まさに、ファンタジー、ビジョン、リアリティの場なのです。 公立はこだて未来大学 システム情報科学部 教授 美馬のゆり
2020/1/16 20:47
私が上野千鶴子先生と出会ってWANの活動を知ったのは、2012年12月に『理系(リケ)女子(ジョ)的生き方のススメ』という本を出版したことがきっかけでした。この本の企画は、日本学術会議という、日本の人文・社会科学、自然科学全分野の科学者の意見をまとめ、国内外に対して発信する日本の代表機関が、次世代の人たちに向けてシリーズで本を出すというものでした。
当初の私への依頼は、女性科学者を増やすということを目的としたものでしたが、上野先生にご監修いただく中で、結果として、老若男女、理系文系にかかわらず、理系女子的生き方を勧めるものとなりました。
理系女子的とは、「理系的」と「女子的」を組み合わせた私の造語です。理系的とは、なにごとにも好奇心を持ち、ものごとを論理的、分析的に深掘りしていくこと。女子的とは、友達とワイワイ集まる女子会のように、互いを尊重しながら楽しんでしまえること。自分のやりたいことを見つけて、周りを巻き込み和気あいあいと、職場や生活環境などをよりよい方向に変えていく。いろいろな人が集まってアイデアを出し合い、お互いを高め合う生き方、それがリケジョ的生き方です。
私たちはこれからの社会を創ることにかかわっていくことができます。それを考えていくときに必要な枠組みが、ファンタジー、ビジョン、リアリティです。
Fantasy 想像力と創造力を駆使し、
Vision 望ましい未来を描き、
Reality 現実世界とのつながりを示す。
自分たちが理想とする、ものの見方や考え方、世界を、ビジョンを、多くの人に理解してもらうためには、物語として、ファンタジーとして、一貫した世界を提供することが、共感を得、理解してもらうことの早道だと考えます。そのファンタジーをいかに現実のものにするか、どのような科学技術が、考え方や方法が、それを可能にするのかのリアリティ。私たちにこれから何ができるか、何をしていくべきか、それを考えるのに有効な枠組みが、ファンタジー、ビジョン、リアリティなのです。私がときどきつぶやく、魔法の呪文です。
みなさんは、どのような社会が、世界が理想だと考えますか? それを実現するためにあなたは何をするのか。自分のやりたいことを見つけて、まわりを巻き込みながら、楽しく生きる。それがいま、よりよい未来を創っていくために、老若男女を問わず求められています。
私はこの本を出版することで、WANの活動を知り、仲間ができ、活動することになりました。WANは様々な形で、学びの場、共有の場、活動の場を提供しています。デジタル技術の進歩のおかげで、いつでも、どこにいても、繋がることが可能となっています。まさに、ファンタジー、ビジョン、リアリティの場なのです。人生100年の時代。是非一緒に歩んでいきませんか。
公立はこだて未来大学
システム情報科学部 教授 美馬のゆり
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