Issues we are working on
NPO法人コモンビートは、「個性が響きあう社会へ」というスローガンを掲げ、表現活動によるダイバーシティ&インクルージョンの推進を通して、多様な価値観を認め合える社会を実現し、地球とひとりひとりのより良い状態(ウェルビーイング)を目指して活動するNPO法人です。
さまざまなバリアによってそもそも文化芸術にアクセスできない・しづらい人がいるということに気づく。〜Musical For All 立ち上げの背景〜
私たちは20年間で、約23万人に「異文化理解の大切さ」を伝える、ミュージカル「A COMMON BEAT」を届けてきました。ですが、コロナ禍でミュージカル公演が休止に追い込まれ、改めてどのように私たちのビジョンを実現していくのかを考える中で、コロナ禍問わず、さまざまなバリアによってそもそも文化芸術にアクセスできない・しづらい人がいるということに気づきました。市民活動としてのミュージカルだからこそ、そしてダイバーシティ&インクルージョンを掲げているからこそ、私たちのミュージカルを分け隔てなく誰もが鑑賞できるものにしていきたいと強く感じました。これまでの公演では、多様な方々をウェルカムする準備や用意ができていなかったので、そのギャップを埋めるために、取り組み始めたのが「Musical For All ーあらゆるひとに参加と鑑賞の機会をー」になります。
文化芸術に触れることでウェルビーイングになる
ミュージカルなどの文化芸術に触れることはウェルビーイング(Well-being)に繋がります。文化庁の「(参考)文化に関する世論調査‐ウェルビーイングと文化芸術活動の関連‐報告書」の総合考察においても「現在の日本社会においては、どのような人たちにおいても、文化芸術は感情を動かし、人生の意義を感じる上で、広く重要視されるものであり、多くの人の生活の中に取り入れられるべきものではないかと考えられる。」と記載されています。私たちのミュージカルをより多様な人に届けていくことは、私たちのビジョン実現につながっていく新たな道筋です。
日本における幸福学研究の第一人者である慶應大学の前野隆司教授からも「コモンビートの幸せなミュージカル」としてご紹介いただいています。
このように文化芸術に触れることで、ウェルビーイングになっていくことが社会でも重要視されてきている中で、未来を担う子どもたちが文化芸術に触れる体験をすることはとても大切です。だからこそ、もっとミュージカル「A COMMON BEAT」を多くの子どもたちに鑑賞してもらい、心が踊る体験をしてほしいと考えています。ですが、子どもたちは自分たちだけではなかなかこうした文化芸術鑑賞をすることができません。そして子どもたちが観にいきたいと言って家族で観劇するとなれば費用が高額になり敬遠してしまいます。だからこそ、このマンスリーファンディングで資金を集め、子どもたちとそのご家族への鑑賞機会を届けられればと思います。
Why we are tackling this issue
この社会で生きていくことへのワクワクを感じてもらいたい!〜ミュージカル「A COMMON BEAT」を子どもたちに観てもらうことの意味〜
ミュージカル「A COMMON BEAT 〜感じて欲しい 共通の鼓動〜」は日本全国で20年間にわたり上演され、観客動員数23万人を誇る日本最大級の市民ミュージカルで、「異文化理解の大切さ」と「平和への願い」を届けるエンターテイメントショーになります。
作品のテーマがダイバーシティ&インクルージョンそのものであり、鑑賞することで「違い」や「多様性」について考える機会になります。違いは恐れるものなのか、それとも歓迎するものなのか。ミュージカル「A COMMON BEAT」を鑑賞することで、頭で考えるだけではなく、心で感じ取ってもらえればと思います。とてもシンプルなストーリーなので、子どもたちにも十分にメッセージが伝わります。
また、このミュージカルは市民100人が舞台に上がって演じていることも大きな特徴です。18歳以上の大人たちが「やりたい気持ち」で集まります。自分の親や学校の先生のような「普通の大人」たちが、大舞台でイキイキと自分を表現する姿を観ることで、作品のメッセージだけでなく、子どもたちにとっての「大人になること」へのイメージをポジティブに感じてもらうきっかけにし、この社会で生きていくことへのワクワクにつながればと思います。
