何らかの理由で、家庭の中で安心・安全に過ごすことができない少女たちがいます。行くあてがなく困窮している少女たちは、家出したりSNSで見知らぬ人とつながったりすることで犯罪に巻き込まれてしまう危険性があります。ハピネスでは、相談支援窓口を設け、少女たちが安心して立ち寄ったり寝泊まりしたりできるための住居(シェルター)「ハピネスハウス」を開設し、生活や身の回りのサポートを始めました。ハピネスハウスという居場所を通し、少女たちが困った時にいつでも相談できる関係性や戻って来ることができる場をつくるプロジェクトです。
*2/7のオンラインイベントにご参加いただいた皆様*
時間の都合上、すべてのご質問にお答えできず申し訳ありません。
3/4に第2弾のオンラインイベントの開催を予定しております。
そちらで回答させていただきますので是非ご参加ください!
詳しくは「活動報告」ページよりご確認ください。
Story
1・プロジェクトについて
「家がつらい。家じゃない所ならどこでもいい」
「誰かに頼りたいけど、どうしていいかわからない」
「親にたたかれるから、外の方がまし」
――これまで、こんな少女たちの声をきいてきました。
はじめまして。京都市内で活動するNPO法人happinessです。
私たちは2016年から、京都市南区にて子ども食堂を中心とした、居場所の運営を続けています。子ども食堂では、小学生からその保護者までを対象に、年間のべ約4000人の、たくさんの子どもたちと一緒に時間を過ごしてきました。
私たちが7年間にわたって地域の子どもたちが交流できる居場所運営を続ける中で、親や一緒に暮らす大人から虐待や暴力を受けるなど、家で安全・安心に過ごすことができない少女たちとの出会いがありました。
家が安全な居場所ではない少女たちは、家出をしたり、危険だと知りながらもSNSで知り合った見知らぬ人を頼って行ってしまったり・・・。そうすることで、犯罪に巻き込まれたり、望まない妊娠につながる危険もあります。
児童相談所が関わっていても、問題が解決されず、家出を繰り返している少女もいました。保護されて入所した施設で、職員からの罵声や罰則に耐えられず、逃げ出した少女もいました。苦しい思いを抱えて、繰り返し自らの身体を傷付けてしまう少女もいます。行政とつながってもサポートには限界があり、「セーフティネットにつながれば安心」・・・とはならない現状があるのだとわかりました。
「このまま目の前の女の子を放っておくことはできない」
「この子たちが犯罪に巻き込まれてしまう前に、しんどい時に安心・安全に過ごせる場所が必要なんじゃないかーー」
2022年の春、happinessは少女のための相談窓口を設け、緊急宿泊支援のシェルター「ハピネスハウス」の運営を始めました。
ハウスは、少女たちが困った時、心がつらい時に、滞在や宿泊ができる施設です。ゆっくりと心と身体を休めることができる安全な場所であり、スタッフは少女たちに寄り添い、必要に応じて専門職と連携しながら自立に向けた支援を考えていきます。
こうした少女たちの居場所は、まだ全国的にもほとんどないのが現状です。開設から1年を経過したいま、そのニーズを実感しています。これからもハウスを必要とする少女たちに支援を届けるためにも、ハウス運営資金支援のための寄付へのご協力をお願いいたします。
2・NPO法人happinessについて
「関わる全ての人にhappinessを」
NPO法人「happiness」では、「子どもたちが社会の変化によるしわよせを受けず、健全に育つことができる地域づくりを目指す」というミッションのもと、子ども食堂などの"居場所” づくり事業を通した、子どもと保護者の孤立防止の活動をしています。
2016年より、京都市南区にて週3回、子ども食堂を運営してきました。対象は小学生から中学生、その保護者で、年間約4000人の利用があります。
2018年には常設型のカフェ「ハピネスカフェ」を運営し、近隣の一人暮らしのお年寄りや子育て中の主婦など多世代が交流できる場を開いたり、ひきこもりの若者たちの仕事体験の受け入れも行なっています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとして、2020年からは生活困窮世帯向けのフードパントリーや相談対応を始めるなど、地域とつながりながらサポートの輪を広げています。
2023年5月には、京都市南区の分譲マンションの一角に設けた集会所に、本で誰かとつながることができる居場所「まちライブラリー」を開設・運営する予定です。
3・このプロジェクトの詳細
○ハピネスハウスとは
・複数名の少女が滞在できる施設です。冷蔵庫や電子レンジなどの家電製品や寝具が備え付けられており、個室または相部屋で、安全に過ごすことができます。
・相談支援、医療、カウンセリングなど、少女たちが必要な時に必要なサポートが受けられるように、弁護士や臨床心理士などの専門職や行政機関とも連携しながらサポートしています。
・happinessの限られた関係者以外に少女の居場所が漏れることがないよう、秘密保護に十分注意して運営しています。
・少女たちに届くようにと作成した「ハピネスハウスのカード」は、子ども食堂の支援をきっかけに、繋がりをいただいた企業や飲食店さんにご協力いただき、(2023.1月現在)京都市内56店舗に配布されています。
対応したケース1)
自立援助ホームに入所していた16歳。
