ネパールの女の子たちに新型コロナで失われた学びを取り戻す機会をキャンペーン

3月8日は国際女性デーです。ジェンダー平等が実現するためには、学んだ事を社会で発揮する上で女性であることが足枷とならない、そして学ぶ上で女性であることが足枷とならない、という社会と教育におけるジェンダー平等が必要になってきます。

*3月18日20時から女子教育に関するウェビナー（無料）を開催いたします。奮ってご参加ください。

教育分野に強みを持つサルタックとしては、まずはネパールの教育におけるジェンダー平等が実現するように支援をしていきたいと考えています。我々が活動するネパールでは、一見すると教育におけるジェンダー平等が実現したように見えます。下の図は、ユニセフとネパール政府が実施した最新の調査結果を用いて、最富裕層を除いて年齢別に学校に通っている子供の割合を性別ごとに出したものです。就学率が高い最富裕層を除いた場合でも、ネパールでは10代の前半の子供達の9割以上は学校に通っていますし、顕著な男女差は見られません。

しかし、一見と記述したのには訳があります。それは、目に見えやすい所ではなく、データを詳細に収集する・分析しないと浮かび上がってこない隠れた所に存在しているからです。

ネパールでは雨後のタケノコのように私立学校が増えています。そして、IVYリーグを構成する一校であるペンシルバニア大学のネパール人教育経済学者のタパ教授の研究によると、ネパールでは諸条件を揃えた状況でも、私立学校に通う生徒の方が高い教育成果を出しています。下の図が示すように、実際に算数と国語で基礎的な学力を身に付けられている子供の割合を公立学校と私立学校で比較してみても、私立学校に通う子供の優位さが顕著に見られます。

では、私立学校に通っている子供の割合に男女差はあるのでしょうか？お金に余裕がある最富裕層は子供の性別を問わず全員私立学校に送ることが出来る一方で、それ以外の層では、特に男の子が一人と女の子が一人という家庭で、どちらか一人の子供しか私立学校に通わせられないが、どちらを私立学校に通わせるのか？という問題が浮上してきます。そこで、最富裕層を除いたケースで、私立学校に通う子供の割合を性別ごとに見ていきます。

先ほどの学校に通えているか否かでは、明確な男女差は存在していませんでしたが、私立学校に通っている子供の割合では、明確に男女差が存在しています。教育費のデータが手に入らないので推測と経験則になりますが、子供は学校に通わせなければならないという社会規範が存在するので、学校に通っているかどうかには男女差が出ないのですが、お金をかけて真剣に教育を受けさせるという所で女の子は別に真剣に勉強しなくても良いのではないか？という男女格差が顔を出してきてしまいます。ネパール、そしてネパール以外の少なくない途上国においても、このような状況が広がっており、公立学校を支援することが女子の教育支援に繋がります。

そこでサルタックでは、公立学校に対して学びのキャッチアッププロジェクトを実施していきます。これは、公立学校の教員や、その地域の若者にトレーニングを施して、小学校低学年の子供達を対象に、基礎的な読み書き計算能力を身に付けてもらうためのプログラムを実施してもらうというもので、具体的には、学習調査に基づいた個別の学習スピ-ドに合わせた学びの支援を行っていきます。さらに、このプログラムは、学習教材の配布や栄養補助も行うことで学びのキャッチアップの速度を上げていくことを目指しています。

一校でも多くの公立学校、そしてそこで学ぶ女の子にリーチできるように、みなさまのご協力をどうぞよろしくお願いします！

頂いた資金の使用予定内訳：

・授業の教材ー7教室×15000円＝105000円

・新型コロナ対策教材ー7教室×3000円＝21000円

・教員/若者のトレーニングー25人×3000円＝75000円

合計201000円