<公演を観ての感想アンケート>
【保護者】
- 小学生の娘二人と来ました。皆同じじゃない、個性を認め合える社会、子供たちが何かを感じ取ってくれたかと思います。(40代・女性・パート)
- ストーリーが子供にも理解できると思います。4つの国の思うことも分かりやすく、一緒に楽しみたいと感じる今の世界をステージ上で表していると思います。(40代・女性・会社員)
- 今、学校などでは出る釘は打たれ抜かれてしまうことも多い世の中、個人個性を大切にしようと語りかけられている気がしました。二人の子育てまっただ中の私ですが、枠の中に押し込めずそれぞれの長所を大切に伸ばしてあげられるように、ときどきこのミュージカルを思い出したいと思います。(50代・女性・主婦)
- 戦争しているシーン。子供も印象に残ったそうです。戦争を知らないこの子たちが感じるその意味は言葉では伝えがたいからです!とても考えさせられた。(30代・女性・会社員)
【子ども】
- みんながとても表情豊かで場面によってころころと表情がかわり、みんながみんな主人公というかんじがした。公演してる人と見てる人の一体感があってすごくたのしかったです。(10代・女性・中学生)
- かんどうしました。とくに、みんなが友だちになるところやたたかい合っているところがかんどうしました。みんな元気でわたしも元気になりました。(10代・女性・小学生)
- 僕はこの公演を観て「違いを認める」ということの難しさを感じました。自分なりに考えて、それを他の人達と深めあうことで、違いを認めることができるのかなと思いました。(10代・男性・中学生)
- この公演を見て、どんな人でも、分かち合えば、みーんななかよくなれる!と思い「ユウキ」をもらいました!(10代・女性・中学生)
- 中学校では、ささいなことでいじめになりました。それに気づかないふりをしている自分がすごく恥ずかしくなりました。自分から何事にも歩み寄っていこうと思いました。(10代・女性・高校生)
- 平和がせんそうになったシーンもあったけど、また平和になったシーンがとても感動しました(10代・男性・小学生以下)
- とても大きなこえで赤やみどりや青やきいろできれいでした。さいごみんなでなかよくしていいとおもいました。(10歳未満・小学生)
鑑賞した子どもたちが、舞台にあがる日を夢見て
マンスリーファンディングを中心に、様々なルートで寄付を受け付けて、未来を担うあらゆる子どもたちにミュージカル「A COMMON BEAT」を届けていきます。そうすることで、「大人になったらこの舞台にあがりたい!」と思う子どもたちが現れ、ゆっくりゆっくりと鑑賞から参加につながる循環がはじまります。様々なバックグラウンドを持つ子どもたちが、将来キャストになることで、多様性の幅が広がっていきます。
子どもたちがミュージカル「A COMMON BEAT」を鑑賞し、参加するまでには時間がかかります(ミュージカル参加は18歳以上のため)。ですが、これまでにも、子どもの頃に招待でコモンビートのミュージカルを鑑賞したことが記憶に残り、18歳になってからキャスト参加する例も生まれています。鑑賞するだけではなく、舞台に立つことができる市民ミュージカルならではの醍醐味です。
<実際に招待で公演を鑑賞してキャスト参加に繋がった声>
▼中下 晴菜 さん
私がコモンビートを初めて知ったのは小学2年生の頃でした。父の知人が赤大陸の歌ソロ役で、ピンマイクやスポットライトに強く憧れを持ったのを覚えています。
大学生になる頃にはコモンビートのことはすっかり忘れていました。そんな中、習い事の先輩がコモンビートに出るという話を聞き、昔見たミュージカルだと思い出しました。偶然にも先輩が演じるのは、あの時私が憧れた赤大陸の歌ソロ。すぐにビビっときました。自分が出れるタイミングですぐに参加を決め、実際にキャストとして参加し、ミュージカルの内容だけでなくプログラムの内容に魅力を感じました。
正解ばかり求められ窮屈になりつつある世の中で、いろんな生き方や考え方をしている人と出会うことができたコモンビート。「私は私でいいんだ」と思える空間があるってこんなにも心が豊かになるんだという気づきもあり、たくさんの人にこういったプログラムに参加して欲しいと思うとともに、自分自身もまだまだ関わってみたいです。
▼中下 敦貴さん
