Issues we are working on
脳卒中フェスティバルは、脳卒中を経験した当事者とその家族、支援者のみならず、広く社会全体に向けて、脳卒中や障がいに関する理解と支援を促進するためのイベントです。我々が取り組んでいる主な社会課題について、以下に詳述します。
1. 脳卒中後の社会復帰と就労支援
課題: 脳卒中後の社会復帰は、多くの当事者にとって大きな挑戦です。身体的・精神的な障害に加え、高次脳機能障害などが原因で、多くの人が仕事を続けることが困難になります。結果として、復職率は30~40%にとどまり、多くの企業も障がい者雇用の目標を達成できていないのが現状です。
取り組み: 脳卒中フェスティバルでは、キャリアランドという「障がい当事者版キッザニア」を通じて、障がい者雇用を促進するためのプラットフォームを提供していきます。この取り組みにより、脳卒中当事者が実際の職務を体験し、企業とのコミュニケーションを通じて復職の可能性を高めることを目指しています。
2. 社会的孤立の解消とコミュニティ形成
課題: 脳卒中当事者は、病気や障害による身体的・精神的な制約から社会的に孤立しやすく、精神的な健康も脅かされがちです。この孤立は、生活の質を著しく低下させ、再発のリスクも高めます。
取り組み: 脳卒中フェスティバルでは、楽しいイベントや活動を通じて当事者同士の交流を促進し、社会的なつながりを強化しています。これにより、当事者が孤立感を軽減し、前向きな生活を送るための支援を行っています。
3. 障がいに対する社会の理解と受容
課題: 多くの人々は、障がいについての知識や理解が不足しており、偏見や差別が存在します。このような社会の無理解は、障がい当事者が社会参加する上で大きな障壁となります。
取り組み: イベントでは、参加した一般市民が、障がい当事者と楽しい体験を共にした結果、インクルーシブな社会の実現を目指しています。
4. 医療・リハビリテーションの質の向上
課題: 脳卒中のリハビリテーションは長期にわたり、多岐にわたる専門的な支援が必要です。しかし、地域によっては十分なリハビリテーション施設や専門家が不足していることもあります。
取り組み: 脳卒中フェスティバルは、リハビリテーションの最新情報や技術を紹介し、医療・リハビリテーションの質を向上させるためのイベントを開催しています。専門家による講演やワークショップを通じて、当事者やその家族、支援者が適切な支援を受けられるように支援しています。
脳卒中フェスティバルは、脳卒中という枠組みを超えて、障がい当事者が直面する多くの社会課題に取り組んでいます。
社会復帰と就労支援、社会的孤立の解消、障がいに対する理解と受容の促進、そして医療・リハビリテーションの質の向上を目指し、多角的なアプローチで支援活動を展開しています。これにより、障がい当事者がより良い生活を送るための支援を提供し、インクルーシブで支え合う社会の実現に貢献しています。
Why we are tackling this issue
障がいも健常もない、グラデーション社会へ。
代表は、理学療法士の小林純也。
23歳のとき、 ボクシングのトレーニング中に脳卒中を発症しました。
一時は右半身が全く動かなくなり、毎日死にたいと考えていましたが
「またボクシングがやりたい」 という思いから、リハビリに励みました。
ボクサー時代の代表小林
脳卒中患者、理学療法士を目指す
懸命なリハビリの末、右半身の後遺症は残りつつも日常生活に戻ることはできました。
そこまで回復したにも関わらず、「障がい者」というくくりで周囲から見られることへの違和感を強く感じていたところ、
「障がいを強みに変え、かつての自分のような方々を支えたい」と、理学療法士を目指し、見事国家試験に合格。
自身が患う脳卒中患者のリハビリをサポートする立場となりました。
小林出演動画
https://www.tv-tokyo.co.jp/ikiru/movie539.html
「患者も健常者も“楽しい”を分かち合える場を作りたい!」だから活動開始へ
脳卒中患者である理学療法士、という立場だからこそ感じることがありました。
例えば、患者さんからすると医療者のほうが立場が少し上に感じて本音を言えない。
脳卒中を経験したことがない人からすると、脳卒中を患った当事者には何となく声をかけづらい。
そういった状況を見て感じる「心の溝」をなくしたいと常々考えるようになりました。
このように立場が違うところからスタートすると、心の溝はなくなりづらいのではないかと感じていました。
そこで、「楽しい」を先に立てたらどうなるだろうと考えました。
「楽しい」が共通言語のイベントを用意する。
そこに脳卒中当事者、医療者、そして当事者のご家族、健常者も集まって
「楽しかったね、あのイベント」と言い合えるような共通の体験を通じて、
病気や障がいに対する理解や、お互いの立場への理解が深まればいいなと思い、
イベントを企画することになりました。
脳フェスは、すべての人が楽しめる場でありたい
脳フェスのイベントや活動に参加している人のバックグラウンドには、障がいも健常もありません。
やりたいことをやる!
楽しいことを楽しむ!
悩みがあったら支え合う!
みんなで人生の悩みをも共有する場所が脳フェスです。
ぜひ、あなたも一緒にグラデーションな社会を作りませんか?
How donations are used
イベント「脳卒中フェスティバル」、映画「ファーストミッション」、絵本「タグすけ」、理想のバッグ「SIDE MY LIFE」、障がい当事者版キッザニア「キャリアランド」など、さまざまな非営利でDEI&Bな取り組みをする活動費にさせていただきます。
障がい当事者と呼ばれる方には、選択肢と気概を。
健常者と呼ばれる方には、自己効力感と創造性を。
すべての人たちに、可能性を。
そんな取り組みを、応援してくれませんか?