経済的理由や家庭の事情で教育を受けられない現状にいる子ども達がいます。
これは、すぐにでも解決しなければならない問題です。
子どもたちの教育機会を大人達でサポートして、人生を早い段階からあきらめる子ども達に未来の希望を与えませんか?
Story
私たちは、大阪府吹田市でフリースクール・子どもの居場所・親の会・地域のつながりを作る場などを運営しています。不登校・発達障害・生活困窮世帯・ヤングケアラーなど、学校に行けない子どもたちに体験や教育を届けたいという思いで元教師達が集まって立ち上げた「枠のない学校」です。学校以外の教育の選択肢として、子どもたちの教育機会の確保の実現を目指して運営しております。
団体名の『トイロ』には十人十色、不登校・発達障害・生活困窮世帯・ヤングケアラーなど、全ての子どもたちの教育の受け皿になるという思いを込めています。
元教師が集まって立ち上げたスクールなので、在籍校の学習のサポートから、多様な実技教科や体験授業まで、「楽しみながら学べる」カリキュラムを用意しています。
活動内容
【フリースクール事業】
・月額制ではなく、通い方を選べるチケット制を導入しています。
・カリキュラムは、ボードゲーム教育や図工美術など、「楽しみながら学べる」体験型学習中心に構成しています。
・宿泊自然体験・農作業体験・職場体験・チャリティーマーケットなど、地域と協力して体験の受け入れ先を確保することで、学校に行ってなくても体験格差が起こらないよう、校外で行う体験学習を多様に用意しています。
・月に1度親の会を実施しています。不登校で悩む親同士の共感を生む場、子どもの対応について学ぶ場を提供しています。
【放課後学習スペース】
小学生~中学生を対象に、塾にも学校にもなじめない、主にグレーゾーンの子どもたちが学びに来ています。
学び直しを軸に、自習×補習ができる学習スペースとして運営しています。
【演劇教育】
小学3年生~大学生までを対象に、世代間交流ができて、演劇を通してコミュニケーション能力を育める演劇教室として運営しています。
【子ども支援関係者の集い場】
月に1度第3金曜日、教師・議員・地域の企業・子ども支援団体・大学生などが集って、子どもたちの居場所づくりや、体験活動の企画を行っています。
地域にある資源に「つなげる」「つながる」場を提供して、コラボ企画などを実施しています。
これまでの事業成果
【フリースクール】
フリースクールでは、教師時代の経験や地域のつながりを活かすことで、子どもたちが楽しみながら学べるカリキュラムを実施することができました。元教師や現役教師達で話し合って、最先端の教育を実践し、子どもたちのこれからを生きる力を育んでいます。
・曜日ごとに異なる「体験型学習」の実施
図工美術の時間では、これまでに立体や布に模様を付けたり、グラフィティでロゴデザインをしたり、最近ではスライムづくりを実施しました。
ボードゲーム教育の時間では、協力型、課題解決型、パズル型、シュミレーション型など、トイロで購入した多様なボードゲームの中から、授業ごとに決まったテーマに沿ったボードゲームを選んで行います。参加している子ども達同士でルールを話し合って取り組むことで、協調性やコミュニケーション能力の育成、ラテラルシンキングを育む機会となっています。
10月には職員向けのボードゲーム教育の研修を実施し、より教育の質を向上させていきます。
・学び直し学習サポートの実施
学校に行けなかった分のプリント整理から始めます。遅れた分の勉強だけでなく、必要であれば以前の学年の単元から学び直しの学習サポートを行うことで、家では進めなかった分をトイロで進めることができてきています。
・体験活動の実施
地域の方々の支援のおかげで、8月に兵庫県宍粟市での宿泊自然体験・和歌山県あらぎ島での農業体験に子ども達と行くことができました。
体験に参加した子ども達は、物事に対する姿勢や他者との関わりなど、ひとまわり成長することができました。
・トイロ親の会の実施
不登校の子どもの実態と対応、家庭でできる性教育、成長イベントにかかる教育費と貯蓄の仕方などをテーマに、保護者向けの勉強会を実施しました。
〈チケット制の導入〉
「休んだら次に回したい。」「別室登校と併用したい。」
「毎月通える頻度を調整したい。」「月謝制は高いので通えない。」
こんな不安が相談の中で多数出てきたので、解消できるように、経営方法を転換し、通い方を選べるチケット制を導入しました。保護者の方だけでなく、通っている子ども達自身の通うことに対するハードルが下がり、登校する日数が増えてきました。
【放課後学習スペース】
塾に入ったけどついていけなくて辞めてしまった子どもや、多動で集中が続かない子ども達を受け入れています。
学び直しをしながら、それぞれ自分にあった学習方法で勉強をしています。
【子ども支援関係者の集い「CONNECT」】
地域にある資源に「つなげる」「つながる」場を提供して、コラボ企画などを実施しています。
トイロに通っている生徒に向けた給食提供の実現を目指し、地域の子ども食堂や飲食店との連携を行っています。
また、地域の企業と提携をして、職場体験を実施したり、バザーの運営を行ったりしていきます。
その他にも、8月には地域の方の支援により、宿泊行事で泊まる施設を無料で利用させていただきました。
そのおかげで、トイロの子ども達は、川遊び・アマゴのつかみ取り・釣り・BBQ・花火大会などを体験することができました。
【無料の教育相談】
6月に開校して、1ヶ月で全国から42件の相談を受けて、必要な機関や団体におつなぎすることができました。
「事態は想像以上」
2020年、日本の不登校の小中学生は18 万人以上いることが発表されました。
大阪だけでも12000人以上の子ども達が不登校になっています。
それに対して全国の行政が設置している適応教室の数は1500 にも満たない数になっています。
だから、民間のフリースクールで学校に行けていない子どもたちの教育を、学校以外でも確保していく必要があります。
