買春処罰の危険性を訴えるリーフレットを作成し、セックスワーカーの生活を守りたい!!

寄付先

任意団体 SWASH

買春処罰の危険性を訴えるリーフレットを作成し、セックスワーカーの生活を守りたい!!の画像

SWASH(Sex Work And Sexual Health)

支援総額

864,855円

/ 1,500,000円

57%
  • 支援総額

    864,855円

  • 支援者数

    114人

  • 残り

    終了

  • 開始日

  • 終了日

キャンペーンは終了しました

非犯罪化から20年のアオテアロアで

2024/12/2 17:07

掲載日:2024年12月2日 執筆担当:おはな

アオテアロア(ニュージーランド)は2003年に世界で初めてセックスワークの非犯罪化を行った。それから20年が経った今、移民としてこの島に暮らし多くのセックスワーカーや法整備に関わった人々から聞く話から、これまでの道のりを振り返り非犯罪化後の未来について考える。

セックスワークは多くに分けて犯罪化(criminalisation)、合法化(legalisation)、非犯罪化(decriminalisation)の3つの法体系の国や地域に分かれている。

犯罪化は売り手買い手のどちらか、両方、仲介業者など地域により様々な罰則の形が取られる。北欧モデルとも言われる買春処罰は犯罪化の一部に分類される。これは売買春を根本的に悪とみなし罰則により産業自体をなくそうと試みるが、実際には隠れることでより危険の多い取引が増えたり、仕事自体で処罰されることを恐れるワーカーが増え店や顧客から不当な扱いを受けても告発が困難になったりする。またセックスワーカーがセックスワークを辞めることを望む時にも、セックスワークで前科があれば他の仕事に就くことはより困難になる。

非犯罪化と似ているように思われがちな合法化は多くの場合セックスワーカーの事業者登録や感染症検査が義務図けられたり働ける場所が制限される(例えば一定の地区の室内の店のみ許可)ことで、路上で客引きをせざる得ないなど産業の中でも最も周縁化される状況の人々摘発などのリスクを負うことが多い。

2003年の有名なジョージーナ・バイヤー議員による演説後の採決で、ニュージーランド国会はProstitution Reform act 2003(売春改正法)を1票差で可決し、世界で初めて非犯罪化を勝ち取った。

演説:

Beyer, Georgina: Prostitution Reform Bill — Procedure, Third Reading - New Zealand Parliament

https://www.parliament.nz/mi/pb/hansard-debates/rhr/document/47HansS_20030625_00001427/beyer-georgina-prostitution-reform-bill-procedure/


Prostitution Reform act 2003(売春改正法):

https://www.legislation.govt.nz/act/public/2003/0028/latest/dlm197815.html


ジョージーナ・バイヤーはマオリの女性議員で、ウェリントン郊外の町の市長を経て、世界で初めてトランスジェンダーであることを公表して国会議員となった。ドラァグクイーンや女優、そしてセックスワーカーとしての経験も国会で話している。非犯罪化によりアオテアロアでは、成人の同意の元の性サービスの売買、風俗店の運営など自体が罪に問われなくなり、セックスワーカーは他の産業で働く人たちと同じように公衆衛生、人権、労働法などに基づく権利を得た。20年経って他に非犯罪化を達成したのはオーストラリアの一部の州とベルギーのみだ。

(赤:犯罪化、黄:合法化、緑:非犯罪化、NSWPより)

https://www.nswp.org/sex-work-laws-map


セックスワークの非犯罪化は性暴力などを助長するのではないかという懸念は当時も今も多く聞かれる。非犯罪化で全ての問題が解決するわけではない。一方で働くこと自体は犯罪でなくなり労働者としての権利を得ることは、労働における暴力や差別の問題に立ち向かう力を得ることだ。

