Issues we are working on
◉当団体の課題は、小児悪性脳腫瘍「DIPG」の治療研究推進のための資金を集めることです。
また、毎年、50名前後のお子様がこの病気で亡くなり、多くの家族が悲しみの中にいることが分かっています。
それらのご家族へのグリーフ(悲嘆)ケアという課題も並行して進めて行きたいと考えています。
◉2024年9月追記 当プロジェクトの課題に追加致します。
2024年9月より、当募金の運営代表者 貫井は、2025年に設立を予定しております新法人団体「THE CURE STARTS NOW JAPAN」の設立運営資金への募金を行っており、当募金はその目的に優先的に使用されます。
新団体「THE CURE STARTS NOW JAPAN」は、海外支援団体との協力関係のもと、「かれんプロジェクト」のビジョンと共通目標である日本のDIPG治療研究を本格的に進めて行くものです。
詳しくは、こちらをご覧ください。https://soffy-nt.wixsite.com/karen-project/複製-一人っ子を亡くすとは
Why we are tackling this issue
こんにちは。貫井(ヌクイ)と申します。私は12年前、当時6歳の一人娘「かれん」を悪性小児脳腫瘍「小児脳幹部グリオーマ」(英文略称DIPG)で亡くしました。
この病気は、脳の中枢にある脳幹部の内部に悪性腫瘍(がん)が発生する病気で、病名の告知と同時に約1年の余命を宣告されるという小児がんの中でも最も厳しい疾患の一つです。
生命活動を維持するためのあらゆる神経がびっしりと通っている脳幹内部の腫瘍を、神経を傷つけずに外科的に摘出するのは、どんな神の手の脳外科医でも不可能です。また、あらゆる抗がん剤が効きません。唯一の治療は放射線治療で、一時的に腫瘍の縮小と、症状の緩和期が訪れますが、約半年以内に再び腫瘍が増大し、その後は、医学的に確立された治療法はありません。
頭痛、嘔吐に始まり、顔面麻痺による容貌の変化、身体の麻痺により歩行が奪われ、最終的には呼吸中枢や血圧維持の能力が失われ、死に至ります。
私は、娘の死の直後からこのDIPGの患者家族の情報交換ネットコミュニティー「小児脳幹部グリオーマの会」を運営しております。インターネットの黎明期、掲示板を一つ設置しただけのホームページでしたが、一般的にマイナーな病気であるにも関わらず、多くの皆様に訪れていただきました。毎月のようなに届くご家族の悲痛な声、お子様たちの悲報が次々と届きました。それは、この国でおそらくはじめて、DIPGという病気の残酷さが可視化された瞬間でした。
それから約12年が経過しましたが、この状況は、驚くべきことに、現在に至るまで、全くと言っていいほど、ただの1mmも変わっていないのです!!
おそらく、この間に亡くなった当会員の子どもたちは500名を超えると予想されます。しかし、このまま、また10年経過してしまうのは何としても避けなければなりません。
しかし、がんの治療研究には天文学的な資金が必要です。最終的には国が動かないと問題は解決しません。それには、広く国民の皆様に向け、小児がん、ひいてはDIPGの現状を知っていただく啓発・啓蒙活動が必要です。
「小児脳幹部グリオーマの会」が患者家族への情報提供を第一の目的とするなら、「かれんプロジェクト」は皆様からの募金をいただき、治療研究のために貯金して行くと共に、広く一般の国民の皆様への啓発・啓蒙活動に特化した活動を行いたいと思います。
その活動を、一般の協力者の皆様とともに、主にお子様を小児がんで喪ったご家族を中心として行いたいと考えており、その活動がメンバーにとってのグリーフケアにつながって行くことができればと考えています。
How donations are used
「かれんプロジェクト」の目標は「DIPG打倒」です。
◉2024年9月追記 当プロジェクトの課題に追加致します。
2024年9月より、当募金の運営代表者 貫井は、2025年に設立予定の新法人団体「THE CURE STARTS NOW JAPAN」の設立運営資金への協力を広く募っており、当募金はその目的に優先的に使用されます。
新法人団体「THE CURE STARTS NOW JAPAN」は、海外支援団体との協力関係のもと、「かれんプロジェクト」のビジョンと共通の目標である日本のDIPG治療研究を本格的に進めて行くものです。
詳しくは、こちらをご覧ください。https://soffy-nt.wixsite.com/karen-project/複製-一人っ子を亡くすとは
