WEと一緒に小さなナリワイ塾〜小さな起業と継続を支えるエンパワーメント
2020/6/7 22:01
震災後の南三陸町で暮らしの再建に取り組む中、以前の仕事がストップしてしまった女性たちの中には、手仕事品を販売する人や、飲食屋台、加工食品づくりなどを自分で始める人たちの姿がありました。「自分でやるんだ!」と湧き上がってくる思いは力のタネです。
そんな女性たちを応援しようと、2013年に「女性のまなざしで地元を元気に!」を合言葉に、アイデア創発のワークショップや、実際小さく何かを始めている人たちのニーズを聴きながら、さまざまなスキルアップ(お金、広報宣伝、販売、IT、縫製技術、カラーコーディネート、食の仕事の基礎知識etc.)の講座を開催し、専門家による相談会も行いました。
講座に参加してくれる人たちの声を聞いていると、
「私なんかにできるだろうか?」とか、
「資格がないとやっちゃいけないんじゃないか?」とか、
「人にどう思われるだろう? 家族に理解されない……」
という不安や怖れが表れていました。人と比較ばかりしてしまったり、時には情報に翻弄されてぐるぐる思考が止まらなくなってしまったり。
スキルは大事。でも、上塗りのスキルばかり身につけても、困難や怖れを前にすくんでしまう。それを乗り越えるには、「何をやる」よりも、「自分でやるんだ!」というタネを大事にし、根っこを育て続けるのが重要なんじゃないかと思うようになりました。
そんな時、「鶴岡ナリワイプロジェクト」に出会いました。
ナリワイプロジェクトは、非電化工房主宰の藤村靖之博士による「月3万円ビジネス」の考え方をもとにしています。思い込みを疑おうというメッセージに、「これだ!」と、鶴岡ナリワイプロジェクト主宰の井東敬子さんに教えを乞い、2017年度と2018年度の2期、この考え方を使った連続講座を南三陸町で「WEと一緒に小さなナリワイ塾」という名前で行いました。
地域の顔が見える人を思い浮かべ、いいことだけをやる。ママゴトと言われても気にせず小さく実践する。地域に根ざし、複業・副業として小さな仕事を作る考え方なので、ライフステージに合わせ、自分のペースで続ける。
各年度とも、修了時の発表会とマルシェでは工夫を凝らした面白い企画が飛び出し、そのまま屋号をつけて起業した人、副業にした人、新しい分野の仕事に挑戦した人、今はまだ時期ではないので大事に温めておくという人たち、それぞれのステップを踏み出しています。
(塩本美紀)
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