代表 蓮見師朗のご挨拶
2021/5/24 20:26
笑わない、眉間にしわを寄せた理屈っぽく、少し冷めた社会人だった私は、広告代理店で営業をしていた30歳ころ、部下ができました。上司から「人を育てるのは面白いぞ」の言葉にその気になり、部下を育てるための勉強を始めました。
その 頃から私は『人は指示命令では動かない』という命題と向き合うようになり、その探求にのめり込んでゆきました。中でも【交流分析】=(対人のやり取りを扱う心理学の一つ)との出会いは、私の探求心を満たすのに十分でした。
セミナーを通して交流分析を体験的に学んでいるうちに、自分自身が在りのままで受け容れられ承認される貴重な体験を重ねていきました。また、その過程でたくさんの気づきがあり、いつしか眉間のしわも無くなり笑顔も増えていきました。
そんな気づきの一つが『私は、子どもの頃から近所の小さい子が好きで、よく一緒に遊んでいましたが、小学校に上がる頃、父から「もう小さい子と遊ぶのはやめなさい」「幼稚なことはするな」と言われて、仕方なく従った体験』でした。この体験が、私から笑顔を奪っていたことに気づいたのです。
このような、生き方に影響を与える親からの圧力を【禁止令】と言います。30代半ばになっていた私は、この禁止令からの解放を目指し『蓮見師朗自由化計画』と銘打って、1年間子どもらしく生きることを意識してやってみました。
その結果、子どもらしく在りのままでいてもいいという許可を自分に与えられるようになり、生きることが楽になりました。同時に、人生の大切な【夢】を手に入れたのです。それは『子どもと接することを一生の仕事にしたい』という夢でした。
その夢は、子ども1人ひとりが愛され、在りのままを認められる【承認と力づけ】の場所を創りたいという思いになり、2003年(39歳)、ままる保育園を立ち上げました。
【ままる】とは? お母さんの『ママ』と、オーケー・いいね・平等などの意味を持つまる=〇を、私がくっつけました。その【ままる】の底流に流れるものは【愛】です。「そのままで、あなたのままでいいんだよ」と言ってあげるような、全てを包み込む愛です。
言うことを聞く子、皆と同じことができる子などを世の中では【いい子】と呼んでいます。日本中がこの【いい子】を育てるために躍起になっています。もし我が子が、いい子製造ラインから外れるようなことがあれば【不良品】になってしまうからです。そのために子どもを叱り、間違いを指摘し「ダメ、違うでしょ」と、私たち大人は否定のシャワーを浴びせています。
生きる意欲、世の中と好意的にかかわる意欲を育てるためには、ただ𠮟るだけの強いる教育ではできないと、私は確信しています。欠点を指摘し、できないことを恥じ、皆と同じことをさせる教育に、私は憂いを感じています。
ままるの底流に流れている【愛】を実践するためのキーワードは『待つ』『信頼する』『認める』です。人は間違えます。完璧な人などいないでしょう。特に子どもは、間違えながら学習していきます。だから人を育てるには【愛】が必要なのです。
ままる保育園では、保育士は子ども「ダメ」を言いません。また叱らない保育を実践しています。「ダメ」も言わず叱らずにどうやって躾をするのか?不思議ですか?
子どもは叱られると『嫌われた』と感じます。「私のために叱ってくれた」とは、決して感じないのです。嫌われたら不安になります。その不安は様々な振る舞いとなり、さらに大人を困らせる結果になりかねません。悪循環です。
本当の【いい子】は、安心を体験するから育ちます。子どもは手が掛かります。だからたくさん手を掛けてあげたいのです。そのためにも、安定的な財源が必要です。
子どもたちの心の成長のために、皆さまの温かいご支援を頂けたら嬉しいです。
ままる子育てコミュニケーション
ままる保育園 園長 蓮見師朗
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