実父からの虐待で3歳から施設への入退所を繰り返していた。厳しいルールや同居の子どもたちの人間関係にも悩みがあったが、1番のきっかけは施設職員からの罵声やご飯抜きの罰則だった。夜も眠れない日々が続き、イライラする時間も長く、リストカットや過呼吸で救急車で運ばれることも。施設に戻っても「意志が弱いから」と罵られ家出を決意。ハピネスハウスと出会い、現在ではアルバイトや学校、部活と、ようやく本来の高校生らしい生活が送れるようになった。
→児相がケースとして把握しているからといって少女たちが必ず健やかな環境にいるとは限らないことが浮き彫りになったケースであり、行政ではサポートしきれない部分をNPOとして細やかに支援していかなければならない。
4・目標金額と寄付で実現したいこと
○最終目標金額
500万円
○具体的な資金使途
・みなさまからのご寄付は、以下のように、支援を必要とする少女の受け入れ体制整備に活用させていただきます。
① ハピネスハウスの運営費
【2023年度分】250万円=家賃+少女の生活費
② 少女の緊急受け入れ対応経費+弁護士・臨床心理士など専門職への謝金
【2023年度分】100万円
③ 医療費
【2023年度分】150万円
初年度の2022年は助成金と休眠預金をもとにハウスを立ち上げて運営してきました。しかし、ハウス運営には年間1000万円の資金が必要であるものの、助成金も休眠預金も期間が限定されており、23年度の運営資金が確保できていないのが現状です。
困難な状況から家出した少女たちは、衣服やお金などの身の回りの生活用品を持たずに飛び出してくる場合が大半です。精神的な疾患を抱え、治療やカウンセリングなどで医療機関にかかる必要のある子もいますが、保険証を持っていないために医療費が全額自己負担となり、現在はそれを団体で負担しています。また、支援のためには、弁護士や臨床心理士など専門的なスタッフとの連携も必要です。
少女たちに必要なサポートを継続的に行うためにも、皆様のご寄付は少女たちの身の回りの生活用品や、医療・専門的カウンセリングのための資金、スタッフ体制の充実やハウスの家賃・光熱費等に活用させていただきます。
5・代表理事からのメッセージ
○生きづらさを抱える少女たちが「わたしは大丈夫」と思える居場所をつくる
ハピネスでは7年間にわたって地域で子ども食堂を運営してきました。その中で家庭に居場所がない子と出会ったり、児童期を過ぎた少女の家出の相談などが寄せられることもありました。
子どもには側で守り育てる大人が必要ですが、私たちが出会った少女たちは家庭に問題を抱えており、児童相談所の職員に訴えても、代替施設がないことや職員不足などを理由にまともに対応してもらえず、問題が解決されないまま強制的に同じ場所での生活を余儀なくされていました。
これまでハウスを利用したのは、施設や家に居場所がなく、家出した少女です。いずれもまだ10代。どの子も大人から暴力や虐待を受けており、人権が守られる環境におらずにリストカットを繰り返すなど精神的にもかなり追い詰められていました。
ハウスでは、スタッフが相談にのったり、医療機関への受診同行やカウンセリングへの同席、生活保護などの行政手続きの支援など、少女たちの自立のために必要なサポートをしてきました。少女たちはハウスでの生活で徐々に自分らしさを取り戻し、新たな生活へと一歩を踏み出しています。
さまざまな困難を抱えた若い女性は、自ら悩みを抱え込み問題が顕在化しにくく、公的な支援にもつながりにくいことが指摘されています。しかし、現状では公的支援につながっても、極めてリスクの高いケースでないと一時保護とはならず、受け入れ先も福祉制度の中では限定的です。少女たちの思いを聞いて支援していく機会や生活の場はほとんどないのが現状なのです。
こうした少女たちを救うためにも、私たちはハピネスハウス(シェルター)が必要だと考えています。しかしニーズはあっても、今後の運営資金の目処が立っておらず、ボランティアスタッフに頼りながら運営しているのが現状です。ハウスの活動を継続させるにも、安定的な運営資金の確保や人員体制が必要なのです。
私たちは、このハウスを、頼れる大人がいない若者たちが、いつでも立ち寄ったり帰って来ることができる「第二の実家」のような居場所としたいと考えています。ハウスが近い将来大人になる少女たちにとって「本来の自分らしくいられる場所」「自分でも大丈夫だと思える場所」になれるよう、ぜひ皆様のお力をおかしください。
6・将来的に目指したい姿
皆様のご寄付を通して事業を強化することで、将来的には以下のような姿を目指しています。
【ハピネスハウス(シェルター)事業】
・地域や行政との情報共有、同様の活動を行うNPO、学校などと関係性を作り、少女の受け入れを広げていきます。
・長期的に運営するためにも正規職員を確保し、将来的には自立援助ホームを設立したいと考えています。同時に制度の枠組みに該当しないような少女の保護も行い、若年女性支援について社会への問題提起も行っていきます。
【団体の運営基盤の強化】
・SNSやホームページを整備し、支援を受けたい人が相談したり連絡しやすくなるようにします。活動から見えてきた社会課題を広く発信したり、継続的な支援者とのつながりづくりを目指します。
・安定した運営継続のために寄付が集められるよう、個人のみならず、企業などに対しても賛助会員(継続寄付)を呼びかけ、団体収入の3割を寄付収入として集められることを目指します。
・安定した支持者の確保を基に、孤立した子育て世帯や子ども・若者を生み出さないよう、子どもから青年期までを対象に関わり続けることができる居場所を運営していきます。
◇ご支援いただいた方には、クラウドファンディング終了後に、活動報告書をお送りいたします。応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします◇