皆さんと描きたい 僕夏の未来 〜理事 大浦より〜
2020/7/31 17:00
ここまで寄付登録をいただいたみなさま、本当にありがとうございます。
私たちことばが今回、この「僕らの夏休みProject」という活動を続けていくために寄付で基盤を固めたいと思った理由をお話しします。
普段私たちは小学校の全学年、全児童を対象者にしているので、特定の課題を抱えた子どもたちのケアに特化した活動ではありません。
そうなると、(あまり「普通」という言葉は好きではありませんが)「普通の大学生が普通の子どもたちに会いに行く」活動は社会課題も見えづらく、こんなにお金かかるのになんで続けているの?なんのためにやっているの?と言われることも多くあります。
あえてその声に答えるとすれば、私たちは『社会課題を予防している』という意識でいます。
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今、日本には精神的に安定しなかったり、自分の可能性を信じられなかったり、
誰かと比べては自分を否定するサイクルのなかで苦しんでしまう若者は多くいます。
その裏には両親の不仲や虐待、金銭的な圧迫、兄弟との比較といった家庭環境や、
学校で受けた学力・スポーツ・生活態度などについての評価、
友達関係での悩みや恋愛、あるいは理想の自分と現実の姿のギャップ、幼い頃の失敗など…
100人いれば100通りの壁や課題があり、本人も知らないうちにコンプレックスや心の傷を、胸に抱えて前に進んでいくのだと思います。
良くも悪くも、幼少期の経験はその後の人生に大きく左右しますし、20歳前後になってから自己認識や凝り固まった価値観をほぐすことは、不可能ではなくとも多大な労力がかかります。
実際、私もそれに悩まされたひとりでした。
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僕らの夏休みProjectは一見、首都圏の大学生が地方の小学生に会いに行き、
3日間イベントを運営してお祭りに出て帰っていく、シンプルな交流イベントに見えます。
しかしその3日間には、上で述べたような課題を緩やかに防ぐ様々なヒントが隠されていると思っています。
夏休みというなんでもできる・手に入る気がするあの輝いた時間に、
先生でも家族でもないお兄さんお姉さんと出会う。
自分のことなんて何も知らないはずのその人は、
初めて出会う自分のことをなんの壁もなく受け入れ、
良いところを全力で認めてくれる。
思いっきり身体を預けて遊んでくれるかと思えば、悪さをすればしっかり怒られるし、ふと気づくとなんだかそのお兄さんお姉さんもかっこ悪いところがあったりして、歳なんて関係な人と人との関係として暖かい気持ちが育まれていく。
弱いところも強いところも、3日間の中で垣間見える人間らしさをお互いに認め合って受け入れることができていく。
それからなんだか節目の時には会いたくなって、
今元気だよって伝えたくなって。
もしかしたら大きくなってから進路選択の時に自分を信じられるきっかけはそのお兄さんお姉さんだったりして。
夢を見すぎていると思われるかもしれませんが、私たちはイベントを通して、そんな子どもたちの未来の「心」「精神」「情緒」のようなものに触れていると思うのです。
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日本には大学というものがない地域がまだまだ多く、小学生から高校生になるまで、先生と親族以外とは深く交流することなく進路を選ぶ若者もたくさんいます。
だからこそ、いずれ進路選択という大きな決断をする未来の若者たちのために、小学生のうちに
・歳が近いお兄さんお姉さんと触れ合うことでひらける心
・思いっきり楽しくて発見でいっぱいの夏の思い出がもたらしてくれる自信
・よそ者に触れるからこそ気づく選択肢の多さと地元の素晴らしさ
を知ってほしいのです。
人との出会いが、自分の人生を自分で選ぶ力強い後押しになれればと思っています。
現状は課題がないように見えがちな大多数の子どもたちにこそ、この「僕らの夏休みProject」を届けたい。
心が荒みがちな今の日本に、生き方が多様化し自分の道は自分で切り開かなければならないこれからの日本に、僕らの夏休みProjectが不可欠だと考えています。
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さらにお話しすると、私たちのような活動は助成金も出にくい上に、活動のきっかけが東日本大震災という大きな出来事だったこともあり、1年目からずっと、家庭からの参加費はいただいていません。
でもだからこそ寄付という方法にたどり着きました。
未来を見ると確実に必要だけど、今だけを見るとお金が集まりにくい…そんな活動だからこそ、この価値をわかってくださるみなさんと一緒に活動の基盤をがっしり固めたいと考え、イベントごとに行なってきた寄付キャンペーンをやめて、継続寄付を募るマンスリーサポート型の寄付を開始することになりました。
このような私たちの活動の経緯に共感し、子どもたちの笑顔を一緒に作り出してくださる皆さんの存在にとても力を貰っていることを、心から伝えたいと思います。
僕らの夏休みProjectがマンスリーサポーターの皆さんに支えていただけることで、次の10年はまた新しい挑戦ができます。これからもことばの応援をよろしくお願いいたします!
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