東日本大震災の後、避難所や仮設住宅で、私たちは多くの女性たちの声を聞いてきました。
家族のケア。
仕事の喪失。
孤立。
自分のことは後回しにせざるを得ない日々。
本当は力を持っているのに、その力を発揮する機会につながれない女性たちが、地域には今も数多くいます。
「学び直したい」
「働きたい」
「地域で何かを始めてみたい」
そう思っても、地方では、安心して相談できる場や、学びの機会、自分に合った働き方への入口が十分にあるとは言えません。
ウィメンズアイは、東日本大震災後の宮城県沿岸部で活動を始めて以来、女性たちの声を受け止めながら、エンパワーメント、地域活動の担い手育成、女性と女の子の相談、デジタルスキル研修、調査・提言、自治体や企業との連携を積み重ねてきました。
これまで、延べ1万人以上の女性たちと出会い、対話し、学びや挑戦の機会をともにつくってきました。
また、地域で主体的に活動し、周囲とつながりながら新しい変化を育みだしていく力を育むプログラム「グラスルーツ・アカデミー」には、130人以上が参加しています。
自分の経験を活かして地域活動を始める女性。
デジタルスキルを学び、新しい働き方に挑戦する女性。
子育てや地域の居場所づくりを始める女性。
一人ひとりが、自分なりの一歩を踏み出し始めています。
しかし、その一歩を、仕事や地域での役割、暮らしの選択肢につなげる仕組みは、まだ十分ではありません。
だからこそ今、ウィメンズアイは次の挑戦に取り組もうとしています。
学びを、一時的な経験で終わらせず、地域の仕事へ。
子育てや介護などのケア役割を、孤立した負担ではなく、地域で支え合える仕組みへ。
調査で見えてきた課題を、提言だけで終わらせず、制度や実装、そして地域を超えた連携へ。
一人ひとりの挑戦を、地域の未来へ。
その挑戦を、継続的に支えてくださるマンスリーサポーターを募集します。
一人の女性の一歩が、地域を少しずつ変えていく。
私たちは、女性たちが地域で力を発揮し、その経験や学びが次の世代へつながっていく社会を、本気でつくりたいと思っています。
気仙沼と南三陸で積み重ねてきたこの実践を、
次の地域にもつながる土台にしていきたいと思っています。
ストーリー
自分のことを、後回しにしてきた女性たちがいます
わたしたちは、家庭や職場、地域の役割をいくつも担いながら、自分自身の希望や違和感を言葉にする機会を持てない女性たちの声を聞いてきました。
「自分がやりたいことを、私なんかが考えてもいいのだろうか」
「子どもや家族のことを優先してきて、自分のことを考える余裕なんてなかった」
「今さら学び直しても意味があるのだろうか」
そうした思いは、決して個人の弱さから生まれるものではありません。

地方では、学び直し、相談、柔軟な働き方、地域活動に関わる入口が、身近に見えにくい状況があります。
一方で地域では、人手不足や担い手不足、孤立、ケア役割の偏りなど、さまざまな課題が深まっています。
女性たちがこれまで培ってきた経験や視点、誰かを支えてきた力は、本来、地域にとって大切な力になるはずです。
ウィメンズアイは、その力が埋もれたままにならないよう、女性たちが声をあげ、学び、役割を持ち、次の誰かの可能性につながっていくことのできる流れをつくってきました。

地域女性の“根っこ”のエンパワーメントを支えてきたウィメンズアイ
私たちが目指しているのは、地域で生きる女性たちの可能性が活かされていく社会です。
ウィメンズアイはこれまで、次の3つを大切に活動してきました。

