竹かごで繋がるバセニタール村
2021/3/2 11:51
▼基本情報
【所在地】Basenitar, Tanahu, Nepal
首都カトマンズから約6時間かかる山の中
【民族】 ブジェール民族、他
【主産業】竹かごの製造
山の中の開けた土地に、おやつや飲み物が買える小さなお店2軒と、小学3年生までの学校があり、家と家の距離も近いのでこぢんまりとした印象があります。
他民族への差別は無く、村人同士の関係も良好なので、誰でも暮らしやすい村です。
▼竹かごの製造
昔からずっと行っているという竹かごの製造で、約20,000NPR(約18,000円)の家庭収入があり、町へ出稼ぎに行くケースがほとんど見受けられないのが特徴です。そのため、若い世代が村に残っており、人口構成がピラミッド型になっています。
竹かごは、ニワトリが快適な環境で卵を産むためのもので、竹を伐採するところから、細く割いて、編むところまで、全工程を家庭内で分業して行っています。子供がお手伝いをして、お小遣いをもらうこともあります。
竹かごによる収入があるため、生きるのに困っているわけではないことも、バセニタール村の特徴です。最低限の生活を営めているからこそ、その日を生きることに精いっぱいになるのではなく、村のさらなる発展という未来を見ることができているのです。
▼農業と養蜂
当プロジェクトでは、竹かごによる収入では賄えない教育費を、バセニタール村で可能な方法で捻出することを目的としています。
バセニタール村には、農業をするための畑となる土地はあります。しかし、農業をするための水がありません。そのため、近くの川から引き上げてくる必要があります。そのためには、パイプやタンクなどが必要です。農業による自給自足と、家庭消費を上回る野菜を販売することで、少しでも食費の負担を減らしたり、収入を増やしたりすることが、村では可能であると村人は考えています。
また、村人が積極的に参加した養蜂研修のプログラムで実験を行い、バセニタール村でも蜂蜜の採取が可能であることが判明しました。
「自分たちでできることを見つける。」
その強い意志で、見つけたことです。
森に蜂箱を置いて採れる天然の蜂蜜と、畑に花を植えて採る人工的な蜂蜜を販売することで、副収入を得ようと試みています。すでに、近くの村や町では、蜂蜜が欲しいとの声があるそうです。
▼若者の意志
村の人たちは、私がいくつか質問したときに「○○が欲しい」とは言いませんでした。
むしろ、「○○がやりたい」と夢を語ってくれました。それが、村の発展を見据えた農業と養蜂です。しかし、「お金がないからやることができない」と話してくれました。
すでに何かしらのサポートが入っていた村だとしたら、外部からの支援に依存していたかもしれません。しかし、ここまで考えていたこと、未来を向いていること、養蜂に取り組もうと研修プログラムに参加したことは紛れもない事実です。その自ら未来へ向かう姿勢を、私からモノをあげると言って崩したくはありませんでした。そのため、マイクロクレジット(小額融資)を提案しました。
すると、村長は「ラムロチャ!!(すごくいいね!!)」と即答しました。その時、村長を始め、この人たちは自らの足で進んでいく覚悟がある人たちなのだと確信しました。
バセニタール村のさらなる発展のためのその意志は本物です。
私はバセニタール村の若者の意志を信じています。
← Back to all activity reports