「うみさと暮らしのラボ」と「ひころマルシェ」〜この土地で続く暮らし
2020/5/27 20:14
---何もない? 本当に?---
ウィメンズアイは、2013年から3年間、南三陸町入谷地区の方々と一緒に入谷八幡神社の秋のおまつりに合わせてアートイベントを開催していました。
民家の縁がわをギャラリーに見立て、アーティストと町の人が一緒に作った作品を展示し、集落の中を地図を頼りにスタンプラリーで廻るこのイベントに子どもたちは大喜び。あちこちの縁がわで語り合いながらほっこりとお茶を飲む姿が見られました。
このイベントには、被災地で支援を「受け取る」ことが多かった町の人たちが、この町の素晴らしさを「表現する」側になってほしいという思いもありました。そのくらい、私たちは震災後に出会った南三陸町の暮らし、人びとに魅了されていました。
一方で
「この町には何もない」と語る地元の若い人たちも本当に多かった。大きなショッピングモールがない、娯楽がない、子どもと行くところがない。
そう自嘲気味に話しながら、でも本当は、
森、里、川、海、がギュッと詰まって、そこから四季折々驚くほど多種多様な恵みを受け取ることができ、
暮らしまわりのことをなんでも自分で作る知恵を持ったおじいちゃんやおばあちゃんたちがいて、
人が生きていく根っこを持てるこの土地とのことが本当に好きで、結びつきが深いんだなと思わされることがよくありました。
ここで人の営みがずっと続いてきたのだという揺るぎなさと、暮らす人びとの魅力は、震災ボランティアを経て若者たちがこの町に移住してくるという現象も生みました。
---子育ての風景が続くこと〜ひころマルシェ---
あるとき、町の未来を考える集まり「南三陸まなびの女子会」の席上で、震災で、子どもたちがこんなに減ってしまって、町がなくなっちゃうんじゃないか、不安だと語るおばあちゃんたちの声がありました。その声に、その場にいたすべての世代の人たちが共感しました。
「子育ての風景が続くこと」、それをビジョンにこの土地で暮らしが続くことを考え、持続可能な暮らしを足元から作っていく試みを、南三陸とその周辺でゆるやかにやっていけないだろうか。
こうして、この土地の知恵を学びながら実践し、仲間を作り、暮らしを作っていく活動を「うみさと暮らしのラボ」と名付け、7つの柱を決めました
「すこやか」にこだわる
「地球にやさしい」にこだわる
「素材」にこだわる
「おいしい」にこだわる
「地産」にこだわる
「うつくしい」にこだわる
「たのしい」にこだわる
例えば、南三陸町入谷にある古民家と広〜い原っぱ「ひころの里」でオーガニック志向の「ひころマルシェ」を開催しています。主催はひころマルシェ実行委員会。ウィは事務局を担当してきました。
マルシェには、手作りの美味しい食べ物や、お野菜、手工芸品が並びます。いっぱい走れる子どもあそび場や、ひころの森を探検する森のようちえんも。地元の竹で、ジャングルジムも作ります。
本当は今年も、6月7日が「ひころマルシェ」の予定だったのですが、新型コロナを考慮し延期にしています。早く、あの風景に出会いたいです。2019年初夏のマルシェの様子、動画でぜひご覧ください(©︎ひころマルシェ実行委員会)
(塩本美紀)
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