トイレ改修事業の軌跡① 80プロジェクトが始動し老朽化したトイレを改修すべく立ち上がりました
2026/6/28 18:00

子どもたちの未来を支えるために ― 岡山ハッキョ トイレ改修工事の記録
岡山朝鮮初中級学校は1971年の開校以来、半世紀以上にわたり地域の子どもたちを育んできました。しかし長年の風雨と歳月は、校舎の至るところに深刻な老朽化をもたらしていました。その中でも最も切実な課題の一つがトイレでした。

幼稚班から中級部までの子どもたちが毎日利用するトイレは、建設当時の設備がそのまま残されている箇所も多く、床や壁の傷みは年々進行していました。小さなタイルは剥がれ、ひび割れた部分も目立つようになり、配管や設備も限界に近づいていました。和式便器が中心で、幼い子どもたちや慣れていない児童にとって使いづらい環境が続いていました。
トイレは学校生活の中で毎日何度も利用する場所です。しかし子どもたちにとって本来安心できるはずの空間は、「古い」「暗い」「使いづらい」という声が上がる場所になっていました。特に幼稚班の子どもたちにとっては大きな負担であり、保護者や教職員も以前から改善の必要性を感じていました。

ところが、改修は簡単なことではありませんでした。一般の学校であれば行政からの補助を受けられるケースもありますが、岡山ハッキョはその制度の外に置かれており、施設整備の多くを自らの力で行わなければなりません。限られた予算の中で校舎維持を続けるだけでも大変な状況の中、大規模なトイレ改修は長年の課題となっていました。
それでも「子どもたちに安全で安心できる環境を残したい」という思いから、改修計画が本格的に動き始めました。
工事が始まると、まず既存設備の撤去作業が行われました。長年使われてきた便器や間仕切りが取り外され、床下に隠れていた配管も姿を現しました。解体後の空間にはコンクリートや古い配管がむき出しになり、長年積み重なった歴史を感じさせる光景が広がりました。
工事中のトイレは、普段子どもたちが利用していた場所とは思えないほど殺風景な空間になりました。床は剥がされ、仕切りもなくなり、設備だけが点在する状態。改めて施設の老朽化の深刻さが浮き彫りになりました。
特に撤去された和式便器の周辺からは、長年の使用による劣化の跡が数多く見つかりました。表面だけでは見えなかった傷みが現れ、改修の必要性を誰もが実感することとなりました。
工事は決して派手なものではありません。毎日少しずつ解体し、配管を整え、床を補修し、新しい設備を設置していく地道な作業の連続でした。しかしその一つひとつが、これから先何十年も子どもたちが安心して学校生活を送るための大切な工程でした。
そして少しずつ、新しいトイレの姿が見え始めます。古い設備しかなかった空間に新しい便器が設置され、明るい仕切りが組み立てられ、清潔感のある空間へと生まれ変わっていきました。
しかし、この工事の本当の意味は単なる設備更新ではありませんでした。
「子どもたちが安心して学び、成長できる環境を守る」という学校の願いそのものだったのです。
校舎は築55年を超えています。今回のトイレ改修は、その長い歴史の中で積み重なった課題と向き合いながら、未来へバトンをつなぐための大きな一歩となりました。
工事前の古く傷んだトイレ、解体によって露わになった老朽化の現実、そして少しずつ形になっていく新しい空間。その過程は、決して当たり前ではない学校運営の現実と、子どもたちの教育環境を守ろうとする人々の強い思いを物語っています。
このトイレ改修工事は、単なる建物の修繕ではなく、「岡山ハッキョを未来へ残していくための挑戦」の記録でもありました。









