今世紀最悪と言われるシリア危機は開始から11年がたち、シリア国内避難民は武力衝突の不安、疲弊した経済の中、命の危機にさらされています。今も独裁政権に対して勇敢に民主化を求める非政権支配地域では国際社会の人道支援が届きづらく、特に厳しい状況なのは言うまでもありません。私たちNPO法人Stand with Syria Japan(SSJ)は日本の団体で唯一、現地の公立学校を通して非政権支配地域の子どもたちの教育を支えています。今年の6月に事業がスタートしてから、過酷な状況を生き延び、中には児童労働に従事していた子どもたちに学校教育を提供してきました。それは、彼らが未来のシリアを担い、どんなに厳しくても、この国を前に進めてくれると信じているから。しかし、ウクライナ危機で燃料、食料、その他すべての生活必需品の価格が高騰するなか、シリアには現在凍死者も出るほどの非常に厳しい冬が訪れています。このままでは、教育はおろか子どもたちの命を守ることさえできません。この度、SSJはシリアの子どもたちが十分な暖房設備のもとで過酷な冬を越えるため、緊急越冬キャンペーンを実施します。どうか、皆様のお力を貸してください。
Story
厳しい冬を乗り越えるために
シリアの冬についてあまり馴染みがない方も多いと思いますが、雪も降り、非常に厳しいもので、氷点下9度にまで下がる時もあります。数年前には、シリア北西部にて命からがら逃げてきた子どもたちが暖房器具がないまま屋外にされされ、十数人が凍死するなど衝撃的なニュースも報道されました。このような状況の中、暖房設備は間違いなく命をつなぐライフラインと言えます。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で燃料価格が高騰し、シリア危機の下ですでに困窮している市民の生活はさらに圧迫され、まさしく命の危機が到来しようとしています。影響を受けるのは市民の生活だけでなく、子どもたちの居場所である学校においても同様で、子どもたちの命を守るため、私たちは暖房を必ず安定的に稼働させ続けなければなりません。皆様の強力なご支援が必要です。
©︎Stand with Syria Japan (2021)
度重なるショックによる国内の状況
10年以上続く政権による容赦ない市民への殺戮、コロナウイルスのパンデミック、ウクライナ危機による物価高騰でシリアは未だかつてないほどの窮地に立たされています。特に非政権支配地域では国際社会の支援の手が届きづらく、本当に支援が必要な人々は極度の貧困な中で暮らし、不条理とも言えるほど度重なる悪夢により、彼らの生きる希望は何度も打ち砕かれています。このようにただでさえ命に係わるような緊急人道危機が続いている中で、シリアには極寒の冬が訪れています。今までのシリアの歴史の中で最も過酷な冬になることは明白であり、今すぐにシリアの子どもたちに対して救いの手をさし述べなければならない状況です。
©︎Stand with Syria Japan (2022)
コレラの感染拡大
上記に述べたように、グローバルショックの影響を受けているシリアですが、衛生環境の悪化から現在コレラの感染が急拡大しています。汚染された食料や水が原因で感染するコレラは、すでに国内のいくつかの地域で急速に拡大しており、感染者数は2万人を超え、多くの死者も出ています。特に経済が疲弊している非政権支配地域においては事態は言うまでもなく深刻です。これに対しSSJは学校に消毒用アルコール・洗剤・石けんを提供するなど、衛生環境の改善に努めています。また、生徒にコレラに対する正しい知識やその予防策を教える特別授業を開催し、子どもたちとその家族が非常事態に対応できるよう支援しています。厳しい冬の中での経済悪化や物価高騰に併せてコレラ拡大とこれまでにないほどの人道危機をシリアは迎えており、支援の拡大が急務です。
UNICEF(2022)
止めてはならないもの
このような厳しい状況の中、家計を支えるために児童労働に従事する子どもたちも少なくありません。SSJが現在教育を提供している子どもたちも元は、家族のために働き、教育を当たり前に受けることができない環境にいました。現在、シリアはウクライナ危機の影響を受ける中で厳しい冬を迎え、学校の運営は窮地に立たされています。しかし子どもたちの学校教育だけは止めてはならない。これが私たちの願いです。なぜなら、学校は彼らの居場所であり、これからの未来を担う子どもたちの可能性を広げる場所であるからです。なんとしても彼らに暖かい環境を提供するためにどうかご理解とご協力をお願い致します。
越冬キャンペーンの詳細
このような緊急人道危機に対応するため、私たちSSJはこの度緊急越冬キャンペーンを行います。皆様から頂いた寄付を迅速に、過酷な冬を迎えるシリア非政権支配地域のダールト・アッゼ市、ヤルムーク校に届け、暖房設備をはじめとする、子どもたちが冬を乗り越えるための資金に使わせていただきます。SSJは現地スタッフを通して直接、非政権支配地域の公立学校に資金を届けることができる日本で唯一のNPO法人です。皆様から頂いたご寄付は責任をもって迅速に現地に送り届けます。
©︎Stand with Syria Japan (2022)
©︎Stand with Syria Japan (2022)
学校での2日分の暖房費
¥1,500
ディーゼル1バレル(220L):100〜140ドル 北東部では1バレル40ドル余りですが、イドリブに来るまでに、たくさんの検問を通るため価格がつり上がり、この価格になります。
学校での4日分の暖房費
¥3,000
ディーゼル1バレル(220L):100〜140ドル 北東部では1バレル40ドル余りですが、イドリブに来るまでに、たくさんの検問を通るため価格がつり上がり、この価格になります。
学校での8日分の暖房費
¥6,000
ディーゼル1バレル(220L):100〜140ドル 北東部では1バレル40ドル余りですが、イドリブに来るまでに、たくさんの検問を通るため価格がつり上がり、この価格になります。