大津オルタナティブスクールトライアンフは、滋賀県びわ湖近くの町家、大津百町館で開校している不登校の子どもたちのためのスクールです。
様々な要因から学校の学び方や集団活動と合わずに不登校になった子どもたちが、学校でもなく家庭でもない安心・安全な「第3の居場所」として、当スクールを利用しています。
子どもたちひとりひとりの特性が尊重され、好きなことをトコトン追求できるような学び場を提供したいと思い、当スクールを開校しました。
すべての子どもたちが、自分らしく生きるための居場所と個々の特性やペースに合わせた探求の学びをサポートしていただくマンスリーサポーターを募集しています。どうかご支援のほど、よろしくお願いいたします。
Story
オルタナティブスクール「トライアンフ」とは
大津オルタナティブスクールトライアンフでは、築120年の大津の町家で、子どもたちが興味あることや得意なことを中心に、自らの学びをトコトン探求することを大切にしています。
学校に行かない選択をしたこどもたちには、自分を責められることなくホッとできる居場所が必要です。築120年の大津の町家には、学校で傷ついた子どもたちの心を癒す力があります。
自分が自分のままでいられる空間でゆったりと過ごすことで心が回復してくれば、自然と学びたいという思いや、前に進もうという勇気もわいてくるのです。
トライアンフで充分に自分が自分のままでいていいことが認められると、子どもたちは自信を取り戻し、変容が生まれます。
私たちは子どもたちを「子ども」としてでなく、ひとりの「意思や尊厳を持った人」として考えています。
そうやって、付き合っていくうちに学校に行かない選択をした子どもたちはみんなと違う道を選んでいたとしても大丈夫だと胸をはって生きていく力がわいてくるのです。
アンビシャス・ストーリー
中学2年の時に不登校になり、YouTubeばかりみていた子どもがたまたま見かけた珈琲のドリップの動画を気にいり、自分もやってみたいと思いました。
珈琲を生豆から仕入れ、自分で作った珈琲焙煎器でお客様の好みに応じて焙煎する。そして、1杯1杯丁寧にドリップする。
今や月2回の出店の日は大忙しで、いつも完売です。
ちょっと人と話すことは苦手だけれど、ドリップしてお客様に「どうぞ!」と言って珈琲をわたす。それなら自分にもできる!と欠かさず参加してくれる子や開店前にチラシを配りながら「来てくださいね!」と営業する子。みんな自分の得意なことを中心にお店を盛り上げてくれます。
お客様は浜大津明日都のビルにはいっている行政の部署や社会福祉協議会、子ども相談センターにお勤めの方々がほとんどで、みなさん、不登校の子どもをあたたかく見守ってくれます。
外に出かけるのは不安だけど、カフェのお仕事なら頑張れる。そこから社会へつながっていくことで充分ではありませんか?
自家焙煎・ハンドドリップのカフェ「アンビシャス」
●毎月第1・3・5金曜日 11:30~13:30(完売にて終了)
●大津市明日都浜大津1階 市民活動センター前
●珈琲 350円(マイカップ持参の方 300円)、珈琲豆(事前予約制) 150g 1000円 お好みの焙煎度でご用意いたします。
ある生徒はこう言いました。
「今まで私、優柔不断で決められなかったんだけど、最近、自分がどうしたいのかわかるようになってきたんです..ね、変わったでしょ?」
トライアンフで取り組んでいるEQ(こころの知能指数)を高めるワークは、自分がどんな気持ちでいるのか、他の人がどんな気持ちになるかを理解するのに役立っています。
ここでは、子どもたちそれぞれが得意なことや興味あることを探求しています。彼らの興味関心はスタッフの知識をはるかに超えることもあります。「もっと知りたい!」「もっと学びたい!」という思いは外部の専門家から本物の知識や体験を得る機会へとつなげます。
マンスリーサポーターのご支援によって実現したいこと
このように、子どもたちひとりひとりに寄り添った探求の学びを続け、より子どもたちの成長に繋がる学びの場をつくるためには、外部講師の依頼や探求学習に必要な教材など多くの準備が必要です。
しかし、現状ほとんどのフリースクールには公的資金の投入がなく、スクールの運営費、子どもたちのの探求学習や学びのための活動費の全てが個人負担となっています。
すべての子どもたちに安心して自分らしい学びができる機会を届けるためには、まず「経済的な理由」でフリースクールに通えない子どもたちへのサポートが必要不可欠です。
私たちはいただいた寄付金によって不登校の子どもを抱えるご家庭の負担を引き下げ、すべての子どもたちに学びを保障したいと考えています。
そして、トライアンフは今後もより多くの子どもたちが安心して自分らしく学びを探求する居場所であり続けたいと思っています。
寄付金の使途
子どもたちの学びを充実させ、好きなことを追求する学びの場を継続していくことができるよう、トライアンフでの授業に必要な諸費用に充てさせていただきます。
ご支援をいただくことで、トライアンフに通う子どもたちの授業料を減額させていきたいと思っています。
・子どもたちの興味関心に合わせて様々な分野の専門を外部から呼ぶための費用
・子どもたちの発達特性に詳しいスタッフを雇うための費用
・活動費用(テキスト、ツールetc.)
