「人生、詰んだ」分娩台で涙したあの日の私に。

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あるがままを受け入れること、の意味

2021/3/21 03:21

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前回、わたしがNICU(新生児集中治療室)で過ごした時間についてお話しました。

「あるがままを受け入れられること」これは、おそらくすべての人が求めている、根源的なニーズなのかなとおもいます。

ただ、この言葉をうわべだけで解釈するのは少し危険だなとおもいます。なぜならわたしは、予期せぬ妊娠も、早産も、小さく生まれた赤ちゃんも「あるがままを受け入れられる」人間になるための神様が仕組んでくださった修行だとおもいこんでいたから。


11月28日に生まれてきた小さな赤ちゃんは、少しずつ成長。徐々に力もついて自力でミルクも飲めるようになり、呼吸や体温も安定するようになりました。脳波などの検査でも異常は見つからず、あとは毎月の定期健診で成長の様子をみながら自宅で過ごしてもいいですよ、と。

なんだかんだとNICUの居心地がよかったので、未知の世界に放りだされるような不安がありました。ぎりぎり年末まで粘って、ようやく実家に…。退院するときは、2780グラムになっていました。(ふつうの新生児ちゃんぐらいの大きさでしょうか)

病院での経過観察のため、しばらくは実家で過ごすことにしました。その「しばらく」は、なんと7か月も続いてしまいました。 

続いてしまいました…ということは、つまり良くなかったことと後悔しているのですが、なにせ東京には風呂なしボロアパートしか住まいがなく、この小さな子を連れて帰ることはできなかったのです。

実家にいたら、母も妹もいたし、何かあればすぐに助けてもらえる環境でした。ぐずぐずいって泣き止まない時も、湿疹だらけになった時も、一緒になってあたふたしてくれるひとがいるというのは、とても心強いです。

退院しておうちで過ごせるようになってから、あっという間にぷくぷくとした赤ちゃんになりました。そのころには友人にも連絡を取り赤ちゃんを見に来てもらったりもしました。

そして、産後7か月を過ぎたころ、ようやく東京に戻ります。そこから見事に1歳半を過ぎるまで「ほぼひきこもり生活」をしてしまいました。赤ちゃん連れでふらっと行けるような児童館や公園にいっても、誰ともうまく話せないし、とにかく居心地が悪かった。ママ友なんてつまらないし、くだらない。

かといって、子どもがいない友だちといても、仕事や恋愛の悩みを聞いてもうらやましい気持ちしか湧いてこなかった。「なんでだけわたしだけがこんなことになってしまったのだろう」と被害者意識でいっぱいだった。

仕事もしてなかったから、お金もないし、自分のものを買うこともできなかった。食事も一日一食とるのが精いっぱい。当時の連れ合いに「今日はどうだった?」ってきかれても「特になにも。」しか応えられない。毎日、生きているのか、死んでいるのか、いつ起きて、いつ寝たかもわからない感じでした。

いまおもえば、軽いうつ状態だったのだとおもいますが、分娩台で「人生、詰んだ」と悟った身としては、死んだように生きるのは当たり前で、自分のおかしさには気づいていませんでした。



余談ですが、はるか昔、マドレボニータのインストラクターをやっていた時、毎日更新していたブログと不定期発行のニューズレターがあったのですが、そのタイトルも『arimama voice(ありままヴォイス)』でした。20代のとき、お芝居を教えてくださったお師匠から「かおり、”ありのまま”でいい。」と励まされたことがあり、忘れたくない言葉としていろんなところに仕掛けておいたのです。LIVE YOUR LIFEと同じぐらい常に心においている大切な言葉です。


懐かしい紙のニューズレター、手書きイラストも入れてつくってましたが、みごとに産後とお笑いのことしか書いてない…!!!


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Representative:山本裕子、中桐昌子

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