Issues we are working on
Omoshiroでは、精神保健福祉士が出会った精神疾患を抱えるお母さん・お父さん、そこで一緒に暮らすヤングケアラーのこどもたちへ、生活・学習・居住等に関するサポート活動を行っています。
「サポートを必要とする親子へ。”親子をまるっと”伴走できる支援がしたい」
そんな想いから生まれた法人です。
精神保健福祉士とは?
心に病を抱えた人がスムーズに生活を営めるように、相談を受けたり、生活支援、助言、訓練、社会参加・復帰の手助け、環境調整などを行うなど、精神保健福祉に関する支援を行う国家資格を持つ専門家のことをいいます。
日本では別名「PSW(Psyciatric Social Worker = 直訳すると『精神科ソーシャルワーカー』)」と呼ばれていましたが、広く国民の精神的健康に寄与するためとして、2021年4月から「MHSW(Mental Health Social Worker)」に英訳が変更されました。
ヤングケアラーとは?
・法令上の定義はありませんが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされています。(厚生労働省ホームページより抜粋)
・一般に家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どもをいいます。(厚生労働省ホームページ掲載・一般社団法人日本ケアラー連盟の資料より一部抜粋)
厚生労働省ホームページ:https://www.mhlw.go.jp/stf/young-carer.html
一般社団法人日本ケアラー連盟:https://carersjapan.jimdofree.com/
親子まるっと伴走支援
Omoshiroの特色である、親子をまるっと伴走支援。
というのも、精神疾患を抱えるお母さん・お父さんへの支援制度とこどもたちへの支援制度は現状異なっており、それぞれの支援を受けるにあたっては、役所の窓口も担当者も別々なのです。
ではなぜ、私たちが「親子まるっと伴走支援」を大切にしたいと考えているのか?
現行制度の課題感と解決策をお話ししたいと思います。
現行制度の課題感
親とこども、それぞれの制度や担当窓口が異なることによる課題として、次の3つが挙げられます。
課題1.相談に精神的・時間的な負担がかかる
相談〜サポート開始までの流れにおいて、対応窓口が一元化されていないため、困り事を抱えたお母さん・お父さんが、それぞれの窓口で何度も同じ話をせざるをえない状況があり、精神的・時間的な負担がかかるため、相談するという行為から離れてしまう。
課題2.タイムリーかつ本質的な問題解決につながりづらい
親子が置かれている現在の環境やこれまでの背景、困り感の情報収集が継続的になされていないため、今、その時の親子に対する本質的な問題解決につながっていかない。
課題3.社会復帰・自立と社会経済活動の促進に向けた計画作成の最適化不足
親とこどもへ別々のアプローチ、それぞれに向けた対応計画を作成しているため、一緒に暮らす親子が、双方の願いや想いをすり合わせる・共有する機会が少なく、計画の実現性が低くなってしまう。
Omoshiroが提唱する解決策
そこでOmoshiroでは、親子への出会い~サポート開始までを、精神保健福祉士が伴走するという新しいカタチを実現することで、次の3つを解決策として実施しています。
解決策1.親とこども、双方の出会いからサポート開始までを、相談支援専門員によってワンストップで実施
精神疾患を抱える親だけではなくこどものことも一緒に考える。親子それぞれの本来持っている力に着目し、引き出しながら、必要な制度・支援につなげることができる。
解決策2.継続的に親子それぞれへの情報収集を行いながら、サポート体制・方法の微調整を常に行う
困り感の解決を一緒に行うことが可能。親子が私たちのサポートを必要と感じ、大切にしたいと思える関係性を構築していく。
解決策3.「対話」ができる機会をサポートする
親子それぞれが自身の願い・想いに気付く機会に加え、親子の間で「対話」をする機会をサポートする。その対話を通して生まれる親子の願いに、私たちが全力で応援できる。
現在取り組んでいる事業
私たちが主に取り組んでいる事業は次の3つです。
1.計画相談支援
(横浜市指定特定相談支援事業所こかげ)
