Story
soar編集長の工藤瑞穂です。
私はいま「NPO法人soar」の代表理事として、人の可能性が広がる瞬間を捉えるウェブメディア「soar」を運営し、どんな困難を抱えたとしても必ずサポートにたどりつき、誰かの支えとともに生きていける社会を目指して活動しています。
http://soar-world.com/
4月10日は私の誕生日!今年の誕生日は、私自身へのプレゼントではなく、私の目指す未来にプレゼントをお願いしたいと思います。
soarをつくる原点となった「べてるの家」の取材をするため、寄付を募ります!
私が「べてるの家」と出会ったのは、5年前。
http://bethel-net.jp/
当時、身内が統合失調症になってしまった私は、社会のありかたに疑問を抱いていました。
「どうして一生懸命生きている人が、心の病になってしまうんだろう。幸せな人生を歩むことができなくなってしまうんだろう」
こんな風になってしまう前に、助けることができたのかもしれない。そう思って情報を探すうちにたまたま本で読んだのが、「べてるの家」という場所でした。北海道の浦河町にあり、精神疾患があるひとたちがともに生活し働いている地域拠点です。もともとは、ソーシャルワーカーである向谷地生良さんが統合失調症の当事者のみなさんと一緒に暮らし始めたことがはじまりだそう。
べてるの家の理念はとてもユニークなものばかりなんです!
私が一番好きなのは「弱さを絆に」。
べてるの家では「弱さの情報公開」がモットーになっていて、「今日は調子悪いな」とか「私これが苦手」といった弱さを互いに公開するのだといいます。周囲に自分の弱さを知ってもらうことで、それを助けてくれるひとが出てきたり、みんなでなんとかしようとする。
私たちはきっと、「強み」とか「得意なこと」で人とつながろうとします。それを活かし合うことがいい社会なのだと。
もちろんそれもよいと思うのですが、それだけではきっとつらい。
だから、「弱さ」でひととつながることができて、逆にそれが強さや生きる力になっていくというべてるの考え方は、社会にとってとても大事なことだと私は思うのです。
私は、べてるの家の年一回のお祭り「べてるまつり」に参加したことがあります。全国からたくさんの人が集まるこのまつりのメインコンテンツは、「幻覚&妄想大会」。(初めて聞くと、すごいインパクトのあるネーミングですよね!)
ユニークな幻覚や幻聴、妄想体験をしたべてるメンバーが、その体験をみんなに発表し、グランプリを決める大会です。壇上では統合失調症を患ったメンバーたちが、自分の見た幻覚や聴いた幻聴を発表し、ときに会場を爆笑の渦に巻き込んでいました(笑)。
互いに笑いあったり、ときどき真剣な表情をしたり。そんなメンバーのみなさんたちの生き生きした姿を見て、私は「病気って治らなくても幸せになれるんだ」と思いました。
弱さを公開しあい、弱さでつながることで、ひとは「よりよく生きること」ができるようになるのかもしれない。そう気づいたときに私は、光がさすような感覚がありました。
「私たちはこんな生き方ができるのだと伝えたい」
その日の思いを胸に、私は2年越しにsoarをつくりました。
どんな困難に出会ったとしても、人を支えてくれる”何か”は、もうこの世界のいろんなところに散らばっている。それを集めて、届けよう。きっとそれができたら、社会はもっと幸せになる。
soarができてもう2年4ヶ月たちましたが、今もこの思いは変わっていません。
でも実は、さんざんべてるの家の話をしているのに、soarではまだべてるを取材したことがないのです!!なので、今年は満を持してべてるまつりで取材をして、その記事を読者のみなさんに届けたいと思っています。(まだ向谷地さんに許可をとっていないので、これからメールします笑)
べてるの家の記事を読むことができたら、あの日の私を助けることができたかもしれない。そして、未来の私がいつか困ったときにも、きっと力になってくれる。
そして”私”は、これを読んでくださったいる”あなた”でもあると思うのです。
今年の誕生日は”私”だけでなく、たくさんの”私”の未来のために、プレゼントをお願いしたいと思います。自由に金額が決められますので、ご寄付はすべてsoarのべてるの家取材費用とさせていただきます。
どうぞご支援よろしくお願いします!
◆北海道浦河町は飛行機にプラスして電車や車を利用しなければいけない遠い場所なので、寄付いただいたお金はsoar取材の交通費や取材費などにつかわせていただきます