Story
■ イラクの病院にPPEを!
イラクの3か所の病院にPPE(マスク、アルコール、手袋といった個人防護具)計 140万円分 の支援を行います。これは3病院が感染症対策のために必要としている物資の1ヵ月間の合計金額となります。
本キャンペーンは緊急支援のため、10%目標達成毎に早急に送金を行い、現地で医療物資の購入をさせていただきます。
※6/25追記
支援物資に関して「マスク、アルコールスプレー、手袋」の3点に限定しておりましたが、クラウドファンディング開始後、イラクの感染状況は一変し、支援先である医療施設でも感染者が確認されました。
現地からは上記3点以外にも「医療用ガウン、フェイスシールド、診察室の消毒費用」といった緊急要請が寄せられています。
こうした緊迫した状況にできる限り応じる支援を行ないたく、開始時にお願いした個人防護具3点以外の支援(コロナ対策に限る)にも充てさせていただければと考えております。どうぞご理解賜りますよう、お願いいたします。
■ イラクでは新型コロナウイルスにより医療崩壊が起きています
イラク国内では6月に入ってから新型コロナウイルスの感染者が急激に増えており、6月17日にはイラク全土で一日に1,554名の感染者が見つかっています。
イラクではここ数十年の度重なる紛争に加え、政治不安が続いてきたことで医療サービスは常に不安定な状態が続いていました。
首都のバグダードでは新型コロナウイルスの重症患者を収容するためのICU病床に加え、市内に2ヵ所しかない検疫所もすでに満員となっており、コロナに罹っても病院に行けない医療崩壊が起き始めています。
また患者に対して救急車の数も不足しており、一台の救急車で4名のコロナ患者を運ぶといった最悪の事態も起きています。
■ 病院ではマスクなどが不足し、新たなクラスター発生の危険も
衛生状態の極めて悪いイラクの病院において、マスクや手袋、アルコールといったPPE(個人防護具)は患者、医者や看護師、患者家族を感染症から守るために欠かせないものとなっています。
しかし新型コロナウイルスの流行でPPEの値段が高騰しており、医師や看護師もPPEの使いまわしを余儀なくされ、病院を訪れる患者に対しても十分に配れていない現状です。
(密集した状態で行われる輸血治療)
この状態では病院が新たな新型コロナウイルスのクラスターを発生させる場所となり、イラクの病院の医療崩壊に拍車をかける危険性があります。
■ JIM-NET×JCFによる協同プロジェクト
現地から新型コロナウイルス対策のための支援の要請が相次いでいることを受け、JIM-NETは同じイラクの医療支援の現場で活動するJCF(日本チェルノブイリ連帯基金)とともに、イラクの病院のコロナ対策を支援するためのクラウドファンディングを立ち上げました。
支援先病院にPPE(マスク、アルコール、手袋)の必要数を問い合わせ、主に小児がんを支援する2病院と国内避難民支援を行う1病院に対して計140万円分の支援を行うことを決定しました。これは3病院が一ヵ月間の感染症対策のために必要としている物資の合計金額となります。
■ 支援先病院一覧
バグダード小児福祉教育病院(バグダード)
首都バグダードにある小児福祉教育病院は子どものがんを専門とするイラク国内でも数少ない病院の一つです。湾岸戦争後の経済制裁やイラク戦争後の医療制度の崩壊は医療現場の混乱を招き、病院の老朽化や医薬品の欠乏が常態化しています。病院内の医療用品不足も深刻で、衛生面の改善も急務とされています。
また長らく続く不安定な情勢もまた子どもたちの命を脅かしています。昨年10月、バグダードを中心としたデモにより、医師らは病院に行くまでにいくつもの道を迂回し、セキュリティを通過しなければならない状況でした。
JIM-NETでは設立当初から当病院のマーゼン・ジャドリー医師の協力の元、医薬品を支援しています。
必要物資数
マスク 4,356枚
アルコール 210リットル
手袋 18,000組
計:65万円
(病院で治療を待つ子どもたち)
イブン・アル=アシール病院(モスル)
2014年に過激派組織ISIS(イスラム国)に占拠され、3年間に渡る支配を受けたイラク北部の都市モスル。2017年の解放作戦による戦闘でも街は荒廃し、今でも多くの場所でインフラが復旧していません。
イブン・アル=アシール病院は2017年、解放作戦の際にISISが放火をし、多くの傷が遺されました。しかしその後、病院のスタッフたちが必死に修復し、今はまた病院としての機能を取り戻しています。
同病院に対してはJIM-NETも緊急支援の一環でここ数年医薬品を届けており、JCFも医師研修や治療実績に改善に向けた支援を継続的に行っています。
必要物資数
マスク 3,000枚
アルコール 60リットル
手袋 6,000組
計:23万円
(院内の様子)
(治療中のファルハンくん)
ハルシャム・プライマリーヘルスセンター(アルビル)
JCF(日本チェルノブイリ連帯基金)が2016年、日本のODAでアルビル市郊外に開設したプライマリーヘルスセンター(PHC)。ここは過激派組織ISIS(イスラム国)から逃れた国内避難民が数多く暮らしている地区で、PHC内では基本的な医療提供に加え、眼科、耳鼻科、歯科など多機能な医療を提供しています。
一日に約250名もの地元や国内避難民の患者が訪れ、いつも混雑をしている同病院は、感染症対策強化が急務となっています。
必要物資数
マスク 9,000枚
アルコール 60リットル
手袋 12,000組
計:52万円
(PHC内部の様子)
本キャンペーン中も随時、支援先の様子をお届けして参ります。