1. 声を受け止め、言葉にする
「何に困っているのか」
「どんな暮らしや働き方を望んでいるのか」
「本当は何を始めてみたいのか」
一人では整理しにくい思いも、対話を重ねる中で少しずつ言葉になっていきます。
ウィメンズアイは、その声を個人の悩みで終わらせず、地域の課題として受け止めてきました。
2. 学びと実践の機会をつくる
パソコンに触ること自体に不安を感じていた女性が、デジタルスキルを学び、仕事に挑戦していく。
地域で感じてきた違和感を言葉にできなかった女性が、小さな活動を始めていく。
ウィメンズアイは、「できるかもしれない」と思えた気持ちを、実際の行動につなげていける場を大切にしてきました。
大切にしているのは、学びの機会を届けて終わりにしないことです。
学びをどう活かすのか。
どんな働き方を選ぶのか。
地域とどんな関わり方をしていくのか。
一人ひとりが、自分で考え、試し、行動していくプロセスを大切にしています。
3. 女性たちを取り巻く環境を変えていく
女性たちの声や地域課題を調査、分析、可視化し、自治体や地域団体への提言、研修や事業設計につなげてきました。
個人の困りごとに見えることの背景には、地域の制度や環境の課題が関わっている場合があります。
だからこそウィメンズアイは、女性たちの声を地域全体で考える課題として受け止め、行政や地域の人たちと協力しながら仕組みづくりにつなげています。

ウィメンズアイは、女性たちの変化を、その人だけのものにしません
数字の背景には、一人ひとりの挑戦や暮らしの変化があります。
ウィメンズアイはこれまで、地域の状況に応じて必要な取り組みを一つひとつ立ち上げてきました。
- 女性たちの学びや挑戦を支えるプログラム
- 対話や伴走
- 子育ての居場所づくり
- 地域課題を可視化する調査・提言
- 自治体、企業、地域団体との連携
それらを積み重ねながら、学びや経験が地域の中で活かされていく土台をつくってきました。

数字の先には、一人ひとりの物語があります。
「初めて自分の気持ちを言葉にできた」
「学び直すことへの不安が、自信に変わった」
「同じ思いを持つ仲間に出会えた」
「自分の経験が、地域の中で意味があると思えた」
ウィメンズアイがつくってきたのは、女性たちが変わるための場だけではありません。
学びや経験が、地域の力として循環していく土台です。

女性たちの挑戦を、地域の選択肢に変えていく

これまでつくってきたのは、女性たちの可能性が動き出す場でした。
これから必要なのは、その力が地域に根づいていく土台です。
学んでも仕事につながりにくい。
子育てや介護など、家族を支えるケア役割を一人で抱え込みやすい。
地域の声を事業や制度につなげていく流れが、まだ十分ではありません。
だからこそ、今必要なのは、女性たちの挑戦が地域の中で循環していく流れをつくることだと考えています。

1. 学びを、仕事や役割につなげる
学んだスキルや経験を、実際の仕事や地域での役割につなげていくために、気仙沼市とも連携しながら、女性人材バンクの仕組みづくりに取り組んでいきます。
地方では、学んだスキルを仕事につなげる仕組みが、まだ十分とは言えません。
都市部には、人材紹介やキャリア支援、柔軟な働き方を支えるサービスや制度がありますが、地方では選択肢が限られています。
スキルを身につけても、それを活かせる場が少なく、キャリアが途切れてしまうことも少なくありません。
だからこそ、学びの機会だけでなく、一人ひとりに伴走しながら、仕事や地域での役割につながる道筋を整えることが必要だと考えています。
2. 子育てなどのケア役割を、地域で支え合える関係性にしていく
子どもを連れて安心して行ける場所が少ない。
誰かに頼りたいと思っても、頼れる先が見つからない。
困りごとがあっても、「自分が頑張るしかない」と抱え込んでしまう。
地域では今も、子育てや介護などケアの役割を女性が多く担っています。
また、震災後、子育て支援に関わる団体や地域の協力体制も十分とは言えず、困りごとが個人や家庭の中に閉じてしまいやすい現状がありました。
ウィメンズアイでは、ニーズ調査やママたちがつながる場づくりを通して、当事者の声を地域に届けてきました。
また、子育てママたちの自主的な活動をサポートしたり、行政と連携した子育てタウンミーティングの開催などを通して、子育て中の親だけでなく、地域で子育てに関わる人たちも声をあげられる土壌が少しずつ育っています。
これからは、ひとつの団体、ひとつの地域で支えるのではなく、近隣市町の子育てに関わる人や団体がつながり、学校、行政などとも連携しながら、地域の実情にあった形で支え合える仕組みを、ともに考え、つくっていきたいと考えています。
3. 地域課題を、地域を超えて解決につなげる
「困っているのに、声にならない」
「制度があっても届かない」
ウィメンズアイは、そんな地域の現実を、調査を通して見える形にしてきました。
ひとり親調査や子育て調査、デジタル・生活・就労調査などを通して、地域女性が抱える困難やハードルを可視化し、自治体や地域団体と共有してきました。
その結果は、デジタル研修事業や新しい仕組みづくりにも活かされています。
気仙沼のひとり親支援ガイドブックの制作においては、支援策が当事者に届きにくい現状を調査によって明らかにし、当事者団体と協力しながら、自治体とともに使いやすい形へと改善を行いました。
気仙沼市では、データをもとに地域全体で課題を理解することで、新しい取り組みや連携につながり始めています。
今後は、気仙沼で培ってきた調査・協働のプロセスを他地域にも広げながら、地域を超えて共に課題解決に取り組める連携をつくっていきたいと考えています。
代表の想い

