2016年10月、東京・豊洲にマギーズ東京がオープンしました。それから10年、2026年10月、マギーズ東京は10歳の誕生日を迎えます。
生まれてきたこと、今ここにいること。誕生日はいつもよりそんな喜びを感じる日。この10年間、マギーズ東京にもたくさんの出会いがありました。がんを経験している人、その家族や友人、職場の人、医療者など、多くの方がこの場所を訪れています。
「生まれてきて、ありがとう」
「出会ってくれて、ありがとう」
「そこにいてくれて、ありがとう」
10歳の誕生日に、これまで出会ってくださった皆さまへの感謝を伝えたい。そして、この先もがんと関わるすべての人を迎え続けていきたい。そんな想いから、「マギーズ東京 10th バースデー・ドネーション」を始めます。
皆さまからいただくバースデー・ドネーションは、これからこのドアを開ける誰かへとつないでいきます。
Story
10年前、「こんな場所を日本にも」から始まりました

マギーズ東京の始まりは、まだ今の建物もなかった2014年にさかのぼります。
英国で生まれた「マギーズ キャンサーケアリングセンター」のように、がんを経験している人や、その人を支える家族や友人が、病院とは違う場所で安心して過ごし、気兼ねなく話せる場所を日本にもつくりたい。そんな想いからプロジェクトが始まりました。
当時のクラウドファンディングでは、「患者と支える人の居場所。自分の力を取り戻す、新しい患者相談支援のかたちを日本でも!」と呼びかけました。
まだ存在していない場所をつくるための挑戦に、1,100人の方から22,068,000円のご支援が集まりました。たくさんの方に背中を押していただき、2016年10月、豊洲にマギーズ東京がオープンしました。
あのとき「日本にもあればいいな」と願っていた場所には、今、日々さまざまな人が訪れています。
医療が進歩した今、病院の外で過ごす時間も長くなっています

がん医療は、この10年でも大きく進歩してきました。治療を続けながら仕事や日々の暮らしを送り、がんとともに長く生きる人も増えています。そのなかで、病院を離れて過ごす時間も長くなりました。
がんと告げられ、これからどう暮らしていこう。仕事は続けられるだろうか。家族にどう話そう。治療が終わったのに、どうしてこんなに不安なんだろう。大切な人ががんになったとき、何をしてあげられるだろう。
診察や治療だけでは答えが見つからないことも、暮らしのなかにはたくさんあります。
マギーズ東京は、この10年間、医療の枠組みの外で、医療と日々の暮らしの間にある一人ひとりの戸惑いや不安を受け止めてきました。
がんと関わる、すべての人の居場所

マギーズ東京には、がんを経験している本人だけでなく、その家族や友人、上司や同僚などの職場の人も訪れます。予約は原則必要なく、利用は無料です。
ドアを開けると、大きなキッチンテーブルがあります。お茶を飲んだり、本を読んだり、庭を眺めたりしながら、自分らしいひとときをマギーズで過ごすことができます。
話したくなったときには、友人のような看護師や心理士などの専門スタッフに、病気や治療のことだけでなく、仕事、家族、暮らし、お金、これからをどう過ごしていくかについても話すことができます。何を相談するのかを決めてから来る必要もありません。
病院で治療を受ける時間とは少し違う、ほっとひと息つきながら自分の考えや気持ちを整理できる時間。そんな時間を過ごせる場所として、マギーズ東京は10年間ドアを開けてきました。
10年間で、5万人を超える方がこのドアを開けました

2016年のオープンから10年。マギーズ東京を訪れた方は、5万人を超えました。
けれど、5万人という数字のなかには、一人ひとりの時間があります。
「ただいま」と帰ってこられる場所 ― 北村由紀さん
2020年、乳がんと告げられた北村さん。手術への不安や、これからどう生きていけばいいのかという怖さを抱えながらも、家族や友人には弱いところを見せられず、コロナ禍で孤独を感じていました。
手術の2か月前にマギーズ東京を訪れ、初めて誰にも相談できなかった気持ちを話すことができました。
北村さんにとって、マギーズ東京は、辛いことも嬉しいことも、たわいのないことも話せる場所。
「ただいま」と帰ってこられる、東京の家のような存在になっています。
【北村由紀さんのインタビュー動画】
「居心地がいい。居る心地がいいんです」― 小野勝己さん
テレビ番組でマギーズ東京を知りました。来てもいいし、会話をしなくてもいい。何かを求められることなく、ただそこにいられる場所なんだと思って、治療で病院を訪れたときに立ち寄ってみました。
初めて訪れたときも、名前を書いたり、自分のことを紹介したりする必要はありませんでした。好きな場所に座って、ぼーっと過ごしていると、「何か飲みますか」と声をかけてもらって。病院のことや家族、仕事のことを考えていたと思いますが、帰るときには、なんだかほっとしていました。
その後も通ううちに、自分のことを少しずつ話すようになり、庭で草取りをしたり、居合わせた人と何気ない会話を交わしたりするようになりました。
「居心地がいい。居る心地がいいんです。何もなくても、そこにいればいい」
ここでぼーっと過ごしているうちに、自分の考えが整理されて、「あれをやってみたい」「これをやってみたい」と、前向きな気持ちにもなるんです。
【小野勝己さんのインタビュー動画】
誰かに話を聴いてほしい人も、お茶を飲みながら静かに過ごしたい人も。それぞれの人、それぞれの時間がこの場所に積み重なっています。
「日本にもこんな場所が必要ではないか」
10年前、そんな問いから始まったマギーズ東京。この10年間に多くの方が訪れてくださったことこそ、私たちの問いへの何よりの答えだと教わりました。
10歳を迎え、マギーズ東京は次の10年へ

