ついに解放されたシリア全土へ、住居再建支援を開始します

寄付先

NPO法人 Stand with Syria Japan

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Stand with Syria Japan

支援総額

581,139円

/ 5,000,000円

11%
  • 支援総額

    581,139円

  • 支援者数

    71人

  • 残り

    51日

  • 開始日

  • 終了日

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2024年12月8日、アサド独裁政権から解放され歴史的な1日を迎えたシリア全土へ、SSJは住居再建支援を開始します。シリアの人々が「尊厳のある生活を送り、新たな国を造っていく上で欠かせない住環境を整えること」を最初のミッションとし、シリア北西部の現地職員と連携しながら、シリア緊急人道支援を行います。この支援は住居再建飲みに留まらず国内で産業が破壊されてきたために帰還者がなかなか食料を手に入れることが出来ない状態など、その場その場に合わせた支援も同時に実施します。また、特にSSJが長年その人道に対する罪を問い続けてきた強制失踪の被害者も支援の対象者として優先的に支援をします。住居再建のために必要な設備・材料、また越冬に備えた燃料・ストーブなどを早急に調達し現地へ届けるために、今、皆さまのお力が必要です。

ストーリー

今、シリアで何が起きているのか

2024年11月27日、54年間シリアを弾圧してきたアサド独裁政権に対して、シリア市民は自らの力で国を取り戻す大きな一歩を踏み出しました。12月3日、シリア第二の都市アレッポが解放、その数日後にはアレッポと首都ダマスカスを繋ぐ要衝であるホムスが反体制派によってアサド政権より解放。その後も次々と都市が解放され、そして12月8日、ついに首都のダマスカスが解放されました。これはシリアにおいて、親子2代半世紀に渡って市民を抑圧し、虐殺してきた独裁政権が打倒され、自由、平等、尊厳、正義というシリア人の尊い悲願が達成された歴史的瞬間です。シリア反体制派は、約12日間という期間で、シリアをアサド政権の恐怖支配から解放しました。しかしこの歴史的勝利は、11月27日からの反体制派の進撃だけによって成し遂げられたのではありません。54年の間、父の代から2代続く独裁政権下で静かに虐殺されてきた人々を含む、シリア市民の自由で民主的な国への希求と、それに向けた絶え間ない努力によって12月8日アサド政権の打倒、そして「シリア革命」における最も重要な一歩は成し遂げられました。

SSJシリア在職員からの報告と、これからのSSJの支援方針

12月8日、SSJシリア現地職員スラージュからの調査報告には「解放された街や村に帰ろうとする人がかなりの勢いで急増しているが、アサド政権やロシアの攻撃で自分の家が壊されていて、このままでは使えないところばかりだ。」とありました。この事態を受けて、SSJは「人間が尊厳のある生活を送る上で不可欠な、住環境を整えること」をこの政権崩壊後の最初のミッションとし、本日より、シリア国内全土を対象として「住居再建支援」を行います。

12月現在、決定しているSSJの支援方針

  1. まずはSSJの拠点のあるシリア北西部、イドリブから住居再建支援をはじめます
  2. 特に弊団体が長年人道に対する罪を問い続けてきたアサド政権による強制失踪の被害にあわれた方も解放され、大量に帰還しており、その方々に対しては優先的に支援を行います。
  3. 今後もイドリブから南下する形で解放された都市、およびその近郊にて、活動範囲、対象とする住居を拡大していくと同時に、破壊された産業のために手に入りにくい食料・物資に関してもその場のニーズに合わせて支援を展開します。
  4. 大手のNGOなども同様の支援をする可能性もあるため、現地での連携を取りながら、小回りの利く支援の特徴を生かしながら、中長期的な別の支援活動へと繋げます

住居再建支援では基本的な住居の倒壊状況の判定、及び必要な改修、補強工事のみならず、これから冬を迎えるシリアにおいて必須になる暖房設備の支援も家庭によっては予定しています。また必要な食料や物資も併せて支援を行います。

SSJは昨年2月、マグニチュード7.8を記録したシリア・トルコ大地震の際に、即座にシリア大震災緊急支援プロジェクトを立ち上げ、地元のニーズに応じながら現場主導で支援活動を展開しました。ご支援いただいた皆さまのお力添えにより、SSJは現地で数々の支援活動を実施することが出来ました。この際に、半壊住居の再建事業も実施しております。特に大きな国際機関・インターナショナルNGOなどの支援が届かない人々に注力して支援活動を行えたことが「SSJの最たる強みである」と再認識した瞬間でもありました。この度の緊急支援でもSSJは、最初はSSJの拠点のあるシリア北西部、イドリブから住居再建支援をはじめ、今後広げていく活動地域の中でも、特に他の団体や組織の手が届かない場所に集中して支援の手を広げていきます。

※現在、NPO法人Stand with Syria Japan(SSJ)はシリア北西部の非政権支配地域に拠点を構え、他団体などを介さずに、団体スタッフが直接現地での支援を実施している日本で唯一の団体です。