東日本大震災の後、避難所や仮設住宅で、多くの女性たちの声を聞いてきました。
家族を支えながら、自分のことを後回しにしている人たち。
本当は苦しいのに、「大丈夫」と言い続けている人たち。
「私なんて」と思わされてしまう人たち。
わたしは、その姿を見ながら、「なぜ女性たちは、こんなにも力を持っているのに、活かされにくいのだろう」と考え続けてきました。
活動を続ける中で感じたのは、個人の努力だけでは変えられないものがあるということです。
働き方。
ケアの負担。
学び直しの機会。
声を上げにくい空気。
だからこそ、地域で起きていることを、きちんと言葉にし、調査し、見える形にしていくことも続けてきました。
見えないままでは、変えられないからです。
最初から、地域に受け入れられていたわけではありません。
それでも、目の前の女性たちの声を聞きながら、その時々に必要なことを、一つずつ形にしてきました。
その積み重ねの中で、参加者だった女性たちが、今度は地域で活動を始めたり、次の誰かの力になっていく姿も見てきました。
子育てをしながら働くスタッフ。
地域で感じてきた生きづらさを、活動を通して変えようとするスタッフ。
ウィメンズアイそのものが、地域の女性たちと一緒につくられ、育ってきた団体なのだと思います。
今、必要なのは、誰かの善意や偶然に頼らなくても、
女性たちの力が活かされていく土台をつくることだと感じています。
それは、簡単に成果が出る取り組みではありません。
それでも、地域で実践を積み重ね、女性たちと一緒に歩んできた私たちだからこそ、できることがあると信じています。
地域には、まだ活かされていない力があります。
一人ひとりの変化が、地域の未来を少しずつ動かしていく。
その連鎖を地域の中に根づかせていきます。
この挑戦を、ぜひ一緒に育てていただけたら嬉しいです。
NPO法人ウィメンズアイ
代表理事 石本めぐみ
寄付金の使途

いただいたご寄付は、女性たちの学びや相談、子育て中の親たちのつながりづくり、地域課題の調査・提言、地域団体や行政との連携など、地域で支え合いが続く「仕組みづくり」のために活用します。
また、活動を継続していくための事務局運営や組織基盤の強化にも大切に使わせていただきます。
事務局は、講座やイベントを運営するだけではなく、一人ひとりの声を受け止め、必要な人や地域につなぎ、地域の団体や行政との対話や調整を重ねながら、活動を支える役割を担っています。
こうした目に見えにくい土台があることで、現場の活動が継続し、地域の信頼やつながりが少しずつ育っていくと、私たちは考えています。





