聖なる夜に聖なる木
2024/12/25 23:25

こんばんは、事務局長の新石です。いつもご支援いただき誠にありがとうございます。
本日ミャンマーはクリスマスの休日でした。明日は朝から首都ネピドーに移動して調印式に備えます。現在、ヤンゴンは過ごしやすい気候です。暑くもなく寒くもない。つい昨日ですが、マグウェのスタッフが年末年始の休みでこちらに来ていて話をしたところ、中央乾燥地域のほうが寒いと言っていました。
あんなに暑い場所なのに、この時期は寒くなって、たき火をすることも珍しくない。十年前に駐在していたとき、毛糸の帽子をかぶって厚着をしているスタッフたちを見て、妙に感心したことを思い出しました。住んでみないと分からないことがあるものです。
さて、このクラファンの活動報告は建前と本音のはざまの空間。――勝手にそういっているだけですが、そんな話題を書いてみようと思います。
明日、ネピドーに出かけると書きました。行政機関とのMOU(覚書)です。昔でしたら、大々的にアナウンスされました。国内の新聞報道に載ったり、あるいは日本政府からも人が来てくれたり(20年以上前ですが)。今回は先方にロープロファイル(こっそりやって!の意)をお願いしています。政治的な分断や対立が深まっているため、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いじゃないですが、一部の人々から批判され、排撃の対象になることもあるからです。
そんな馬鹿な、NGOは中立で支援が必要な場所で活動しているだけなのに!――そのとおりです。そうした活動がいったいどのような前提の上で成り立つのかというルールやメカニズムに注目しないと、このような世界で生きていくことはできません。現実的に支援を届けていくうえで必要なステップとは何なのか。そこで苦闘している人々がたくさんいます。とくに紛争当事国で活動するNGOや国際機関は、そうしたセンシティブな領域で、リスクを最小限に抑えながら自分たちの活動の意義を試行錯誤しています。
いろいろな立場がある。私たちがミャンマーに本格的に入っていった約30年前もそうでした。私たちは当時日本国内で民主化運動を進める人たちに会いに行き、我々の活動について率直に意見を伺ったことがありました。「あなたたちがしていることは私たちにできないことです、どうぞがんばってください」と背中を押してもらいました。再び混迷を深める状況において、だれもがとまどいの渦中にあります。政治的立場は関係ありません。このクラファンの記事にも書きましたが、私たちは公共的でありながら、同時に私的な存在でもある。NGOの活動の本領は、そのあいだで絶妙に動いていく柔軟さにあるのではないでしょうか。
なにもかもが全てうまくいくようになるのはいつでしょうか。仕組みや制度が整うのは何年後、何十年後のことでしょうか。政策を慎重に検討していても生活は待ってくれない。役割分担です。動けるならば動く。目の前のだれかの生活に何か貢献できそうならば、それをやる。社会と個人はこの先もずっと合致することはないでしょうし、合致させるべきでもでないでしょう。だからこそ私たちのような存在が世の中に必要なのではないか。
ちちち、抽象的~!! でも、これがいまの私の気持ちです。そう自分に言い聞かせています。
クリスマスに何をいっているのでしょうか。いつも私たちを応援していただき誠にありがとうございます。それがこの聖なる夜に言いたいことです。そういえば「聖なる夜」ってクリスマスにしかいわないですね。というか、なぜ「夜」限定なんでしょうね。閑話休題。
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おまたせしました。「風にうたう ミャンマーのかがやき」、本日は海外事業担当で現在ラカイン州事業のPMもやっているベテランBAJスタッフ大野から原稿と写真が届きました。彼はじつは植物博士です! ご笑覧ください。
メリークリスマス~!
「街中の聖木」
ビルマ人の多くは、巨木には精霊が宿っていると信じている。特定の樹木は仏教やヒンドゥ教の神話に関連する聖木だ。特にインドボダイジュは、お釈迦様が悟りを開いた木として崇拝されている。祠が設けられ、供物や燈明が絶えることのない樹も。建物の屋根や壁の隙間に根を張り育っていても、取り除くこともなくそのまま。自然の営みとして受け入れているように思われます。(大野)
写真:歩道を塞ぐ聖木。ヤンゴンの大通りで。
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(10個 限定)かがやきのカケラたち ~いつかミャンマーに行こう!~【残り7つ】
12,345円
12,345円のご支援限定で、リターン品として事務局長がミャンマーで入手した「かがやきのカケラたち」のうち一つをランダムにお送りします。
例:お菓子、ひまわりの種、マカダミアナッツ、お茶っ葉スナック(ラペ)、古いミャンマーのマンガなど
【これって寄付なの?と気になる方へ】
すこし専門的な話ですが、一般的にクラファンのリターン品は「対価性がある」とみなされ、寄付扱いではなくなることが多いです(所轄庁が判断します)。おそらく、この「かがやきのカケラたち」もそうなるでしょう。
ですが、「ミャンマーを知ってもらいたい!」ということも今回のクラファンの趣旨の一つなので、このたび10個限定でリターン品をあらたに設定いたします! 金額が12345の理由は、他のご寄付と区別するためです。あと、読み上げるとなんとなく勢いがあるためです(1234 Go!)
どうぞよろしくお願いいたします。