がんの治療研究開発には莫大な資金を必要とします。製薬企業の決断や、最終的には国の支援が必要です。
がんの治療研究の基金として、一番しっかりしたものを構築しているのが「白血病治療研究基金」です。それでも年間1000万円を集めるのが限度のようです。一つの新規治療の臨床試験に10億円からの予算がかかる事を考えると、とても足りません。この「かれん募金」も莫大な額が集まることは予想しにくいです。なのでその意味は、がんの治療研究において、DIPGという存在を意識してもらうための支援、援護射撃という事になるかと思います。よって、研究に対して総花的に少額ずつ配布するのではなく、どこかに集中投下し、大切な寄付金を最大限に生かすことが必要になります。
そうは言っても、現時点での支援先の見極めは困難を極めます。なぜなら、米国の例を見てみますと、海外製薬企業の資金と患者会の組織化された集金能力による莫大な資金力をバックに、DIPGに関しても多くの治療研究がされてきましたが、現在まで形になったものはただの1つもありません(2023年9月現在) 。
日本国内でも、近年、様々な独自のがんの治療法の開発が始まっていますので、かなり期待できる状況ではありますが、冷静にみて、その研究が将来的にDIPG治療にもつながっていくと仮定しても、…DIPGは、がんの中でも最強最悪ですから… おそらくそれは、他のがんもあらかた克服された後、つまり研究の最終段階となって、やっとDIPGの治療法にも到達していく…という事も予想されます。
一つの治療薬の開発には10年かかり、治験を経て製品化される確率は実に3万分の1という究極的な狭き門です。これまでも、これは効くのではないかと期待された国内外の治療法が、結局のところいつの間にか最終的な治験の結果を出せずに消えていく…という事を繰り返しています。それほどDIPGの治療の確立は容易ではないのです。
5年、10年のスパンで治療開発を見ていかないと、正しく見定められない側面もあるのも事実です。
そこで、当募金は、いただいた寄付金は、毎年その都度、どこかの研究機関に寄付するのではなく、2023年の寄付開始より今後の動きを見定め、5年以内を目処に初回の支援先を決めます。また5年を経過しても、目ぼしい支援先が見当たらない状況の場合、また集まった寄付総額が30万円以下の場合、その限りではなく、さらにその先へと伸びるかもしれません。支援先、支援時期の決定には専門家のご助言や支援者様の声を参考にさせていただきます。
以上は、私個人の予想に基づいており、「その日」はもっと早く訪れる可能性も、もちろん否定できません。画期的な薬が突如発表されるかもしれません。その場合は、専門家、支援者様ともご相談の上、その状況に対応した寄付金の使い道を考えたいと思います。
2024年9月追記
本募金は、DIPG治療研究推進という共通目的を持った新団体「THE CURE STARTS NOW JAPAN」の設立運営費として使用するのを優先させていただきます。(2025年設立予定)
また、団体設立後の研究資金の支援先、および支援の時期については、提携関係を持つ米国団体との協議の上、決定致します。
また、一方で、2023年9月現在行われている低悪性度グリオーマに見られる遺伝子変異BRAF V600変異に対する治療薬ダブラフェニブの治験のように、すでに海外で実用化されているにも関わらず、日本導入が遅れ、患者に負担がかかる「患者申出療養」の様な形での治験が行われるような場合、患者の負担を少しでも軽くするような支援も考えられると思っています。また、臨床試験は実施施設が限られる可能性も高いので、遠方への臨床試験参加にかかる費用に対して支援するといった患者家族の経済的な面への支援も検討していければと思います。
現時点から見えてくること
◉DIPG研究への一歩であるレジストリデータの構築
JCCG 日本小児がん研究グループが、現在進めようとしている日本におけるDIPG治療の実態を調査、研究してまとめるレジストリデータの構築という作業は、今後のDIPG治療研究に不可欠なものとなります。
年間50名程の希少疾患であり、生命予後1年足らずの疾患であるDIPGは、治療薬の承認に必要である治験のフェーズ3のランダム化比較試験、すなわち、治験参加者を新規治療群と標準治療群に分けてその安全性と効果を比較するという試験を、人数的にも人道的にも行いにくい疾患です。海外輸入の薬品なら海外のデータを元に判断しての承認の可能性もありますが、国内研究の場合、フェーズ3の治験は避けて通れません。そこで、近年の日本人のDIPG患者の治療の実態を詳細に分析してまとめてデータ化したものと治験の結果を比較することで、新規治療の効果を見定める…といった事を可能にするのがこの調査研究です。JCCGでは国のがん治療研究の戦略機関であるAMEDにこの研究費用の申請をしていますが、もし通らなくても進める計画の様です。その場合、私たち「かれん募金」も、まずここに支援していくことが必要ではないかと考えています。