しかし、フリースクールなども全国に470 程度しかないと言われています。
今の日本で学校に行きづらくなったら、子どもたちは教育を受けることができなくなる可能性が高い。学校が全てという感覚に陥るのも納得します。
それは自分が住む吹田市でもそうでした。なんとかしなければいけないと強く思いました。
学校になじめない子どもたちにはなんの罪もありません。
その子たちの教育の機会が確保されていないことが、現状としては大きな課題です。
学校以外の教育の選択肢がない事が、学校に行けないことへの不安にもなっています。
教育を受けられない理由はさらに根深い
不登校の問題では、体調や精神面で学校に行けないことが表面化していますが、教育現場にいて、最も深刻だと思ったのがそれ以外の子どもたちです。
それは、「経済的理由」や「家事手伝い」で教育や体験を受けることをあきらめる子どもたちです。
「今日の晩御飯も食べられるかわからない」「親が働ける状態じゃないので生活が苦しい」などの経済的な理由。
「下の子どもたちの世話をしないといけない」「朝は祖父母の介護をいないといけない」などの家庭状況による理由。
これらにより、学校や塾などの習い事に行きたくても行けない生徒がいました。
忘れもしないことがあります。
生活が困窮していて、兄弟姉妹も多く、長男だった生徒を担任していました。
彼は、下の子の保育所に迎えにいける所、アルバイトが可能、定期代がかからないなどの条件に当てはまる高校しか選べず、進路の選択肢が大幅に狭められていました。
そして、進路を決定する懇談に保護者は来ず、その時彼はぽつりとこう言いました。
「どうせ希望する学校にはいけない。この環境から抜け出すこともできない。人生をあきらめた方が楽。」
この状況を目の前にして、1人の大人としてみなさんなら何と言ってあげますか?何をしてあげますか?
私は、何も言えず、何もできませんでした。
この経験が、トイロを立ち上げる理念の1つ、「すべての子どもたちに教育や体験を届ける」となりました。
【今回のキャンペーンで実現したいこと】
ヤングケアラー(中学生の17人に1人)、生活困窮家庭(7人に1人)など、経済的理由で教育機会が失われている子ども達への奨学金支給を実現したいと考えています。
吹田市に当てはめると、約3万1千人の小中学生が居るので、ヤングケアラーが1823人、生活困窮している子どもが4428人となる計算です。来れるときに、お金の心配をせず、学びに来れる場所を、マンスリーサポーターの皆さまと実現していきたいと思います。
支援金額や対象の子どもたちの選定は、公立の学校の就学支援制度を参考に行っていく予定です。
10人の方からのご支援で学校に行けない子ども1人の教育機会を確保することができます。
学校に行っていない間も、生きるために必要な力をつけるために、教科の学習や体験活動を受けられることで、子どもたちに希望を持ってもらえるようにします。
【代表メッセージ】
「どうせこの環境から抜け出す事なんてない。」
「人生をあきらめた方が楽。」
子どもの口からこれらの言葉を聞いたときみなさんならどうしますか?
私は教師時代に何も言えず、何もできませんでした。
精神的に学校に行けなくなったから人生をあきらめる。
経済的な理由で塾や習い事をあきらめる。
家事手伝いがあるので希望する進学先をあきらめる。
十人十色の子どもたちと関わってきて、このような現実の惨さを幾度も見てきました。
これからの未来を作るのは、今教育を受けている子どもたちです。
今この瞬間にも、教育や体験をあきらめている子どもたちはいます。
しかし、我々トイロは、6月に立ち上げたばかりで、今は、ちっぽけな力しかありません。
今のトイロにできる事。それは、
多くの方から少しずつ力を借りるために、そのお願いを何度もすることです。
そして、そのみなさんの想いを子どもたちに届けます。
人生をあきらめる子どもたちに、1人でも多く、もう一度希望を持ってもらえるようにします。
だから、どうかみなさんの少しずつの力を貸してください!
我々の理念に少しでも共感いただけたなら、ぜひ賛助いただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします!
寄付金の使途
教育や体験を受けたくても受けられない子どもたちへの奨学金制度に使用させていただきます。
トイロは2021 年6月からスタートしたフリースクールになります。
たった1カ月で42件の教育相談と、12人の子ども達がトイロに学びに来ました。
それだけ教育の機会を求めている子どもたちはいます。
しかし、相談に来た8割以上は、経済的に通うことができないと肩を落として帰りました。
保護者の中には、行政が補助金を出してくれるものだと思っていた方もいて、期待が一気に打ち崩されていました。
補助金があれば通えるのに。やっと、通えそうな所が見つかったのに。
こんな声がありました。
経済的な理由や、家庭の事情で、教育や体験を子どもたちにあきらめさせていいのか。
「人生はもうあきらめた。」と言わせていいのか。
1人でも多くの子どもに、生きる希望を持ってもらいたい。
それを複数の大人達でサポートして、生きる希望を届けたい。
それがこの寄付金の使い道です。
10人の方から1000円のご寄付をいただけることで、1人の子どもが週に1度教育を受けられます。
子どもたちに「人生をあきらめた方が楽。」と言わせるのではなく、「支えてくれたみなさんのおかげで人生あきらめずに済みました。」と言ってもらえるように、どうか、温かいサポートをよろしくお願いいたします。
使わない分はプールしていき、先に必要な子どもたちに使っていこうと考えています。
奨学金を支給する基準は、総世帯年収、シングル家庭、兄弟姉妹、出席日数、日々の活動の様子、面談による本人の学習意欲などが基になります。
そのため、本当に学びたいと思っている子どもたちに、マンスリーサポーターさん達の想いが届きます。