【伴走団体インタビュー】ぎなんプレーパークの会(岐阜)|黒板プレイカーと描く、こどもがのびのびあそべる社会
2026/10/1 10:13

岐阜県岐南町を拠点に、10年以上にわたって活動を展開する「ぎなんプレーパークの会」。
”もっと外遊びを!”をモットーに、公園や神社の境内でのびのびとあそべる環境をつくり、多様な年齢のこどもたちや地域の大人との交流の場を育んできました。
2025年度のJ-CSTパートナー団体募集事業では、「つくるぞ!がっつり部門」(車両の新規購入を含めた本格活動支援)に採択。
これまでも出張プレーパークを行ってきましたが、プレイカー導入により、新たなあそびの展開につなげています。
今回は、ぎなんプレーパークの会の代表・森下さんに、プレイカー導入に至った理由、導入による変化、これから目指す姿について伺いました。
「移動」は悩みの種。パートナー団体募集をきっかけに、プレイカー導入へ
ぎなんプレーパークの会は、決まった活動拠点を持たず、公園や神社の境内などを巡りながらあそび場を開いてきました。
そのため、あそび道具は毎回スタッフが自宅へ持ち帰り、自家用車で運搬。積み下ろしの負担はもちろん、車のサイズによる道具量の制限、増え続ける道具の保管場所の確保など、「移動」にまつわる悩みは尽きませんでした。
そんな折、全国を巡回していた一般社団法人SSKのプレイカー「からふる号」を目にし、「これだ!」と心を動かされたといいます。以前から別団体のプレイカーの存在も気になっており、「あったら絶対便利。行ける場所も増えるよね」とメンバー間で話していたタイミングで、J-CSTのパートナー団体募集の案内が届きました。
大きな車両を持つことへの不安はゼロではなかったものの、「田舎だから置き場所はなんとかなるはず」と前向きに決断。プレイカー導入への一歩を踏み出しました。
車体全面が黒板!大人もこどもも夢中になるプレイカーが誕生
そうして生まれたプレイカーは、車体全面が黒板!
「最近はチョークであそべない場所も多いです。黒板だったら書いたり消したりができるし、いいよねって」と森下さん。
実際に活動を始めると、黒板に夢中になるのはこどもだけではありませんでした。「学校の黒板と同じだ!」と大人も一緒に楽しむ姿が見られ、世代を超えて自然に交流が生まれています。
プレイカーを導入したことで、団体としての存在感にも大きな変化がありました。
1か月のうちに2回、名古屋の同じ場所に出張した際には、事前告知が無かったにもかかわらず、「この前のプレイカーが見えたから、今日もやってると思って来たよ」と訪れる人がいたそうです。
目立つプレイカーがあることで、あそびを目的に来たわけではない通りすがりの大人や外国人観光客までもが自然と足を止めてくれるようになりました。
プレイカーには、車体に取り付けた“坂道”もあります。

※ぎなんプレーパークの会では「滑り台」ではなく「坂道」と呼び、登る・滑る・逆走するなど、こどもが自分で選んで遊べるようにしています。
運転席の窓から登るユニークなルートも人気です。
なにより、「これがあそびの車です」と一目で伝えられるようになったことで、初めて訪れる学校や地域でも、活動の内容を説明しやすくなったという効果も生まれました。
PTAや行政の担当者からは「車に絵を描いていいの!?」という驚きの声が寄せられ、出動依頼も増加。名古屋・栄の東桜エリアマネジメント協議会(NTTアーバンソリューションズ株式会社や中部電力株式会社といった企業も関わる組織)から声がかかるようになったのも、プレイカー導入後の変化のひとつです。
街なかで自然と目を引く存在感が、新たなつながりを生み出しています。
今年1月には、全国各地のプレイカーが集まるイベント「あそびEXPO」にも参加し、団体ごとの個性やデザインの違いに刺激を受けたという森下さん。
すでに今の車両であそび道具を積みきれなくなってきており、今後は台数やサイズのバリエーションを増やしていきたいという展望も語ってくれました。
誰かが特別に頑張らなくてもいい社会へ
今年は東海地方のあそび団体をつなぐ「東海プレーパークサミット2026」も主催するなど、精力的に活動を展開するぎなんプレーパークの会。森下さんが強く感じているのは、「こどもがあそぶ姿に、社会があまり寛容ではない」ということです。
自宅の庭でお子さんが塀を伝って遊んでいただけで、近所の人から「そんなことしてたらお母さんに怒られるよ!」と注意された経験もあり、「誰にも迷惑をかけていないのに」と寂しさを覚えたこともあったといいます。
それでも森下さんは、こどもたちがのびのびとあそぶ姿があちこちで見られるようになることで、少しずつ社会の空気は変わっていけると信じています。
「一団体だけじゃなくて、あちこちでそういう光景を生んでいけるといいなと思います」。
誰かが特別に頑張ってあそびの環境を守らなくても、こどもたちがのびのびあそべる社会へ。
ぎなんプレーパークの会の挑戦は、その歩みを積み重ねています。
全国の実践者に伴走する取り組みを、クラウドファンディングで応援してください!
あそび with ALLのスタッフも「東海プレーパークサミット2026」に参加し、こどもをまんなかに熱量高く語り合う場に、大きな力を感じました。
あそび with ALLは、全国の団体への助成・伴走支援を実施するため、設立記念クラウドファンディングを実施しています。
全国の実践者を通じて、多くのこどもたちにあそぶ環境を届けるため、ぜひとも応援をいただけると心強いです。


