Story
■元気いっぱいの赤ちゃんを授かりました。男の子です。
このたび、私たち夫婦の第1子である男の子を授かりました。
2019年3月11日生まれ、3250gの男の子です。
名前は、常笑(とえ)君と申します。
この子が常に笑顔でいられる世界を創りたい。
そう想い夫婦でこの名前を授けました。
私たちのもとに来てくれたかわいいかわいい赤ちゃん。
今日から、とても幸せな満ち足りた家族生活がはじまるんだろうなという想いでいっぱいです。
と、同時に忘れてはならないこと。
私たち夫婦には取り組むべき課題があることを皆さんにシェアさせていただきたいです。
■私たちの目の前に、まだ取り残された人々がいる
私たち夫婦は、NPO法人アラジという、世界で最も命の短い国(平均寿命51歳)と言われる、西アフリカのシエラレオネ共和国において貧困の根本解決を目指し「子どもたちに教育を、大人たちに仕事を」というテーマで、就労支援活動を行っています。
私、下里夢美(旧姓で活動)が代表で、夫・支倉常明は自身で長年e-Learning制作会社を経営する傍ら、NPO設立の2017年から副理事長・また事務局長として一緒に活動・現地活動をしてくれています。
シエラレオネにおいては3つの貧困削減プロジェクトと日本人ゲストハウスの運営を、現地パートナーと協力しながら、日々試行錯誤しつつ取り組んでいます。
■内戦で初等教育を逃した大人たちへ教育を届ける
世界には叶えたい夢を抱いても夢へのステップを平等に踏むことのできない子どもたちがまだまだたくさんいます。シエラレオネ共和国では7割以上の人々が貧困ライン以下(1日1.9$以下)の基準で生活しています。
私たちの活動のひとつに、都市から車で約2時間弱離れた「ンボロ小学校」へ教材を届ける教育支援があります。(現地パートナーNGO/HELP D Children for Tomorrowと協働して実施)
村の両親たちが「子どもたちにはなんとしても教育を受けさせたい!」とかき集めた木材だけで小学校を建設しました。政府は25年までに全国の初等教育の普及率100%を目指していますが、現状、子どもたちが安心して学べる環境は十分とは言えません。実際シエラレオネ全土で50%がいまだに政府未承認小学校で教員免許を取得している先生は約半分、そのほとんどが農村部にみられます。
私たちが教材を届ける「ンロボ小学校」のある250名の村「ンボロコミュニティ」には、電気がなく、水道がなく、病院へのアクセスは歩いて2時間半、育てた農作物を街へ換金しにいく手立てもありません。1日1食しか食べることができない中、約2時半かけて学校まで歩いてくる子もいます。住民のほとんどがこの国で定められている無償初等教育の享受・6歳までの医療への無償アクセスという、政府が約束した基本的な人権を満たせていない状態です。
シエラレオネでは、政府と革命軍の間でダイヤモンド鉱山の利権を巡る「ダイヤモンド紛争」が2003年に終結したばかり。(2016年にはエボラ出血熱の影響もありその年の経済成長率は21%も低下しました)
初等教育を受けられなかった大人たちは、外部からの支援や政府がなんとかしてくれることを心待ちにしています。例えば彼らが、今持っている畑をもっと耕し、換金し、もっと質の高い教育・医療へのアクセスを求めたとしても、マイクロファイナンスなどの小規模融資プログラムの融資対象にも届かないのが現状です。
内戦で初等教育を受けられなかった大人たちへ、基礎教育を届けるプログラムを実施します
私たちはただ単に学校インフラや交通アクセスを与える外国援助ではなく、大人たち自らが子どもたちのために、一緒になって持続可能な「教育を創る」ための、大人たちへの基礎教育プログラムを2か年計画で実施します。初等教育普及に対してその他の外国NGOや政府が積極的なのに対し、初等教育の機会を逃した大人たちへの支援がとても少ないことに目を向け、今回の構想にいたりました。
【基礎教育普及プログラム】
●公衆衛生知識啓発
●基礎教育(文字の読み書き(識字学習)・計算)
※家計簿作成・融資申し込み書の書き方指導・契約書の読み方指導含む
●家族計画
これらの基礎知識を世帯ごとに学習し、e-Learning技術を用いて学習値測定後、学習値をクリアした世帯に対して私たちで小規模融資を行い、実際に大人たちの現金収入獲得向上を目指すことで、住民自らが主体となって子どもたちに教育を届けられる地域を目指して活動していきます。
並行して、現地パートナーNGO/HELP D Children for Tomorrowと今後も協力し、政府担当者(教育省)へ引きつづきコンタクトを行い、政府が本来果たすべき学校建設と先生への給料の支払いの要求・交渉サポートを続けていきます。
■このプロジェクトに必要なお金
2か年計画で現地調査・基礎教育プログラムの実施・モニタリング・融資プログラムの実施(予定)・フォローアップと効果測定を行い、いずれは他同様の地域へもさらにブラッシュアップした支援プログラムを届けることを目標にしています。
今年度、現地基礎情報調査(ベースラインサーベイ)と基礎教育プログラムの実施に必要な経費は以下です。
●渡航費:27万円(航空券・ビザ・生活費など)
●現地交通費:3万円(車・バイクのチャーター)
●現地スタッフ(クリオ語通訳スタッフ&マネージャー):10万円
●基礎教育プログラム実施資料開発費:約10万円
計:約50万円
必要予算のうち、今回産まれた赤ちゃん「常笑くんの体重3250g×100円にちなんだ325,000円」を、バースデードネーションの目標募金金額としました!
今年の上半期5月に育児中の私に変わり支倉が渡航し、現地調査と第1回目の基礎教育プログラムを実施します。その後は下半期12月の渡航まで現地パートナーと協力しプログラムを継続していきます。
今回のバースデードネーションで集まったお金は全額このンボロコミュニティへの基礎教育普及プロジェクトに使用させていただきます。
■安全な日本にいる私たちができること
村のエルサンコという女性が、去年女の子を出産し私の名前をとって赤ちゃんに「ユメ」と名付けたそうです。世界一の妊産婦死亡率といわれるシエラレオネ。(日本では3万に1人の女性が出産のときに亡くなりますが、シエラレオネでは100人中8人の女性が亡くなります。)当たり前に安全に医療を享受できる日本という環境におり改めて、今回の出産でそのありがたみを噛みしめました。
私たちへのお祝いの気持ちは、ぜひ私たち夫婦が同じく愛してやまないシエラレオネでのプロジェクトに役立たせていただきたく、このページを作った次第です。子育てに必要なモノやお金は揃っているのでお祝いはご支援としていただきたいと思います。
夫婦の新しい挑戦を、応援していただけると嬉しいです!
NPO法人アラジ
代表理事
下里夢美