者からのメッセージ
世界こども財団ブータンプロジェクト担当の石田博彰(いしだひろあき)と申します。
今回の企画実施に当たっての想い
早いもので二人が来日して4年が経ちました。生真面目で優しく弱音も愚痴も言わず耐え抜きました。4年間ワガママらしいワガママもなく、担当として困ることはありませんでした。
来日して1年が経った頃、新型コロナウイルスの感染拡大から全てが感染抑制、厳しい生活環境を強いられた頃「帰国したい」と相談がありましたが、それでも帰国せずに、文武両道、仲間達と監督に支えられながら耐え抜きました。
この度、二人は卒業しブータンへ帰国します。帰国したらブータンで後進指導をしながら柔道を広め、そして自分達自身はもっと強くなることを目指していきます。
皆さまへのメッセージ
ブータン王国出身二人の柔道家留学生は、大学卒業という節目を迎えます。在学中、オリンピック出場は力及ばず敵いませんでした。コロナ禍の影響から国内大会が軒並み中止となり出場機会も恵まれませんでした。一勝もできませんでした。二人は、来日時より格段に強くなりましたが、柔道家としてまだまだです。
大学在学中、辛いことも多かったと思いますし、一時帰国をしたかったこともあったかと思いますが、でも遠く離れたこの日本で4年間、泣き言を言わず、何とか頑張り抜くことができました。そんな立派になった二人を、卒業式という節目に是非、二人の家族に直接見てもらいたいと思います。そして、折角なので、お世話になった関係者の方へ、二人がリードして、挨拶をして、紹介をして、その上で一緒に帰国できると、それこそ良い家族孝行ができると思う次第です。是非応援をよろしくお願い致します。
ブータン王国留学生の二人のご家族の想い
タンディンさんの母
タンディン・ワンチュクの家族として、貴団体がタンディン・ワンチュクを支援してくださったこと、そして、私たち家族には不可能な海外留学の素晴らしい機会を与えてくださったこと、さらに私たち家族にとって夢のような最高の大学に入学する貴重な機会をくださったことに感謝したいと思います。
故宮澤名誉会長、世界こども財団、そして星槎道都大学の皆さんに心からお礼を申し上げるとともに、今後ともよろしくお願いいたします。
キンレイさんの兄
私たちキンレイ・ツェリンの家族は、星槎グループ、星槎道都大学、ブータン柔道協会、ブータンオリンピック委員会からキンレイが星槎道都大学で高等教育を受けるための名誉ある奨学金を授与され、心から感謝しています。
この奨学金は、キンレイの未来とキャリアと将来形成に貢献するものと確信しています。
私たちは、皆さんがキンレイのために、このような機会を与えていただいたことを大変嬉しく思っていますし、これからも感謝の気持ちを持ち続けます。
ありがとうございました。
【4】寄付金の使い道
皆さまからいただいた寄付金については、二名のブータン人留学生保護者の卒業式招聘費として大切に使わせていただきます。
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