例えば、デンタルデムの使用を双方が合意した後に、顧客が勝手にコンドームを外したとして裁判になりセックスワーカーが勝訴したケースや、非犯罪化初期にも風俗店経営者が従業員への性暴力を働いて有罪になった有名な例もある。これはセックスワーク自体が犯罪である社会では、訴えを起こした時点で例え暴力の被害者であってもセックスワーカーが罪に問われる危険がある。非犯罪化でも同意に反する行為や暴力の問題がなくなる訳ではないが、セックスワークの取り締まりではなく、より問題の本質が取り上げられる。

コンドームを外したとして裁判になりセックスワーカーが勝訴したケース:

Sex worker indecently assaulted by man who failed to practice safe sex | Stuff

風俗店経営者が従業員への性暴力を働いて有罪になった例:

Escort wins landmark case - New Zealand News - NZ Herald


非犯罪化後も残る問題

アオテアロアでは非犯罪化もすべてを解決したわけではない。残された大きな問題点の一つが市民権や永住権を持たない移民の権利だ。非犯罪化後も滞在許可に期限がある(永住者でない)移民は他の分野では就労許可があっても「人身取引防止」という名目でセックスワークに従事することが認められず、摘発されれば強制送還と長期の入国禁止を課せられる。他の分野では多くの移民労働者に頼って成り立っている(そもそも入植者が先住民から盗んだ)土地でこのような法制は移民の権利の侵害、及び性産業に対する差別だとして長年法改正を目指す運動が続けされている。

最近日本でも摘発があり話題になっているストリップ産業では、ウェリントンを中心にダンサーの団体が発足し、ストリップ劇場経営社に対する労使交渉から国会審議へと注目を集めている。始まりは2023年にウェリントンのストリップクラブのダンサーが待遇改善を求めオーナーに共同の要望を送ったことだった。メールが送信された翌日、オーナーからはなんの説明もないままフェイスブックグループで19人のダンサーが一斉解雇された。これに抗議する過程で解雇されたダンサーを中心にFired Up Stilettosという団体が発足した。クラブの前や国会の庭にポールを持ち込んでパフォーマンスと共に行う抗議活動を何度も見に行った。国会に提出した署名の賛同者は7千人を超え、現在も個人事業主として店の取り分の規制、不当な罰金の禁止などを盛り込んだ法整備を目指して活動を続けている。これもストリップを含む性産業自体が犯罪でないからこと公然と行える活動だ。

Fired Up Stilettosインスタグラム:

https://www.instagram.com/19firedupstilettos/

現在も個人事業主として店の取り分の規制、不当な罰金の禁止などを盛り込んだ法整備を目指して活動:

Dancers take case to Parliament about working conditions at strip clubs | Stuff

「クィア解放のための移民法改正を」 緑の党議員のリカルド・メネンダス・マーチとプライドパレードで。


このような例からも分かるように、非犯罪化は終着点ではなく出発点だ。非犯罪化はセックスワーカーに労働者としてのごく一般的な権利を保障し、労使問題、医療へのアクセス工場、暴力の被害防止などの対策で仕事自体が罪に問われることなく、当事者を中心とした権利運動に繋がっている。

真のフェミニズムはトランスを包摂しセックスワークの非犯罪化を支持する。

特に最近のストリップクラブでの抗議活動に関わる友人たちから「非犯罪化は大切だけど、その先の権利運動の道は長いし決して理想の世界ではない」と何度も聞いた。買春処罰をはじめとした犯罪化が日本をはじめ世界各地で叫ばれるが、セックスワークが非犯罪化され労働運動としての出発点に立つことを私たちは諦めたくない。

参考資料

移民とセックスワーカーについて受けたインタビュー (おはな)

https://www.stuff.co.nz/national/132514928/migrant-sex-workers-afraid-of-reporting-abuse-citing-fears-of-deportation-from-new-zealand





← 活動報告一覧へ戻る

https://swashweb.net/

代表:要友紀子

団体を見つける
  • 社会課題から探す
  • すべての団体から探す
  • キャンペーンを探す
Syncableについて
関連サービス

Syncable Logo Image
© 2021 STYZ Inc.All rights reserved