Issues we are working on
「がんばっても、どうせダメだし」
「未来に希望なんて、1ミリもない」
そんな風に、自分の未来をあきらめてしまう子どもがいます。
虐待やネグレクト、経済的困窮など、様々な事情で家族と離れ、社会的養護のもとで暮らす子どもたちがいます。その数は全国で約4.5万人、そのうち半数以上が児童養護施設で生活しています。
保護された子どもたちの多くが、
・心身に傷を負い、自分の存在を否定的に見る傾向
・生活習慣や学習習慣を身に付ける機会の不足
・親を頼ることができず、経済的に自立することが困難
など、未来に希望をもつことが難しい状況にあります。
また、彼ら彼女らは、多くの場合、高校卒業と同時に施設を出ます。大学や専門学校に進学するには、生活費に加えて、学費を自力で工面しなければなりません。「保証人は?親は?」と言われ、アパートや携帯電話の契約を断られることさえあります。
そんな現実を目の当たりにしながら、施設で育った子どもたちは、18歳の春に、自立して生きていくことが求められるのです。
未来に希望をもてないのは、子どもたちの自己責任でしょうか?
“生まれてきた環境によって、自分の未来まであきらめなければならない”。わたしたちが暮らしているのは、そんな“冷たい社会”ではないはずです。
Why we are tackling this issue
すべての子どもたちに「安心できる居場所」と「生きる力」を
児童養護施設の職員の方々は、保護された子どもたちと毎日の生活を送りながら、一人ひとりの心に寄り添い、心理的な回復や自立に向けた支援を行っています。職員の方々との温かい日々の中で、子どもたちは安心できる居場所を見つけていきます。
そして、子どもたちの成長には、“信頼できる大人”との関わりがとても大切です。学校や施設の中だけではなく、子どもたちは、様々な大人たちの姿を見て社会を学びます。やりがいや楽しみをもって働き、愛情をもって接してくれる大人たちとの関わりを通じて、子どもたちは未来に希望をもつことができ、社会で生きていくために必要な力を学んでいくことができるのです。
18歳の春に、子どもたちが希望と自信をもって社会に出ていくことができるように。
わたしたちHUG for ALLは、児童養護施設の職員の方々、そして多様な“信頼できる大人たち”と力を合わせて、子どもたちが「安心できる居場所」を見つけ、「生きる力」を身につけることができるように、力を尽くしていきたいと考えています。
How donations are used
一人ひとりの心に寄り添い、一人ひとりの「好き」を伸ばす
HUG for ALLでは、児童養護施設で暮らす子どもたちに対して、社会人ボランティアによる「生きる力」を育むための体験プログラムの提供を行っています。わたしたちの考える「生きる力」は、①学ぶ力、②わくわくする力、③自分らしさ、の3つの要素で構成されています。
この3要素を盛り込んだ対話・体験型のプログラムを通じて、子どもたち一人ひとりの状況や気持ち、学びに向かう意欲の状況や、それぞれの興味関心に寄り添いながら、その子らしい成長を継続的に見守っていきます。
幼児~小学生には「まなびクエスト」と「あそびクエスト」、高校生~退所後25歳くらいまでは「はたちクエスト」というプログラムを提供し、担当のボランティアメンバーが子どもたちに寄り添い続けて、成長を見守りながら、共に未来を描き、社会に迎え入れていきます。
まずは現在活動している施設で、このモデルをつくり、子どもたちに寄り添い続けていくこと。そして、このモデルを汎用化して、全国に600ある児童養護施設を始め、さまざまな子ども支援機関と連携して、孤独や孤立に苦しむ子どもたちをなくしていくこと。いただいたご寄付は、この活動の運営資金として、大切に使わせていただきます。