《活動情報#1》バングラデシュの「隠れた児童労働」ー幼いときから働く少女たち
2024/9/13 14:02
クラウドファンディング開始から1週間が過ぎました。
すでに180名を超える方々から150万円以上ご寄付が届いています。ほかにもSNSの投稿シェアしたよ、先週のラジオ聞きました、と多くの方からの温かい言葉ももらい、大きな励みとなっています。心よりお礼申し上げます。
バングラデシュの「隠れた児童労働」をなくすために
さて、シャプラニールでは、児童労働、防災減災、児童教育と3つの異なる分野で事業を実施しています。そのひとつ、「児童労働」の問題への取り組みは、2000年バングラデシュのストリートチルドレンの支援から始まり、2006年から現在までは他人の家で家事労働を行う「家事使用人として働く少女」の支援に変遷していきました。
バングラデシュは世界でみても児童労働者率が高く、推定約170万人の子ども(5歳から17歳)が児童労働に従事しているといわれており(ILO、2013年)、そのうち130万人がレンガ工場など健康を害し成長を脅かす「危険な労働」に従事しています。強制的な労働は、子どもたちから教育の機会を奪う大きな要因のひとつでもあります。
しかし、子どもたちが働くのは「貧困」といった経済的な理由だけではありません。女性や母子家庭への偏見・差別、教育の過小評価、子どもが働くことが容認されている社会の風潮、また子どもの意思で友達に誘われ働きに出た、勉強が楽しくないなど、さまざまな要因が複雑に絡み合い、多くの児童労働をうみだしています。
なぜ女の子を支援?「隠れた児童労働」への取り組み
ストリートチルドレンへの支援をしていた頃、ドロップインセンター(ご飯を食べたり寝泊まりできる場所)に来ているのはほとんどが男の子だったことに気がつきました。「では女の子はどこにいるの?」そんなスタッフの疑問から調査を開始し、「隠れた児童労働」である家事使用人の仕事にたどり着きました。
「家事使用人として働く少女」はバングラデシュ国内に数十万人以上いるといわれていますが、はっきりとした数は公表されていません。なぜなら少女たちは家の中で一日中働いているため、家の外から人目には触れられることはなかなかありません。
使用人として少女を働きに出すことを正当化するために「女の子」だからという理由もおおいにあります。女の子はすぐ結婚するから学歴は必要ない、家事が身につく、結婚持参金の一部を稼ぐため......そうして少女たちの意思とは裏腹に幼くして農村部から送り出され、家族のためと思い働いている少女たちはたくさんいます。
シャプラニールでは、こうした児童労働の現状を受け、働く少女たちが読み書きや計算、将来の職業の選択肢を増やす技術研修を受けられる学びの場、そして何より同年代の少女たちと安心に過ごすことのできる「支援センター」を運営しています。
2024年度は、首都ダッカ市内に新規に2つの支援センターを開設。センター運営を通じて地域住民の協力を得ながら、少女たちが働くことになった要因や出身地域の現状分析を行っていく予定です。2023年には、児童労働削減に関心のあるNGOとともに団体を新たに組織し、政府への政策提言にもより注力しています。
私たちは働く少女だけではなく、少女たちを取り巻く環境、そこにかかわるさまざまな立場にある地域住民とともに、児童労働削減につながる根本的な問題解決をめざし、日々活動しています。これからのバングラデシュを担う少女たちが、より希望をもてる社会に一歩でも近づけるように、シャプラニールは前進していきます。
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「活動報告」ではこのように私たちがバングラデシュで行なっている活動についての情報も発信していきます。ぜひ引き続きご覧ください!
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