【後編】人は何を食べて生きているのだろう〜食とメンタルヘルス、子ども食堂がつなぐもの〜
2026/7/3 08:03

【後編】人は何を食べて生きているのだろう〜食とメンタルヘルス、子ども食堂がつなぐもの〜
目次
- 6. スクロール・イーティングと新しい孤食
- 7. 食事は作業ではない
- 8. 人は何を食べて生きているのだろう
6. スクロール・イーティングと新しい孤食
かつての食卓には、誰かと笑い合う声や、食器がぶつかる音がありました。しかし現代、私たちは「新しい孤食」の中に生きています。
それは、物理的に誰かと一緒にいても心は別の場所にある、あるいは一人で食事をしながら絶えずスマホを眺め続ける「スクロール・イーティング」という現象です。目には次々と流れる情報が飛び込み、指は無意識に画面をスクロールし続ける。口には食べ物を運んでいるけれど、意識はデジタルな荒野を彷徨っている。
脳は食べ物への認識よりも、デジタルデバイスからの情報を摂取している?
これでは、どれほど栄養価の高い食事をとっても、心は置き去りになります。なぜなら、食事の本質的な目的の一つである「今、この瞬間の充足」
いわゆるマインドフルな状態が、情報によって遮断されてしまうからです。私たちは情報を「摂取」することに忙しく、目の前の食事や、目の前の相手と「共鳴」したり、「同期」することを忘れてしまっています。
さらに、テクノストレス孤食は要注意です。
一人で食べているときに、もしもSNSで友人や他者が楽しそうに食事を共にしているSNSを目にしたとき、
「一人であること」を客観視することになるかもしれません。
メンタルヘルス不調を招く要因の一つとして、私たちは意識してデバイスを食卓に持ち込まないようにする必要がありそうです。
この「新しい孤食」は、家の中だけでなく、子ども食堂の現場にも忍び寄ることがあります。スマホ越しにしか世界と繋がれない子どもたちにとって、リアルの世界で誰かと目を合わせ、笑い、温度を感じることは、時にとても勇気のいることなのかもしれません。
7. 食事は作業ではない
だからこそ、あえて言いたいのです。
「食事は、ただ栄養を補給するための作業ではない」と。
食事とは、本来、他者との「同期(共鳴)」の場です。 同じ温かさを感じ、同じタイミングで一口運ぶ。美味しいね、と顔を見合わせる、笑いあう。
そのたった数秒のやり取りの中で、私たちの脳は「あ、この人は安全だ」「自分は受け入れられている」と静かに信号を受け取っています。
NPO法人Chou・chouが運営する子ども食堂「ごはんとノート」(7月再開に向けて準備中)に遊びに来る子どもたちにとって、ジェンガで遊ぶことは単なる「遊び」ではありません。
勝ち負けにドキドキし、相手の表情をうかがい、自分の思いをぶつける。そのプロセスそのものが、彼らにとっての「心の栄養摂取」なのです。
悩みを抱える子どもが、相談室ではなく、ジェンガの前に座る。その選択は、彼らなりの「自分を守り、同時に癒やそうとする」賢い戦略です。
私たちは、その「相談ではない時間」にこそ、最大の敬意を払うべきです。そこには、言葉にできない孤独が溶け出し、新しい関係性が芽生える土壌があるからです。
食事も同じです。何を食べるか以上に、
「誰と、どんな空気の中で食べるか」が、その人の明日を作るエネルギーになります。
8. 人は何を食べて生きているのだろう
冒頭で紹介した高校生の問いに戻りましょう。
「人は何を食べて生きているのだろう」
物理的な栄養は、私たちの体を作り、動かすために欠かせません。
でも、私たちの心を作っているのは、それだけではありません。
私たちは、誰かの温かい眼差しを食べて生きています。 「おかえり」という言葉を食べて生きています。 「あなたはここにいていいんだよ」という安心を食べて生きています。
相談ができなくてもいい。
悩みなんて、すぐには言えなくていい。
ただ、同じ場所で、同じ時間を共有する。
好きな音楽を流し、美味しいものを食べ、時にはジェンガを倒して笑い合う。
そんなふうに、「見えない栄養」を分け合うことが、人が人として生きていくための、何よりの支えになるのだと私は信じています。
支援とは、問題を探すことではありません。
その人が、その人らしく呼吸できる居場所を、一緒に作ることです。
心理学者のカール・ロジャースは言いました。
「人が変化するためには、まず受容的な関係が必要だ」
アカゲザルの代理母研究でも言及したように、
人は安心できる関係ができてこそ、初めて弱さを見せられる。
愛の始まりは、、、?
安心のとは?
高校生のインタビューを受けるいろいろと考えさせられ本当に良い機会をいただきました。
臨床心理士の私ができる地域貢献
それは
支援の「入口」を作ること。
もし今、あなたが孤独を感じているなら、どうか思い出してください。
あなたは、ただ生きているだけで、誰かの温もりを必要とする価値ある存在です。 そして、その温もりは、意外と身近な「食卓」から、いつでも受け取ることができるのだということを。

2026年二期目のこども食堂の運営資金
50,000円
2026年二期目のこども食堂の運営資金として、大切に使わせていただきます。
「ごはんとノート。@桜坂」は、小学生から高校生を対象に、
月1~開催
食材費、会場費、スタッフ人件費——
小さな積み重ねで、子どもたちの「ただいま」を受け止める場所を続けています。
1期目無我夢中でやりましたが、クラファンがなければ、助成金の3分の1がまかなえず、大赤字になるところでした。
今回は希望縮小して、
テーマは「継続」
運営側も無理をせず地域に存在し続けることで、通ってくれる方のために、安定した運営をできるように
改善をしていきます。
行政の手足になるつもりもありません。
困っていることを、伝えて、制度や仕組みは年々よくしてもらい、
地域のリソースの一つとして、正しく機能できる仕組みを回していきたいと考えてます。
いただいたご支援は、
・食材・消耗品の購入
・会場維持費の一部
・運営スタッフへの謝礼
として、全額「ごはんとノート」の継続に充てます。
「子育ては、一人でしなくていい。」
その言葉を、ごはんの形にする活動です。
7月7日、私の誕生日に、七夕の日に、あなたの気持ちを子どもたちへ届けてください。

学習障害の発見のためのアセスメントツール
2,200円
学習障害は気付かれておらず怠けや不真面目と思われている場合があります。今期の「ごはんとノート」では地域の中にまだ支援につながっていない読みと書きに困り感をもった子どもを早期発見することも目的としています。