2026年、マギーズ東京は豊洲から新しい場所へ移ります。
10年間、多くの方を迎えてきた経験を生かし、これまで大切にしてきた「その人らしく過ごせる場所」を、もっと心地よいものにできないか。その想いを、新しい拠点づくりにも生かしていきます。
そして、次の10年に向けて考えているのは、新しい場所のことだけではありません。
医療が進歩すれば、治療のあり方も、がんとともに暮らす時間も変わり、それに伴って病院の外で抱える悩みも変わっていきます。
この10年間、マギーズ東京は、その時々に生まれる悩みやニーズに耳を傾けながら、必要なサポートを考え、柔軟に形を変えてきました。これからも、一人ひとりの声から、そのとき必要とされる支援を考え続けていきます。
一方で、どれだけ時代が変わっても、大切にしていきたいことがあります。
予約をしなくても訪れられること。利用するためのお金を心配しなくていいこと。何を相談するか決まっていなくても、そのままの気持ちでドアを開けられること。
変化するニーズには柔軟に応えながら、大切にしてきたこのあり方は変えない。
がんを経験している本人はもちろん、家族や友人、職場の人など、がんによって影響を受ける人が、必要なときに安心して訪れられる場所であり続けたいと考えています。
この10年間積み重ねてきたマギーズ東京らしい支援を、新しい場所でも、次の10年へとつないでいきます。
利用は無料。皆さまからのご寄付が、この場所を支えています

マギーズ東京では、がんに影響を受けるすべての方に無料でサポートを提供しています。「誰かと話したい」「少し立ち止まりたい」と思ったときに、費用を心配せずに訪れていただきたいからです。
専門スタッフが話を聴く時間も、お茶を飲みながらゆっくり過ごせる環境も、皆さまからのご寄付によって支えられています。
今回いただくご寄付は、専門スタッフによる相談支援、安心して過ごしていただくための環境づくり、プログラムの実施など、移転後もマギーズ東京を無料で利用いただける環境を続けていくために、大切に活用します。
マギーズ東京を訪れた方が、その後、活動を応援してくださることがあります。反対に、これまで応援してくださっていた方が、自分や大切な人のことで訪れることもあります。
人生のなかでは、誰かに支えてもらうときもあれば、誰かを支えるときもあります。だから私たちは、寄付する人と支援を受ける人を分けて考えるのではなく、マギーズ東京を一緒に支える仲間としてつながっていけたらと思っています。
10年前、たくさんの方の力で最初のドアを開くことができました。これからは、そのドアを一緒に開け続けてください。
マギーズ東京の10歳へ、「おめでとう」を贈ってください

誕生日には、「おめでとう」と伝えます。そこには、生まれてきてくれたこと、出会えたこと、今ここにいてくれることへの喜びが込められているのだと思います。
今回のバースデー・ドネーションも、そんな気持ちから始まりました。
10歳を迎えられたことへの「おめでとう」を、次にマギーズ東京を訪れる誰かへ。これまでの10年間への「ありがとう」を、これからの10年へ。
バースデー・ドネーションと一緒に、10歳を迎えたマギーズ東京へのメッセージもお寄せください。皆さまから寄せられる言葉も、マギーズ東京の次の10年を支える大切な力になります。
「生まれてきて、ありがとう」のバトンを、次の10年へ。
マギーズ東京の10歳を、バースデー・ドネーションという形で一緒に祝っていただけませんか。
皆さまからの「おめでとう」が、これからもマギーズ東京のドアを開け続ける力になります。