アサド政権によって弾圧されてきたシリア市民、54年の歴史

シリアそのものは現大統領の父ハーフェズの時代から続くアサド一家の独裁体制国家であり、「壁に耳あり障子に目あり」の隣人などにまで徹底した監視国家を築いていました。その中、中東地域でSNSの力などをきっかけに広がった民主化運動「アラブの春」の煽りを受け、シリアでもアサド政権の独裁・監視体制から自由と民主という「革命」を求めて人々は路上に繰り出しました。しかし、アサド政権はこの民衆を武力で弾圧。反政権を掲げる人々を抑え込み、この事態を鎮圧しようとしました。

そんな弾圧の中でも人々は屈さず、逆にアサド政権を追い込むまでに至った時期もありましたが、最終的にはアサド政権からの要請でロシアが介入したことで、形勢は大きく逆転し、人々はどんどんとシリア北西部に押し込められる形となりました。この間、アサド政権側の支配地域に入った場所では、強制失踪と呼ばれる拉致行為や、逮捕者・失踪者への拷問などが行われたため、デモに参加をしていた人々はこれを恐れ非政権支配地域や国外へ逃れることになり、国内避難民、難民が大量に発生しました。

また、逃れた人々が押し込められた北西部でも日々アサド政権、ロシアによる空爆が続きました。これは軍事施設を標的にしたものだけでなく、病院や学校など民間人を標的に行われていることの方が圧倒的に多数で、常に反政権の立場を取る人々の「革命」への思いを潰すための非人道的な行為でした。これはデータとしても示されており、23万人以上にも及ぶシリア危機での民間人死者のうち、20万人以上がアサド政権によるものとなっています。一番左に赤字で表記されている、Syrian regime forces and Iranian militias=アサド政権とイラン軍による民間人殺害を意味します。

(出典:Syrian Network For Human Rights, 2024)

このような残虐な文字通りの「人道危機」の中で、国連はロシアの拒否権により無力化され、解決・仲裁できる国際的な主体のない中での虐殺が10年以上に及び行われていましたが、日本ではこのことはほとんど報道されてきませんでした。さらに、2023年にはシリア北西部でトルコ・シリア地震が発生。人道危機と自然災害のダブルクライシスの最中でも、アサド政権・ロシアによる空爆は止むことがなく、住居倒壊を恐れて路上生活をしている人々が空爆の犠牲になる事例もありました。

このような国内状況の中、国外の情勢に変化が訪れます。ウクライナ情勢でロシアが苦戦していること、イスラエル情勢にイランが注力していることから、シリアを支援していた国家のシリア国内に注ぐ力が弱まりました。そして、今回の攻勢の主体であるシャーム解放機構(HTS)はかつてイスラム過激派を掲げていたものの、方針転換をし、イスラム過激派を掲げることを止め、反アサド政権を第一に掲げ、他宗教や他宗派など今まではマネジメントできていなかった多くの人々を取り込み力を蓄えていました。このアサド政権側の弱体化と反アサド側の進化がもとになり、今回の大規模な攻勢とシリアの各都市の解放が起きたと言えます。

シリア市民の力によって解放されたこの道を、絶対に護る

SSJが一貫して「解放」という言葉を使っているのは、本来的にその土地や家を所有し、生活を営んでいた人々がアサド政権による非人道的攻撃・空爆や強制失踪・拷問によって追われてしまった人々が元の居住地を取り戻しているのであり、決して侵攻ではなく、アサド政権の圧政からの解放となっているからです。

ダマスカスを解放した現在でもなおシリアでは、2011年に始まった自由と民主を求める「革命」が進行中であり、これからシリアがどうなるのかは私たちにも分かりません。それでも、アサド独裁体制より凶悪な体制など存在しておらず、自由を手にしたシリア人たちは困難を乗り越え国をつくる決意をしています。

SSJはシリア人によるシリア人のための国造りを支持すると共に、力の限り支援を続けていきます。シリア市民の力によって解放された自由への道を護るため、その歩みを支えるため、まずは生活の基盤となる住宅の再建支援をすることを決定いたしました。

※上記の通り、Stand with Syria Japanは民衆の人道と権利に基づき支援をするスタンスを取っています。そのため、シャーム解放機構をはじめ、いかなる政治権力にも支援をするつもりはなく、あくまでシリア人によるシリア人のためのシリアを実現するために人々の生活基盤に対して支援をします。

シリア人家族と、シリア北西部イドリブの避難キャンプにて(右に写るのがSSJ職員のスラージュ)

私たちNPO法人Stand with Syria Japanは2015年に任意団体として活動を始めたときからシリア北西部に拠点を構え、他団体などを介さずに、団体職員が直接現地での支援を実施するということを一貫して掲げ続けてきた日本で唯一の団体です。

今回のアサド政権の崩壊は多くのシリア人と同様に歓喜の報として受け取りつつ、今後もシリアの人々が自由と民主的な権利を得られる社会が構築されるまでシリア社会を注視し続けなければなりませんし、私たちは真の意味での「シリア革命」が成就するその日まで支援を続けるつもりです。

今回の支援はその第一歩であり多くの団体で掲げられている緊急人道支援という意味合いよりも、団体の名前にもあるようにいかに次の国を創ろうとしているシリアの人々と共に(with)何ができるのかという視点で、支援というよりも協力の意味合いで、事業を組み立てています。どうか、皆さまのお力をお貸しください。


NPO法人Stand with Syria Japan 日本・ベルリン・イドリブ職員一同

https://standwithsyriajp.com/

代表:山田一竹

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