親とこどもそれぞれが、自分の願い・問題に気付くことができる支援を提供しています。
■行政と連携したアウトリーチ支援
いま支援が届いていない親子へ「手を伸ばす」ことを大切に、区や関係機関と協働しながら「支援の入り口」をつくっています。
■届けきる支援
制度の狭間にあっても、人やコトの課題を整理しコーディネートすることで、必要な支援を届けきります。
2.こどもの居場所づくり
生きづらさを抱えるこどもたちへの「生き抜くチカラ」を育む居場所の提供。こども自身が自発的に困っていることを伝え、解決策を探していけるチカラを育みます。
■生活支援
栄養に配慮した食事の機会、生活習慣の学び。大人がこどものためにつくりたい居場所ではなく、こどもたちが大人と一緒につくりたい居場所で在れるよう、こどもの声に耳を傾けます。
■学習支援
学力ではなく、自学をマネジメントできるチカラを育みます。なりたい自分のイメージに向けて学ぶことで、自分自身が近づける手応え、自己効力感を体現していきます。
■交流型イベントやこどもワークの企画・運営
イベントやこどもワークを通して、こどもたちと面白がる大人たちが出会いワクワクする仕掛けをつくっています。
詳しくはコチラをご覧ください:https://syncable.biz/associate/Omoshiro/businesses/1190
3.精神保健福祉士の育成
「つながりづくりのプロ」を育成しています。
■出会えたこどもたちから得た学びを活かして、役に立つ情報やアイディアを常に更新し続ける計画相談支援チームを結成します。
■支援者向けの研修会の開催。ケースワークの有り様を、より具体的に指導・助言・援助をしています。
Why we are tackling this issue
とある少女の話。
部屋には荷物が床一面にあふれ、彼女は毎朝そこからマスクや教科書を探して登校します。
少女のお母さんは鬱症状がひどく、薬が合わず昼夜逆転。彼女が登校する時にはまだ寝ています。
彼女は言いました。
「自分の場所がほしい」と・・・。
現在、こどもの制度と生きづらさを抱える親の制度は異なります。
そのため、窓口も担当者も別々になります。
それぞれの制度からのサポートのみでは、彼女の求む場所を作ること、
その場所を安心できる場所として届けることができていない・・・これが現実でした。
さらに、こどもの支援は16歳で終了します。
今、この親子に必要なこと。
それは今、この社会に必要なこと。
親子それぞれが自分の願いに気付き、言葉にして伝え、行動できる・・・
そんな「生き抜くチカラ」を育むことが必要だと私たちは考えています。
親の制度とこども制度の狭間にある、親子が必要としている人との出会いをつなげる。
背負った連鎖を断ち切るために必要な、モノやコト・場所を届けきる。
私たちOmoshiroは、その想いを大切に日々活動しています。
How donations are used
Omoshiroでは、2021年6月より「こどもの居場所事業」として、主に精神疾患を抱えるお母さん・お父さんと暮らすヤングケアラーのこどもたちに向けて、横浜市鶴見区にてOmoshiro秘密基地イベントを月1回開催しています。(お母さん・お父さん参加型イベントの場合もあります)
イベントで提供しているランチの食材は、フードバンクさんからご提供いただいている食材を主に使用させていただいておりますが、提供対象外の食材や、ボランティアスタッフの交通費、レンタルスペース費用等の運営費はすべて法人の持ち出しで実施しているのが現状です。
また、現在は月1回実施しているイベントですが、毎月楽しみにしてくれているこどもたちに向けて、イベントの頻度を増やしたい・・・さらに、一日でも早く「こどもたちの居場所」として、常設で週3〜5日運営可能な居場所拠点および体制をつくりたいと考えています。
いただいた寄付金は、主に2つの用途に活用させていただきます。
1.こどもたちの居場所づくり
- 居場所拠点の地代家賃
- 居場所拠点の水光熱費
- 居場所拠点で提供する食材費
- ボランティアスタッフへの交通費
- 運営スタッフへの人件費
- その他、居場所事業に係る事業費および管理費
2.法人運営・維持を目的とした事業費および管理費
なお、私たちの活動に共感・応援してくださる方へ、Omoshiroでは賛助会員(年会費・一口12,000円〜)を募集しています。