【奇跡の生還、そして退院。(きかちゃん日記)】
2022/7/4 11:44
みなさまいつも木花を思ってくださり本当にありがとうございます。
現地時間7月1日(金)、木花はコロンビア大学附属病院を退院することができました。
これからは週に2回通院し、家庭で治療・リハビリを続けて参ります。
一時は深刻な状況に陥り大変ご心配をおかけいたしましたが、
一般病棟へ移ってからは目覚ましく事柄が好転し、こうして退院をする事ができました。
この奇跡の生還は、みなさまの大きな応援、強い祈りが木花に届いていたからに違いありません。
たくさんの思いを、本当に本当にありがとうございます。心から感謝を申し上げます。
*
術後の状況を振り返りながら退院までの流れを報告させていただきます。
※木花には繋いでいただいた命を「お友達」という言葉を使って話しています。
ドナーの方のご冥福を心からお祈りするとともに、ご家族の皆様へ深く感謝いたします。
5月22日の移植手術後、すぐに動き始める事ができなかった胸のお友達を補助するため、胸を開いたまま1週間もの間ECMOを装着いたしました。
ECMOは重大な合併症を引き起こすリスクを伴う処置ですが、そのリスク以上に木花の命を繋ぐための最終手段でした。
装着から2日後には心臓内に大きな血栓ができてしまったため、緊急で血栓除去術、再び血栓ができないよう血液を抜き取りやすくすよう心房中隔欠損形成術が行われましたが、その翌日まで出血が止まらず、止血するためにさらに緊急手術が行われました。
開胸したままECMOを装着している間は、一瞬たりとも気が抜けませんでした。
昼夜問わない懸命な処置のおかげで、
木花と胸のお友達は徐々に自分たちの力だけで動き、血液を循環させ始めてECMOを離脱できた時は、まずは命はつなぐ事ができたと胸をなで下ろし、一息つく事ができました。
呼吸器から離脱し、鎮静状態から覚ましてゆく過程では、血栓の出現があり脳梗塞のリスクが高かったため、無事に体の機能が元に戻るかを細かく観察していただきました。
また、VADの刺入部からの感染はカニューレを伝わり心臓まで達しており、その感染の影響も心配されていました。移植前の数ヶ月は日常生活が困難なほど強い痛みに苦しんでいましたので、その意味をすぐに理解できました。
再び深刻な状況に陥らないよう祈る中、
経管栄養と並行して食事が始まり、排出用のドレーン、ペースメーカーの配線、首や腕のカテーテルなど、身体から出ていた管が徐々に少なくなり、お薬が変化し、意識がしっかりし始めました。
1ヶ月後に一般病棟へ移ってからは退院後の生活を見越し、本人の意欲をかきたて、その意思を尊重したリハビリがメインとなりました。
「お兄ちゃんに会いたい!」それが木花の一番の希望でした。その希望が叶い、お兄ちゃんを見つけた瞬間目を輝かせ、起き上がり、手を繋いで自ら歩き出した時の感動は今でも忘れられません。
そして、鼻からのチューブを抜き、VAC治療が終わり、最後に腕のピックラインを抜き取りました。
木花の体とつながっているものが何もなくなった翌日、退院となりました。
*
渡米後8ヶ月もの間、最善を尽くし、忍耐強く待ち、心臓移植手術後は木花と胸のお友達の回復を信じて、私たち家族を側で支えてくださった医療チームのみなさまにこの場をお借りして心から感謝を申し上げます。
不安がよぎった時、悲しくなった時、いつも笑顔で対応してくださり、心を強く保つことができました。
木花たちの回復に涙を流して喜んでくださいました。
毎日家族のように顔を合わせていた病棟のみんなとのお別れは切ないものですが、
嬉しい旅立ちです。
これからも木花とつながっていることを深く感じ、笑顔で病棟を後にしました。
木花は3年に及ぶ入院生活に終わりを告げ、これから新しい人生が始まります。
私たち家族は病院での付き添い生活は終わりましたが、木花と胸のお友達が仲良くあり続けらるよう
これからも全力でサポートして参ります。
「今日おうちに帰れたね!」木花は嬉しそうに言いました。
「うん、帰れたね!つぎは飛行機に乗って、みんなが待っててくれる日本に帰るよ!木花ちゃんのおうちに帰るよ!」
これからは「おうちへ帰り日常生活を送る」、という最終目標へ向け準備をいたします。
木花が生まれた時から可愛がってくれていた友達が救う会を立ち上げてくれました。
友達から広がったこの大きな大きなご支援のおかげで、木花は命を繋ぐ事ができました。
本当にありがとうございました。
私たちはこの奇跡を導いてくださったみなさまとのご縁を大切に胸に掲げ、誇りとし、
これからも笑顔いっぱいで過ごして参ります。
心から感謝を込めて。
木花母・木花父
← Back to all activity reports