・運営スタッフの人件費 等
代表メッセージ
学校に行かない選択をした子どもたちが、安心安全な居場所で自分の得意なことや興味あることを中心に学んでいくこと...
これは私の子どもが不登校になったときに考えていた「こんなフリースクールがあったらいいな」を実現させたものです。
学校の課題をこなし、良い高校や大学に進学し、安定した企業に就職するという従来型のモデルはすでに終わりを迎えています。これからはいくら安定している企業でも将来どうなるかわからない、それよりも自分の頭で考え、興味のあることや得意なことを武器に社会に出ていく人の方が必要とされていくでしょう。
学校に行かない選択をした子どもたちはある意味その先駆者であり、義務教育というレールを降りて自らの頭で考え、歩き出す力を潜在的に持っている子どもたちだと思います。
ひょっとして今はエネルギーが枯渇していて、動き出していないかもしれません。
日々ゲームをしたり、昼夜逆転になっていたり、保護者にとってはこのままで大丈夫なのだろうか、一体将来どうなっていくのだろうと不安な気持ちがあるかもしれません。
私たちは学校に行かないことで自分がダメだと思ったり、自己肯定感を損なったりする子どもに大丈夫だよと寄り添い、安心感の中で様々な体験をしたり、年代や性別を越えた多様な人と交流したりすることで、生きていくために必要な力を養っていきたいと思っています。
トライアンフの存続、発展のためにお力添えよろしくお願い致します。
これからの活動ビジョン
2019年9月の開校以来、子どもの知的好奇心を刺激しようと、さまざまな体験を得る機会を設けてきました。
遠足や調理実習のほか、外部講師による「メダカの学校」「昆虫教室」「生け花・茶道教室」「刃物研ぎ教室」…
子どもの興味関心はバラバラですが、それぞれの関心に即した体験を活動に組み入れることによって、はじめは興味のなかったことも、チャレンジしてみて面白かったという感想や自分なりに面白さを見つけて、子どもたち自身が自分の枠を広げることにつながっています。
「快適ゾーン」から一歩外に出る。
不登校の子どもにとって、安心安全な場所は不可欠です。そこで充分にエネルギーをチャージしたら、少しずつスモールステップでチャレンジしていく。
そういった子どもの成長をサポートできるトライアンフでありたいと願っています。
今まで以上に体験の種類を増やし、活動の質を高めること、またさらに多くの不登校となった子どもがトライアンフに来て、学校では得られない貴重な経験をし、その体験を子ども時代の大切な思い出として心に刻んでもらいたいなと思います。
全国約18万人の不登校の小中学生が学校に「NO」を突きつけています。
あっという間の子ども時代を生き生きと過ごすために、私たちのこのトライアンフがもっと大きな輪となり、各地に広げていくことができればと思います。
今の時代、先が見えずただでさえ不安な社会状況です。
新型コロナウイルス感染拡大もあり、私たち全員が新しい生活様式や価値観に切り替えていく必要があるでしょう。
子どもたちもそうです。言われたことだけをする、目の前に見えることだけをするのではなく、創造力を働かせ、今まで経験したことのないことにも挑戦しながら、社会へと降り立っていくことが大切です。
いろいろな特性をもつ子どもたちがいて、お互いに関わり、尊重し合いながら、好きや得意なことを探求する。子どもたちが健全に成長し、多様性を認め合える社会をつくることが私たちの役割だと思っています。