(※2024年9月追記 : JCCGのレジストリデータ研究は、資金的には国からの支援獲得などで目処がついたようですので、当募金の使用先候補より一旦除外致します)
◉現時点で予想できるDIPGの臨床研究(5年〜10年)
・2024年に予定されているとされるOP-10のフェーズ3の治験実施
大原薬品工業による迅速なOP-10の導入は、現代の奇跡と言ってもいいかもしれません。DIPGに特化した初めての薬剤として、1年程度の生存期間延長が見込めるこの薬は、ほぼタイムラグなく、日本でもフェーズ2までの治験が行われました。現在、米国で実施されているフェーズ3の結果によって、順調に行けば、日本でもフェーズ3が実施される見込みです。その後、国が素直にこの薬を承認してもらいたいところですが、上のダブラフェニブのケースの様なこともあり得るのが、この国の医薬行政の怖いところです。その場合、前述したように、この募金を使うことも必要になるかもしれません。
(※2024年9月追記 : 現時点でOP-10のフェーズ3の国際共同治験は、他国と同様の「DIPG除外」という条件で実施計画が進められています。よって、「人道的拡大治験」等の救済措置を国がとらない場合、2026年の米国での正式承認を待って、やっと使用可能となります)
・初期治療でのOP-10の放射線併用試験
単独使用では、この薬はまだ弱いかもしれません。放射線併用が望ましく思います。もし、順調に承認された場合、5年以内にはこの医師主導治験が来るのではないか? (2026年頃) と思います。
・ホウ素中性子補足療法
国内で開発された治療技術で最も期待が高いでものです。現時点で成人のテント上(脳の上部)への治験が行われていますが、小児脳腫瘍への治験の実施と承認がされ、また、テント下への治療が上手くいくと、最終的な段階となるとは思いますが、脳幹部への治療もあり得るのではと予想します。
・日本独自のCAR-T療法
DIPG治療研究としては、かなり期待できる中間報告がされたスタンフォード大学のGD2 CAR-T療法の技術が、共同治験の声がかかればともかく、現状では、そのまま日本に導入されるとは考えにくいらしく、将来的には、信州大学などが研究を行っている日本独自のものが来る可能性があります。しかし、まだ基礎的研究段階のようです。
・光線療法
あまり聞きませんが、すでに成人に承認されています。ホームページによると、東京女子医大では小児脳腫瘍への使用も検討されているようです。しかし脳幹への使用はまだ踏み切る段階ではないようです。
以上の予想は、研究者へのメールでの質問等で得られた情報を元にしておりますが、現時点では、どれも何とも判断がつきにくいというのが現実です。基本的に今後どれが来ても良いように…5年後、10年後に、あの時から少しずつ貯金していれば今頃は…ということを見据えての募金のお願いとなります。また、もう少し状況が早く進み、上記の様な治験が実施される時は、柔軟に対応することを検討します。
以上をまとめますと、
◎臨床試験参加による患者家族への経済的負担への支援
◎今後の新規治療研究の内容を見定めての支援
(※2024年9月追記 : 2025年設立予定の日本のDIPG治療研究を進める新法人団体「THE CURE STARTS NOW JAPAN」設立以降は、提携する米国支援団体との協議のもと、支援先を決定していきます)
以上を目標としたいと思います。
また、寄付金総額をさらに伸ばすため、寄付総額より毎年2割を、啓発・啓蒙活動を伴う募金イベント等の活動に当てる事をご了承ください。
なお、支援者様へはご支援いたたいた年度の収支報告を年一回行います。任意団体が運営する募金となっておりますので、寄付金控除は受けられません。また、お一人年間100万円までのご支援となっている事をご了承ください。
以上、この様な主旨をご理解いただける方、そして、
「子どもたちの生命をいとも簡単に家族のもとから奪って行く最低最悪のがんであるDIPGを必ず打倒する!!」
という目的に、ご賛同いただける方は、ご協力をどうぞよろしくお願い致します。
近い将来、DIPGによる悲劇が二度と起きない世界を、娘かれんに報告できる日が来る事を信じて…