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20代で引きこもりだった僕が、高齢者麻雀クラブで「働く理由」を見つけた話。

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NPO法人 支エール

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田中義人

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行政の裏をかく「二段階の心理戦」〜若者ワークプラザに見えない特別枠を作るまで〜

2026/7/3 13:01

行政の裏をかく「二段階の心理戦」〜若者ワークプラザに見えない特別枠を作るまで〜のメインビジュアル

こんにちは。支エールの田中です。

僕たち「支エール」は、児童養護施設などで育ち、頼れる実家がないまま社会に出た若者たち(社会的養護経験者)が、孤独にならずに安心して暮らせる居場所づくりや、就職へのサポートを行っています。

実は先日、北九州市の就労支援窓口である「若者ワークプラザ北九州」の公式ウェブサイトに、新しくこんな文言が追加されました。


「社会的養護経験者(児童養護施設・里親家庭等で育った方)を含め、これまでの経験などにより不安を抱えている方も、安心してご相談ください」


画面の片隅に追加された、たった一行の文章。しかし、これまで制度の隙間に落ちて公的な窓口に繋がりづらかった若者たちにとっては、「ここは僕たちも行っていい場所なんだ」と安心できる、命綱のような一行です。

お役所のガチガチの「前例」を突破し、この一行を掲載させるまでには、実は僕が仕掛けた緻密な「二段階の心理戦」がありました。そのガチの交渉の全貌を、ここで皆さんにすべて明かします。


 第1ステップ:あえて「拒否」される提案から、味方を作る

まず背景として、僕は以前、市に対して「若者ワークプラザに社会的養護経験者の特別枠(専用の相談窓口)を設けてほしい」という陳情(公式な要望)を出しました。

正直に言います。行政がこれを「NO(無理です)」と突っぱねることは、最初から100%想定内でした。役所という組織は、「特定の対象だけを特別扱いする前例」を最も嫌うからです。

僕は市議会の様子をアーカイブ動画でじっくり観察し、「よし、想定通りの拒否反応だな」と確認しました。しかし同時に、その議会の場で、僕たちの陳情に理解を示し、行政に対して疑問を投げかけてくれた一人の市議会議員に目をつけました。

翌週、僕はその市議が参加する外部のイベントを調べて現地へ赴き、直接お礼と直談判をしに行きました。

「議会で僕たちの声を代弁してくださって、ありがとうございました」

そう言って懐に飛び込み、こう告げました。

「行政は論点をずらして回答しています。このままだと話は一生平行線です」

このアクションが市議の心を動かし、「よし、行政の担当者と市議、そして法人の三者で、一度しっかり話し合う場(非公式の会議)を設けよう」という最高の機会を引き出すことに成功したのです。


第2ステップ:身構える相手の心理を読んだ「本命の落としどころ」

こうしてセットされた、行政・市議・法人の三者による会議。

行政の担当者たちは、「またあの高いハードルの『特別枠を作れ』と要求されて、詰められるんじゃないか……」と、ガチガチに身構えて部屋に入ってきました。

ここが、僕の計算通りのチェックメイトの瞬間です。

身構える彼らに対して、僕はあえて「特別枠」の話は一切せず、本来の目的である「本命のカード」を差し出しました。


「それなら、入り口の強化として、ホームページに『社会的養護経験者も安心して相談していい』という文言を掲載してください。そして、それを各施設へ徹底的に周知してください」

行政側はホッとしたはずです。「無理難題を言われると思ったら、そのくらいなら(規程の範囲内で)今すぐ出来ます!」となる。

相手が「NO」と言い疲れたタイミングで、ハードルを下げた本命を出す。これによって、公式ウェブサイトへの明記と、市内の全施設長が集まる会議で行政担当者から直接説明を行ってもらう、という具体的な約束をその場で勝ち取りました。


終わらせない。裏戦略のゴールは「見えない特別枠」

外側から見れば「ホームページの文言が変わった」「施設長会議で説明があった」というだけで終わったように見えるかもしれません。でも、ここで満足して終わらせないのが僕のやり方です。

一回説明しただけで、現場の先生や後輩たちがワークプラザに行けるようになるわけがありません。

そこで、僕が次に仕掛けている真の狙いは「面着(めんちゃく:直接会うこと)」です。

次は、児童養護施設の先生たちを、実際に若者ワークプラザに呼びます。そして、ワークプラザの窓口担当者と「顔の見える関係」を直接作ってもらう。

支援の世界では、「名前しか知らない場所」と「担当者の顔を知っている場所」では、若者を繋ぐ安心感に天と地ほどの差が出ます。

先生たちが窓口の担当者と直接繋がれば、「今、就職活動に悩んでいる子がいるんだけど、そっちで引き受けてもらえる?」と、ベストなタイミングで後輩たちを繋ぐことができるようになります。

結果的に、児童養護施設の子や社会的養護経験者がワークプラザに通う数が圧倒的に増えればどうなるか。

実績が増えれば、ワークプラザの中に自然と「施設対応の専門担当者」が置かれるようになります。

それこそが、制度の枠組みを無視して僕が作りたかった、合法的な『見えない特別枠』なんです。

これが、支エールが仕掛けているリアルな社会の動かし方です。

ただ声を大にして叫ぶのではなく、相手の心理を読み、仕組みの隙間を突いて、泥臭く、かつスマートに後輩たちのルートをこじ開けていく。

皆さんからいただいている温かい応援やご支援は、こうして確実に社会のシステムを変えるための力になっています。

これからも、この仕掛けの続きを一緒に見届けてください!


NPO法人 支エール 代表 田中 義人

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