Issues we are working on
みなさんは「現代サーカス」ってご存知ですか?
海外では演劇やダンスとならび、パフォーミングアーツのスタイルとしてポピュラーになってきていますが、日本ではまだ聞き馴染みのない方も多いかもしれません。
「サーカス」と聞いてすぐ想像されるような大きなテント、象やライオンなどの動物たち、赤い鼻のクラウンなどの伝統的なスタイルにとらわれず、自由に創造・表現をする「新しいサーカス(ヌーヴォ・シルク)」として1970年頃にフランスでうまれました。今では、「サーカス」どころかあらゆるジャンル・常識の枠組みにとらわれることなく、自由な発想をうけいれる受け皿として「現代サーカス」は進化を続けています。
日本でも現代サーカスが発展すれば、舞台芸術界はきっともっと面白くなる!
そう思うのですが、、、しかし、課題は山積みです。
CouCouではたくさんある課題のうち、次の2つに重点をおいて活動をしています。
課題①「お金がない。場所がない。」を、創作を諦める理由にさせない
サーカスの創作を行うためには、多くの場合、広い場所、高い天井、特殊な器具が必要です。そもそも日本では専門の施設が少ないうえに、いざ条件のあう場所を借りるとなると1日あたり万単位でお金がかかります。
トレーニングや稽古をしないと作品は創れない。でも、トレーニングや稽古をするためのお金や場所がない。だから創作を諦める。
その悪循環に「待った!」をかけるため、CouCouはサーカスアーティストが気軽につかえる専用スタジオをつくりました。
課題②「知識・経験不足によるリスク」を回避する
日本にも、パフォーマンススキルの高いアーティストは多くいます。しかし、テクニカルな知識や舞台公演の経験が乏しいために、事故や怪我のリスクを抱えたまま創作を行っていたり、公演の打ち方が分からずに足踏みをしているアーティストも少なくありません。
CouCouでは、経験豊富なアーティストやプロのテクニカルスタッフと若いアーティストを繋ぐことも、目的のひとつとしています。情報交換の機会を設け、一緒にトレーニングや創作ができる「場」をつくることで、リスクを回避し、安全に表現の幅を広げられる環境づくりを目指しています。
また、CouCouでは定期的に『ショーケース』 を開催しています。アーティストが観客の前でパフォーマンスをする経験を積むことができ、同時に、観客にもそれぞれのアーティストの取り組みを知ってもらう機会になっています。
Why we are tackling this issue
今の日本では、サーカスのための十分な教育機関もアーティストをサポートする体制もなく、創作を継続できるアーティストはほんの一握りです。
サーカスに限らず、パフォーミングアーツの創作にはお金と時間がかかるものですが、ダンスや演劇などと比べ、サーカスは身体的・技術的なリスクが高く、より専門的な知識や道具が必要となることから創作のハードルがぐっとあがります。
「ないないばかり言っていないで、今ある環境でできることをやりなさい」と思う方もいらっしゃるかも知れません。しかし、それではパフォーミングアーツの世界は貧しくなるばかり。「こんな作品をつくりたい。」という意欲のあるアーティストが、「創作に適した場所がない」「場所を借りるお金がない」ことを理由に創作を諦める姿をみてきました。
また、経験・情報の不足やスキルを持ったスタッフとのコネクションがないために、実現の方法が分からない、という状況もしばしばあります。
現状へのブレイクスルーとして必要なのは、サーカスの創作が可能な物理的な「場所」。そして、人材や情報に出会える「場」、経験を積むための実験の「場」、“観る人”に存在を知ってもらう「場」であると考えました。それにより誕生したのが、このCircus Laboratory CouCouです。
今、CouCouで出来ることには限りがありますが、地道な活動の先にパフォーミングアーツの発展があることを願っています。
How donations are used
2019年から現在まで、スタジオの家賃ほか経費の7割を設立者が個人で負担してきました。そのほかに、CouCouを利用している会員(アーティスト)からの会費や、これまで応援してくださってきた応援団の皆さんからの寄付などを運営資金としてきました。
3年間なんとか続けてまいりましたが、これからも活動を継続するにあたり、より多くの方のサポートの必要性を感じております。
皆様からいただいた寄付金は、拠点となるスタジオの家賃や光熱費、より安全に活動するための器具や資料の購入などに活用させていただきます。
「アーティストを応援したい」「面白いサーカス作品が観たい」 「この分野の将来性に期待」など、それぞれの想いを持ってこの活動を応援してくださる方がいらしたら、ぜひサポートいただけますと幸いです。