Issues we are working on
がんなどの大きな疾患にかかったとき、「まず誰に相談したらいいのだろう?」と思い悩むことが少なくありません。
また、そこまで大変な事態ではなくても日常において「これは病院にかかった方がいいのだろうか?」とモヤモヤした気持ちを抱えながら過ごしている方も多いのです。
その背景には、病気や加齢、また社会課題による孤立・孤独が広く関与しています。
当法人は、がんなどの重大な疾病に罹患した患者とその家族を中心とする多くの一般市民に対して、それら疾病などによる精神的・社会的・実存的苦痛への支援、知識の普及啓発及び広報並びに地域医療・福祉に関する調査研究を行うことによって、地域社会の保健・医療又は福祉の増進と、公衆衛生の向上、孤立や孤独の解決、地域包括ケアの推進に寄与することを目的として、「暮らしの保健室」および「社会的処方研究所」を中心とした活動を行います。
Why we are tackling this issue
川崎市中原区は2016年、人口25万人を突破しました。
年齢層としては、比較的若い人口が多いものの、老年人口の絶対数、そして単身独居世帯も確実に増加を続けています。しかも、人口が増え続けている背景には、中原区中心部のタワーマンションの林立による新住民の増加が寄与しており、このエリアのコミュニティの希薄化も問題となっています。
このような状況において、向こう10年間で地域医療上問題となるモデルケースは、「高齢独居で近所に身寄りがなく、子息は遠方、友人関係も希薄」という例や「40代夫婦で共働き、子どもが成人していない状況で、親が病気になる」、いわゆる「ダブルケア」の問題などであると考えられます。
しかし、治療そのものは病院で受けられるにせよ、患者さん本人そして本人を支える役割を背負わされる家族を「生活の面から支える」システムは現在の日本においては乏しいと言わざるを得ません。がんや認知症など、生命や生活に大きな影響を与える疾患に罹患した場合、本人および家族が受ける精神的・社会的負担は非常に大きく、つながりが失われ孤立化する例が多いにもかかわらずです。社会的なつながりが失われることは死亡リスクの増加に寄与するという研究も報告されています。
こういった状況の中、医療者と「枠を超えてゆるくつながる」ことができる場があること、つまりそこで市民一人ひとりが地域とのつながりを取り戻していくことを支援できる、「町の中の保健室」的な場所があることが必要ではないかと考えて活動をしています。
How donations are used
頂いた寄付金は、暮らしの保健室および社会的処方研究所の運営および研究目的に活用させていただきます。