
Purpose
精神障害やメンタルヘルスに関する報道・情報発信は、社会の理解を進める力がある一方で、言葉の選び方や描き方しだいで、当事者や家族が傷つき、偏見や誤解が強まってしまうことがあります。私たちは、こうした課題を減らし、正確で人権に基づく発信を広げるために、「メンタル・ウェルビーイング メディアガイドライン」を策定・普及する取り組みを進めています。
この取り組みの核は、「当事者不在」でルールを作らないことです。実際に影響を受ける精神障害当事者の経験や立場を起点に、家族会、専門職、研究者、メディア関係者などと協働して展開しています。2025年に公開したガイドラインでは、報道関係者が実務で参照できるよう Dos(すべきこと)/Don’ts(すべきでないこと) を整理し、国際基準に基づく用語集もあわせて収録しています。
私たちの調査では、事件報道で精神科の通院歴を強調することが偏見や差別を助長しないかと、懸念する声が全体の90%近くにのぼりました。こうした当事者の声を、メディアの関係者とともに理解を広げて、社会の分断ではなく理解と尊重につながる情報発信を増やすことーそれが本事業の目的です。
Past Activities

私たちは、当事者の声と国内外の知見を積み上げながら、段階的に取り組みを進めてきました。
2022年2月:刑事事件報道等をめぐる影響を受け、精神科・心療内科通院者を対象にWEB調査を実施(1都1道2府18県・128件)。
2022年:国外の取り組み(ニュージーランド等)の机上調査を進め、関連資料の翻訳を実施。
2022年12月:厚生労働省記者会で会見を実施し、調査結果と翻訳プロジェクトについて報告。
2023年11月:関係団体・研究者等の参画を得て、任意団体「メディア・ガイドライン策定普及プロジェクト」を正式発足。
2025年9月:環太平洋精神医学会(PRCP)/世界文化精神医学協会(WACP)東京合同大会のシンポジウム「アンチスティグマ」で報告
2025年10月:世界メンタルヘルスデーに「メンタル・ウェルビーイング メディアガイドライン」を公開
<参考記事>
メンタル・ウェルビーイング メディアガイドラインを公開(2025/10/10)
任意団体「メディア・ガイドライン策定普及プロジェクト」の発足(2023/11/08)
(結果報告)大阪北新地ビル火災事件以後の意識調査(2022/03/12)
NZメディアガイドライン文献調査報告資料翻訳(2022/12/15)
Achievements

〇当事者の経験を“見える化”
通院歴強調が偏見を助長しないか、当事者の懸念が90%近くにのぼるなど、報道の影響に関する具体的なデータと声を公表しました。
〇国内外の知見を実務に接続
ニュージーランド等の知見を翻訳・整理し、国内の議論に持ち込みました。
〇多職種・当事者協働の体制づくり
家族会、専門職、研究者、当事者団体などが参画する枠組みを形成し、継続的に議論できる土台を整えました。
〇実務で使える成果物の公開
報道関係者が参照しやすい Dos/Don’ts と、適切な言葉選びを支える用語集を備えたガイドラインを公開しました。
Necessary expenses of the business

本事業は、「ガイドラインを作って終わり」ではなく、当事者参画と多職種協働を土台に、現場で使われ続けるガイドラインへ更新・普及していくための継続的な費用が必要です。寄付は主に次の経費に充てられます。
事業の運営費:会議運営、議事整理
ヒアリング/検証の費用:報道・編集現場へのヒアリング、論点整理、チェック体制の整備
編集・制作費:原稿編集、デザイン、図表作成、ウェブ掲載整備
普及・研修費:勉強会/研修会の開催、オンライン配信環境、アクセシビリティ対応(文字起こし等)
印刷・発送費:冊子化、関係先への配布、周知物作成
事務局運営費:連絡調整、広報、問い合わせ対応、成果のとりまとめ

