参加クルーの声「教育プロジェクト」①
2020/9/3 09:23
教育PJは児童養護施設の一人の子どもに対して、一人のクルーがマンツーマンで勉強を教えるPJです。児童養護施設版の家庭教師のようなイメージを持って頂ければと思います。基本的には週1回1時間、小学校1年生~高校3年生までを対象にしております。
通常は小学生~中学生くらいまで対象のことが多い印象で、学力の向上という面よりは子ども達への心の支援を中心に行っております。
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大学全入時代と言われて、もう15年近く経ちはしますが、それでも児童養護施設からの大学受験生の話は全く聞きません。
なぜでしょうか?お金の問題?学力の問題?制度の問題?子ども達の問題?親子関係の問題?
私の中では上記の問題が全て組み合わさって、子ども達の大学進学を難しくさせているのではないかと感じました。進学先がない場合は原則18歳で施設を退所しなければなりません。施設の子どもにとっての大学受験は、ある種の『綱渡り』だと思います。
決して安易な道ではなく、乗り越えるべき障壁はどれも非常に高いと感じました。
私は昨年、児童養護施設からの大学受験生への教育PJを担当させて頂きました。 その体験談を載せさせて頂きます。
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私は普段、東大阪市の児童養護施設さんに訪問させて頂いており、その施設さんから、施設訪問リーダーを通して大学受験生に対しての教育PJのご要望が当財団に届きました。教育PJは基本的には学生さんがメインで行うことが多かったので、社会人の私には正直な所、PJに携わることに最初は抵抗がありました。特に、大学受験生対象の教育PJなど私も聞いたことがなかったですし、実際にその施設さんからお聞きした話では約10年ぶりの受験生だったそうです(児童養護施設からの大学進学はそれくらい困難なのだと実感しました)。
ただ、学生時代の塾講師のアルバイトが本当に楽しく良い思い出が沢山残っていたことと、私自身も両親からの資金援助が一切ない中で理系大学院まで卒業したこともあって(児童養護施設からの大学進学した場合と私の立場はかなり近いと思います)、『放っておけない!ここで放っておいたら絶対に後悔する!』という気持ちが強かったのでお引き受けしたのを覚えています。その後、すごく緊張しながら臨んだ面談で、その子が文系だと言われた時には、『何で引き受けてしまったのだろう?』と逆に後悔しましたが(笑)。今となっては良い思い出です。
最初は週1回の訪問から始まりました。お互いの勉強面、私の何気ない一言がその子を傷つけているのではないか、時間に余裕のある学生さんや志望学部の卒業生などではなく全く異分野の私が担当で良いのか等の不安も重なり、最初の頃は自信なさげにぎこちなく映ってしまっていたかもしれません。1対1で勉強を教え、一人の子の進学を担当するのは、大人数を担当していた塾講師時代とは別の意味での大きなプレッシャーを感じました。私は、他の人に頼ったり相談したりすることに至っては大の苦手で、それなのに周囲には無理してでも明るく振舞ってしまうため、余計に人に頼れなくなって仕事を増やしてしまうタイプです。
本来ならば私個人の力だけが試されるPJになると予想していたのですが・・
つづく…
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