寺子屋方丈舎フリースクール会津スタッフの鈴木成子です!
2025/4/23 15:31

高校生の時、進路に悩んでいた私は、姉の出産を機に初めて赤ちゃんという存在に触れ、「どう育てたらいいんだろう?」「どう関わることが良いのだろう?」と、湧き上がる疑問を抱きました。末っ子の私には、年下の子どもの世話をした経験がなかったのです。その思いから、勤労学生制度を利用して幼児教育を学び始めました。
幼稚園教諭として、クラスの子どもたちと皆で同じ活動に取り組む日々は、楽しさもあった一方で、子どもたち一人ひとりの「したい」という気持ちが制限されてしまう場面も少なくありませんでした。どこか窮屈さを感じていた私自身の進路もまた、定まらない中で、会津にフリースクールがあることを知り「知りたい」という気持ちから、スタッフとして関わらせていただくようになりました。
不登校とは無縁だった私にとって、フリースクールに通う生徒たちは、皆、素直で、正直で、そして真っすぐな眼差しを持っていました。彼らは、朝はなかなか起きられないけれど、好きなことには「やる!」と自ら決めて熱心に取り組みます。学校で教わる勉強は苦手でも、自分の興味のある分野の情報には驚くほど詳しい。そんな彼らとの関わりを通して、私は多くの面白さや、時に羨ましさを感じることさえありました。
スタッフとして働く中で、私が痛感したのは、フリースクールの運営には、生徒の皆さんから利用費を頂戴せざるを得ないという現実です。義務教育が無償である中で、今まで家で過ごしてきたお子さんを持つ保護者の方に、金額を見て「その金額分、勉強してきて」と言わざるを得ない状況を目の当たりにした時、胸が締め付けられました。学校に行けなくなって不安を感じているのは、保護者の方だけでなく、お子さん自身も同じです。それにも関わらず、経済的な理由や、一人親であること、ご自身の病気など、様々な事情から、フリースクールに繋がることができないご家庭が、残念ながら多くあります。
そんなご家庭のお子さんたちが、少しでも安心して体験や経験を重ねられるように。一人でも多くの子どもたちが学びの機会を得られるように。私たちは奨学生制度を導入し、共に子どもたちを支えてくださるマンスリーサポーターさんを募集したいと思っています!
私自身、短大時代に親から「お金がないから進学は無理だ」と言われた経験があります。それでも、勤労学生として働きながら短大に通い、卒業することができ、今こうして子どもたちの教育に関わらせていただいています。お金がないからできないのではなく、「今、何が自分にとって本当に大切なのか」を考え続けることこそが重要だと信じています。
もし、学校という場所で自分の力をなかなか発揮できないと感じているのなら、力を発揮できる場所を選んでも良いのだと伝えたい。
「学校に行けないから何もできない」「勉強ができないから自分はダメだ」と悩んでいる子どもたちが、今ある時間を大切に過ごせる場所を、一人でも多く作っていきたい。それが、私たちの願いです。
← 活動報告一覧へ戻る