猛暑の中3回目の訪問は電車で…
2025/7/15 09:37

「資料ができたので受け取りに来て下さい」と市役所からの連絡を受け再び入院中の彼の代わりに現地へ3回目の訪問。前回・前々回は、病院ー本人の自宅ー市役所ー病院と、公共の交通の便の悪い場所を移動をせねばならなず車でしたが、今回は電車で市役所ー病院に向かいました。東京・浅草から7時過ぎに出発する特急電車に乗り、車窓から田んぼの美しい緑を見ながら1時間半の旅。市役所までは徒歩。久々に来た役所はもう既に懐かしい場所で、何度となく電話で話をしてきた担当者の方とは、窓口で妙な再会の喜びを感じつつ、担当者の方も「暑い中ありがとうございます」と言葉以上の丁寧な気持ちのこもった声をかけて下さいました。窓口の後ろでデスクにいた数人の方も、私たちが立ち去る時に立ってご挨拶をしてくださいました。(こういうところに、本当に活動の動機と感謝、そして私たちのしていることは間違っていなかったんだと思わせていただいています。)
役所の建物を出ると、37度を超える猛暑。昼食をどうしようかと思っていると懐かしい「スワン」の文字が目に入ってきました。吸い寄せられる様に入ると…15年前、札幌の発達クリニックにいた時にいつも配達に来てくれていた時計台の下にあるパン屋さんだったのです。懐かしく、初めてセラプレイを日本で実施した札幌時代を思い出し、だいすきな子どもたちやお母さんお父さんのお顔そして先生や職場の方達のお顔を思い出し、懐かしい味に感動しました。レジでは、可愛い店員さんが「ポイントカードはいりますか?」と聞かれてもう一度来ないし…とモタモタしていると「500円は大事ですよ!」と笑顔でカードにスタンプを押してくれました。笑顔にもまた癒されました!全国にある、スワンベーカリーぜひ皆さんも行ってみてください。必ず心に響く体験を得られます。もちろんパンも美味しいです!
いざ、元気をもらって病院へ。電車を乗り換え、乗り換え、タクシーに乗り…病院に着いたのはもうすでに3時。最近あまりラインでも連絡が帰ってこないことが多かったので心配して病室の扉を開けると、「今日はすごく調子がいいよ」と言いながら笑顔で私たちを迎えてくれました。でも、携帯電話をみること自体難しいほど40度の熱が続いた日や、目を開けていることが辛い日もあったと…それでも、元気そうにずーっと喋ってくれました。
いつも思うことですが、彼は辛く苦しい病気との戦いの文句を私たちに漏らしたことは一度もありません。ただ、もっとこうすればよかった、なぜ自分はそれができなかったんだろうと、後悔する本音を私にはポロッと言ってくれることもあります。ただ、私たちから見ていると、痛くて苦しくて、ひとりぼっちの病院で寂しくなることもあるのに、それを表に出さずそこを肯定的に笑顔で乗り越えようとしていることに本当に感謝です。
そのちからは、一番身近にいてくださる主治医の先生をはじめ、お掃除の方を含む医療陣の方々が、心から彼がよくなることを、そして彼の人生が明るくなることを願って下さっていることが大きな支えになっているのだと思います。また、ソーシャルワーカーや、役所の方々も、今まで支援の手を差し伸べることができず、福祉の隙間に落ちてしまっている彼を、どうすることもできなかったもどかしさもお感じなのではなかろうかと…たくさんの彼の周りの方達と関わらせていただくと、お一人お一人の異なる立場の複雑な心境を感じ取ることができました。
やっと、次の段階の治療が始まり2週間が過ぎようとしているところだそうで、まだ集中治療室に行くことになるか、退院が見えてくるかは紙一重だということでした。
私たちは、正式に支援を受けられる状態まで、引き上げることができたことに、まずは、ほっとしていること、そしてこれからまた、退院となったらこの猛暑の中、また支援の間に落ちてしまうのではないかとも心配ですが、皆様のご支援と応援は私たちともちろん本人にとっても、一人じゃないと思える心の支えになっております。
私たち団体の目指すところは、「周りの支えを得ながら自分で立てる子(若者)を社会に増やす」ことだと思っています。家庭での経験不足の彼らにとって、育て直しの必要な部分はたくさんあります。尊厳を傷つけない様に丁寧に信頼関係を築きながら、自分を大切にすることや、支えてほしいとお願いする力、感謝の伝え方、私たちも教えてもらうことが多い活動ですが、現状今まで彼に、借用書に、返金目標日も書いてもらいつつ30万円を支払っています。家の退去、解約など待ったなしの状況での支出です。私たちは、まずは現地に向かうなどの活動費もかかっているので、10万円達成を目指して、この様な支援の溝に落ちた時に、命の危険があることも我々が体験として知り、この様な状況に陥って苦しい思いを子どもたちがしない様にしていくためには、私たちには何ができるか、考えて行動していきたいと思っています。長い文をお読みいただきありがとうございます。この状況を一人でも多くの方に知っていただきたいという願いを込めて、ぜひお知り合いの方にもSNSなどで、ご紹介いただけたら幸いです。もちろん、ご寄付もすごくありがたく大切に使わせていただきたいと思っております。
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