気候変動への対応にも有効なタナパラ・スワローズの取り組み
2022/5/11 16:51
毎年5月第2土曜日は、世界中で一斉にフェアトレードをアピールする「世界フェアトレード・デー」。
ピープルツリーが加盟する世界フェアトレード連盟(WFTO)が掲げる今年のテーマは、「Climate Justice(気候の公平性)」です。
この機会に、あらためてピープルツリーの生産者パートナー団体に対し、「気候変動によって活動にどんな影響を受けていますか?」という質問を送りました。タナパラ・スワローズのライハンさんは、真っ先に返信をくれました。
「バングラデシュでは夏と冬の気温の差が極端になりました。(ライハンさんが子どもだった)1970年代には夏の最高気温は32℃くらい、冬の最低気温は12℃くらいでした。今では夏に42℃まで上がる一方、冬は5℃にまで下がっています」
この極端な気温の変化は、農業に甚大な影響を与えています。半ば自給自足的な暮らしを送るタナパラ村の人びとにとって、農作物の作柄は生活に直結する問題です。
「この地域での主食のひとつであるレンズ豆が、ここ数年の異常気象によって花が咲く前に枯れてしまっています」
しかし興味深いことに、タナパラ・スワローズの支援で有機農業の指導を受けている農家では、レンズ豆が枯れていないそうです。
タナパラ・スワローズでは、小学校の運営だけでなく、女性の自立支援、有機農業の普及のための技術指導まで幅広い地域発展プロジェクトを実施しています。
<農作業をする村の男性。雨期には川に変わる土地が、乾期には肥沃な農地となる>
有機農業の支援プロジェクトでは、3400人の農家を組織して、3か月ごとに有機栽培の研修を行っています。化学肥料や殺虫剤をなるべく使わず、コンポスト(堆肥)などできるだけ自然な方法に取り組んでいることが、健康な作物をつくり気候変動の影響を受けにくい農業を実現することにつながっているのです。
あらためて、地域の発展に包括的に取り組むスワローズの活動に敬服しました。
グローバル・ヴィレッジ代表
胤森なお子
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