初めて見に行ったとき父と姉が一緒でした。当時は小学校低学年で舞台のこともよく分かっていない状態でした。初めて見た舞台はエネルギッシュで子どもながら凄いと思いました。
それから十年後、まさか自分が出るなんて思いもしませんでした。
姉弟での出演、この機会を逃してしまったら後悔すると思い、参加し終わった今では参加して良かったと思っています。練習を重ねる毎に熱が上がり、最初は覚えるのに必死だった振りつけも、終わりが近づくにつれ、「あの時に受けた感動を届けられるように」と全力で取り組んでいました。
迎えた公演本番では舞台に立つ仲間が本当に輝いて見えて、その中に自分も含まれていて、舞台からの景色がこんなに輝かしいものなんだと知りました。この100日間で人と関わることの大切さ、全力で取り組む姿勢が素敵なものだということを学びました。
参加する前よりも前向きになれた気がします。この感動を少しでも多くの人に知ってもらいたいです。
▼榊 澪月 さん
私は中学2年生の頃、当時所属していた演劇部の顧問の先生に連れられて、コモンビートの27期九州公演を観劇しました。それまで、親や学校の先生という「大人」しか見たことがなかった私にとって、100人の大人たちがたった100日間で、これだけの迫力ある素晴らしいミュージカルを作り上げていたこと、何より全ての大人たちが舞台上でキラキラ輝いていたことに非常に衝撃を受け、「将来絶対これに出る!」と心に決めました。
それから9年間、中学、高校、専門学校と目まぐるしい学生時代を過ごしていく中で、時折コモンビートへの夢を忘れることもありました。しかし昨年、ふとコモンビートのことを思い出し、すぐにHPを調べたところ、丁度57期東京のキャスト募集が行われていたため、今回参加しました。
それからの100日間は、全ての時間が有意義で、大人になっても感情を露わにして何かに打ち込めることが本当に楽しかったです。たくさんの仲間たちと出会い、多様な価値観に触れ、その中で自身の価値観を発信することで、考え方の引き出しを増やすことが出来ました。あの頃夢見た自分に、「人生を大きく変えるいい経験になったよ」と伝えたいです。
子どもたちの感性はとても自由で、豊かです。だからこそ、もっともっとこのような文化的芸術に触れる機会を与える必要があると思っています。私が過去、コモンビートで夢や希望を貰ったように、今を生きる子どもたちにも、同じものを掴んでほしいです。このマンスリーファンディングで、今後の人生を生きる上で、何かのきっかけを掴む子どもが一人でも増えることを願っています。
How donations are used
このマンスリーファンディングで集められた寄付金は「子どもとそのご家族の招待費用」に充てられます。2023年に実施した立ち上げキャンペーン、そして2024年に行った新規募集キャンペーンにより合計200名のサポーターが集まりました。今後はその数を増やしていくことでさらなる招待を目指して、呼びかけをしていきます。
今までも長年にわたり「子ども招待活動」を実施してきました。これまでは招待にかかる費用は持ち出しで、実施する/しないに関しても各公演によって検討していました。このマンスリーサポーター制度を開始し、サポーターが多くなればなるほど、基盤を整えて、今まで以上に力をかけて、未来を担う子どもたちを招待することができるようになります。
あらゆる子どもたちをミュージカル公演に招待し、文化芸術に触れる機会を届けるために応援よろしくお願いいたします!
※ご登録いただいた方にはお礼メール(登録時)と年次活動報告書(毎年3月)をお返しします。
※単発のご寄付、バースデードネーションなどのキャンペーンでいただいたご寄付も全て「子どもとそのご家族の招待費用」に充てさせていただきます。
今まで以上に対象を広げていきたい
また、今までも17歳以下の青少年(小学生〜高校生)を招待してきましたが、舞台芸術における「見る・聞く・移動する」の3大バリアに対して、観劇サポート(字幕・音声ガイドなど)を整えることができたので、さらに聴覚や視覚に障がいのある子どもたちに招待対象を広げていきます。そして、今後も対象を広げ、不登校・中退・経済的困難など、さまざまな境遇にある10代の若者たちや、外国にルーツのある子どもたちや留学生、ひとり親家庭の子どもたちなども招待していこうと考えています。あらゆる子どもたちに届けられるように広げていきます。